2018年09月15日
国家試験解説「人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(No.29)」
Q29.循環器疾患とそれを引き起こしやすい病態の組合せである。正しいのはどれか。1つ選べ。
(1)脳出血ー低血圧
(2)くも膜下出血ー一過性脳虚血発作(TIA)
(3)ラクナ梗塞ー心房細動
(4)下肢深部静脈血栓症
(5)心筋梗塞ー不安定狭心症
【解説】…正答(5)
(1)誤り。脳出血の原因となるのは高血圧である。
(2)誤り。くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂や脳動静脈の奇形が原因となる。
一過性脳虚血発作(TIA)とは、脳の血流障害により一過性に脳局所症状を呈するが、
短時間のうちに症状が消失するものをいい、脳梗塞の前駆症状として臨床的に重要である。
(3)誤り。ラクナ梗塞は、細い脳動脈の穿通枝に起こる小さな梗塞で、
高血圧や脂質異常症などが原因となる。
不整脈の一つである心房細動は、心原性脳梗塞症の原因となる。
心房細動では心臓内に血栓ができやすく、その血栓が血流に乗って脳まで運ばれ、
脳の動脈を閉鎖することで起こる。
(4)誤り。下肢深部静脈血栓症は、肺塞栓の原因となる。
肺塞栓は、下肢などにできた血栓が血流に乗って肺まで運ばれ、肺動脈を閉塞することで起こる。
(5)正しい。不安定狭心症は増悪傾向にある狭心症で、急性心筋梗塞や突然死に至る可能性がある。
病態としては、冠動脈内に起因する不安定プラークの破綻などにより血栓が形成され、
急激に冠動脈が狭窄して心筋虚血に至った状態である。
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