ネコと贅沢　ボンビーライフ

舛添氏が辞職願＝21日付、政治資金流用で引責―都議会の不信任前に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160615-00000043-jij-pol

なんだか悲しくなる幕切れだ。
だんだん政治家のスケールがみみっちくなっているようで、
このままで日本は大丈夫なのだろうかと
悲観的な気分にならざるをえない。

前の都知事の猪瀬直樹氏の時も
副都知事時代に副都知事室にトイレを作り
公金の私物化ともいうべき行いをしていた。
それについてもっともそうな理屈をつけていたが、
どうやら都庁には、三人分の副都知事室にはトイレがあるが、
４人目の副都知事である猪瀬氏の部屋にはトイレがなかった、
ということから新たにトイレを４５０万円かけて作られた、
つまり、副都知事としての待遇をトイレにも当てはめたのだ。

この件を猪瀬氏が要望したのか、
都庁側が提案したのかは分からないが、
いずれにせよ実際に作られたのだから
猪瀬氏も容認したということは言える。

こういった立場を利用したセコい行為と、
徳洲会グループからの資金援助に関する小さな嘘の積み重ね、
この基本的な構造は
今回の舛添氏の問題ととても良く似ている。

政治資金で温泉に行ったり、
公用車を乗り回したり欲しいものを買ったり、
ファーストクラスと豪華ホテルの海外旅行といった立場の利用、
問いつめられると小さな嘘で逃げ切ろうとする姿勢。
よくもまあこれほど似通った都知事が選ばれるものだ。

そうではない。
似通っているのは都知事だけではない。
おそらく政治家を目指している人すべてが
この手のセコさを胸に秘めて立候補しているのだ。

そのセコさが表に出たので有名なのが
兵庫県議会議員だった野々村竜太郎氏。
最近では宮城県議会議長だった安部孝氏も
不透明な政治活動費によって議長を辞めている。

舛添氏は法的には問題ないというが、
ザル法なのだから当然だ。
これが支出目的をしっかり限定した政治資金規正法に改めたら
どれだけの数の政治家が引っかかることだろう。

よく政治家は、政治家をするにはお金がかかる、と言うが、
本当にそうなのだろうか。
お金をかけずに政治をしたことがあるのだろうか。
ただ慣例通りにお金のかかる政治を
ズルズルと行っているだけではないだろうか。
お金のかからない政治を試してもいないのに
お金がかかると言っても説得力がないのだが。

昔、産経新聞が横並びであった購読料を
他紙より引き下げようとした。
産経新聞の社員たちは「これでは新聞が作れない」と反対した。
ところが社長は
「その値段で今までの新聞と同じように作ろうと思うな。
その値段で作れる新聞を作れ。」と言った。

こういった発想の転換がなぜ政治家から生まれないのだろう。
歴史上の数多の先例が
慣例にしがみついて滅びた例を示している。
変われたものだけが生き残り、
変われなかったものは淘汰される。

はたして今のようにお金をかけていて
良い政治になっているのだろうか。
お金をかけなくなれば政治は悪い方向に進むのだろうか。
やってもいないことを頭からできないと否定することは
政治家として正しい姿なのだろうか。
試してみてダメだったところを修正するのが
進歩というものではないのだろうか。

いずれにせよまた選挙で知事を選び直すことになった。
２回続けて愚かな選択をしてしまったのだから、
次こそ正念場となる。
五輪絡みで大なり小なり世界中に恥を晒したのだから
立候補する側も投票する側も
慎重であるべきだし、覚悟を決めるべきだ。