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2017年06月26日

お釈迦さまの無言の説法

お釈迦様が到着されたときの韋提希の心は、

遅かったわねといった感じです。

 

そして、阿闍世(アジャータシャトル)ダイバへの怒りを思いっきりぶつけるわけです。
阿闍世が憎い、ダイバが憎いといってくるしむんですが、

ここでとどまるわけではありません。

 

論理が飛躍して、お釈迦様まで責め立てるんです。

超論理ともいわれます。目の前にいる方ですからね。

怒り愚痴の心で苦しんでいる姿です。

 

世尊、我宿何の罪ありてか此の悪子を生める。

世尊、復何らの因縁ありてか提婆達多と共に眷属為る。
(観無量寿経)

 

こう言って、韋提希はぶちまけているんですね。

我が身知らずもいいところなんですが、

それをお釈迦様は慈愛のまなざしで見ておられるんですね。

 

このときの目を半眼といわれます。

人の心を読むときは、半眼がいいといわれます。
聴聞中はいけません。どんぐりまなこでいてください。

半眼だとよろけちゃいますから、こんな風に。大変。

 

韋提希夫人の心をよく見ておられたんですね。

ここで、お釈迦様は何も言っておられません。

これを無言の説法といわれます。

 

これは、お釈迦様が抜こうとしていた苦しみというのは、

単なる痛み止めのような、一時だけのものでなくて、

根本的な苦悩の根源を抜こうと思っておられたので、

あえて無言だったんですね。

 

もちろん、慰めが必要なときもあります。

愚痴を聞いてもらえると、それだけでもだいぶ楽になるものです。

 

しかし、それでは苦悩の根源が抜けないと判断されて、

あえてなにもしゃべられなかったんですね。

 

そうすると韋提希は「ああお釈迦様何か仰有って」と、

のたうちまわって苦しむんですね。

 

全部自分に返ってくるので、ますます苦しくなる。
そして、韋提希が五体投地するんです。

タグ:聴聞
posted by 陽葵 at 18:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 仏教
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