2018年07月20日
国家試験解説「社会・環境と健康(No.5)」
Q5.ある地域の40歳以上の男性を対象としたコホート研究において、
喫煙群と非喫煙群を各々20万人年観察し、疾患A、Bの罹患者の人数を調査した結果を表にまとめた。
喫煙と疾患Aおよび疾患Bとの関連に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
喫煙群と非喫煙群を各々20万人年観察し、疾患A、Bの罹患者の人数を調査した結果を表にまとめた。
喫煙と疾患Aおよび疾患Bとの関連に関する記述である。正しいのはどれか。2つ選べ。
(1)4万人を5年間追跡した場合と、5万人を4年間追跡した場合の観察人年は同じである。
(2)喫煙による疾患Aの相対危険は、0.10である。
(3)喫煙による相対危険は、疾患Aより疾患Bが大きい。
(4)喫煙群における罹患者数は、疾患Bより疾患Aで多い。
(5)禁煙による寄与危険は、疾患Aより疾患Bが大きい。
【解説】…正答なし 米この問題は選択肢が不適切であるとして、採点対象がら除外されました。
(1)誤り。もし追跡期間中に1人も罹患しなければ、「4万人を5年間追跡した場合」と
「5万人を4年間追跡した場合」ともに観察人年は20万人年となるが、
追跡期間中に罹患者が複数名出ることが予想される。
追跡期間中に罹患した物はその時点で観察人年のカウントを終了するため、
追跡期間中に罹患者が出ることを踏まえると、
前者と後者の観察人年は設問のみの情報では算出できない。
(2)誤り。曝露群(喫煙群)の疾患Aの罹患率は600人/20万人年、
非曝露群(非喫煙群)の疾患Aの罹患率は60人/20万人年である。
したがって、喫煙による疾患Aの相対危険(曝露群の罹患率÷非曝露群の罹患率)は、
(600人/20万人年)÷(60人/20万人年)=10と算出できる。
(3)誤り。曝露群の疾患Bの罹患率は1,200人/20万人年、
非曝露群の疾患Bの罹患率は600人/20万人年であり、
喫煙による疾患Bの相対危険は、(1,200人/20万人年)÷(600人/20万人年)=2と算出できる。
したがって、喫煙による相対危険は、疾患Bより疾患Aが大きい。
(4)誤り。表にある通り、喫煙群における罹患者数は疾患Aが600人、疾患Bが1,200人である。
(5)誤り。喫煙による寄与危険ではなく、喫煙による寄与危険であれば、疾患Aより疾患Bが大きくなり、
正しい文となる。
疾患Aの喫煙による寄与危険(曝露群の罹患率ー非曝露群の罹患率)は、
(600人/20万人年)−(60人/20万人年)=540人/20万人年と算出できる。
また、疾患Bの喫煙による寄与危険は、
(1,200人/20万人年)−(600人/20万人年)=600人/20万人年と算出できる。
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/7882409
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック