2018年09月17日
国家試験解説「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(No.31)」
Q31.腎疾患に関する記述である。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)糖尿病腎症は、ネフローゼ症候群にはならない。
(2)CKDの診断基準では、糸球体濾過量が、60mL/分/1.73u以上である。
(3)推算糸球体濾過量は、血清クレアチニン値を用いて算出する。
(4)血液透析は、24時間連続して行う。
(5)死体腎移植を受けた患者には、免疫抑制剤の投与は不要である。
【解説】…正答(3)
(1)誤り。糖尿病腎症は、二次性ネフローゼ症候群の原因疾患の一つである。
ネフローゼ症候群は、腎臓由来である一次性とその他の原因による二次性とに大別される。
(2)誤り。糸球体濾過量が60mL/分/1.73u未満である。
次の@、Aのいずれか、または両方が3か月以上持続する場合にCKDと診断される。
@尿異常、画像診断、血液、病理での腎障害の存在が明らか。
特に0.15g/gCr以上のたんぱく尿(30mg/gCr以上のアルブミン尿)の存在が重要
A糸球体濾過量<60mL/分/1.73u
(3)正しい。換算糸球体濾過量は、血清クレアチニン値、性別、年齢から次の式で算出する。
男性:eGFR=194×血清クレアチニン(Cr)-1.094×年齢-0.287[mL/分/1.73u]
女性:eGFR=194×血清クレアチニン(Cr)-1.094×年齢-0.287×0.739[mL/分/1.73u]
(4)誤り。慢性腎不全に対する維持血液透析は、通常1回4〜5時間、週2〜3回行う。
(5)誤り。死体腎移植であっても、拒絶反応を引き起こすリンパ球の働きを抑制するために、
レシピエントには免疫抑制剤を投与する必要がある。
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