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2020年12月04日

中国共産党を作った13人 (新潮新書) [参考レビュー]


『中国共産党を作った13人』
(参考)
[レビュー]

◆中国共産党を作った13人 (新潮新書) (日本語) 新書 ? 2010/4/1
譚 〓美 (著)




商品の説明
内容(「BOOK」データベースより)
一九二一(大正十)年七月二十三日、上海の高級住宅に十三人の中国人青年が集まった。そこで行われた会合こそ、中国で「歴史的壮挙」とされる、中国共産党第一回全国代表大会である。欧米列強に蹂躙された国土を取り戻すために命を懸け、過酷な運命に翻弄された十三人。彼らの青春群像を丁寧にたどっていくと、従来、中国共産党が意図的に軽んじてきた、党創設にまつわる日本の影響が浮かび上がってくる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
譚/〓美
1950(昭和25)年東京生まれ。本籍中国広東省高明県。ノンフィクション作家。中国人の父と日本人の母の間に生まれ、中学まで日本の中国人学校で学ぶ。慶應義塾大学文学部卒業。広東省国立中山大学講師などを経て独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

【Amazonレビューから】


◆ 日本から
死刑台のエレベーター
5つ星のうち5.0 1921年・上海フランス租界
2017年2月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中国共産党第一回全国代表大会。
ここから、すべてが始まった。
この秘密会議に参加した13名は、奇しくも裏切り者ユダを含む、イエスキリスト13使徒と同数である。
当時の上海、フランス租界の私立女学校で開催されたこの大会がその後の中国の運命を決定した、
と言っても過言ではない。
私もこの記念すべき中国共産党第一回大会跡に出来た博物館に行ったことがある。
中国共産党が建党された時期、陳独秀という学者が党のリーダーであり、毛沢東などはほとんど知られていなかった。
党員数たった13名での、嵐の船出だった。
そんな初期党員の姿を描写した本書の価値は高いと思われる。
当時の中国共産党の花形であり、スターだったのは、「新青年」などの雑誌に文章を寄稿したり、
その熱血漢をもって自認する、名アジテーターだった陳独秀であった。
しかし、当時はじめて中国共産党が建党された時期に、
密かに「想像を絶する邪悪」がこの集団に潜んでいたことに、
陳独秀も、コミンテルン代表マーリンも気づいていなかった・・・

◆Cloudiam
5つ星のうち5.0 中国の今の発展をもっと知るには
2010年5月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中国共産党の歴史は複雑だと思っていたが、初期にはこんなことがあったとは想像外だった。日本の存在が強く影響を及ぼしていたと知り、ここまで深い関係にあったとは、驚きだ。まるで日本が中国共産党を作ったようだ。西郷隆盛が中国でもよく知られた人物だったとは、知らなかった。日本と中国は密着した関係だと、あらためて感じた。今の中国の発展を知る上でも読む価値あり。

◆河童の川流れ
ベスト1000レビュアー
5つ星のうち4.0 13名の辿る運命は?
2011年1月16日に日本でレビュー済み
 1921年夏、中国各地からの共産党代表として上海の李漢俊の家に集まった13人が辿った運命の皮肉。
 これが中国共産党第一回大会と言われるようになったのは後年のことであるが、組織を此処までにしてきたのが陳独秀であったことは間違いのない事実だろう。
 上海(李漢俊・李達)、北京(張国壽・劉仁静)、広東(陳公博・包恵僧)、武漢(薫必武・陳潭秋)、済南(王尽美・トウ恩明)、日本(日本へ留学中の周佛海)、長沙(毛沢東・何叔衛)が、この会合に集まった面々である。
 日本への留学経験者が、13人中で4人もいたから、著者は、彼ら4人の日本留学中のエピソードなども取材して詳しくしく書いている。
 この第一回の会合では目立たない存在だった毛沢東が、1949年10月1日、天安門広場で、「ここに中華人民共和国の成立を宣言する!」と演説したとき、13人だった同志が毛沢東と薫必武のたった2人になっていたのである。
 著者が、この13人にスポットを当てることを軸にして簡潔に書いているから、中国の共産党国家への道のりを知るうえでの良書だと思った。
 毛沢東が演説した時に天安門にいなかった11人の同志達の、その後の運命を知りたい方は、ぜひ本書を一読されるようお勧めいたします。 

◆革命人士
5つ星のうち4.0 毛沢東以前の中国共産党を描く
2010年5月15日に日本でレビュー済み
世界最大の政党であり、最大の権力を持つ中国共産党であるが、毛沢東の支配権確立以前のことをほとんど知らなかった。本書は毛以外はほとんど知られざる13人の結党集会メンバーの人物紹介を軸に、結党前後の中国共産党の姿を描く。日本留学組が4人もいて、大正デモクラシーで自由の気風が高揚する日本で盛り上がる最新の社会主義思想を持ち込むと、あっという間に中国全土に伝播し、続々と共産主義グループが生まれた。そのグループを全国組織として立ち上げた集会が第一回党全国代表大会だった。メンバーの一人で東京帝大を出た李漢俊の自宅で開いたという。共産党というマグマが吹き出す直前、芥川龍之介がまさにその自宅で暢気に李と会見し、毛沢東が校長を務める学校などを見学している。

和書で簡便に共産党結党の経緯などを知る機会は少なく、興味深く読んだ。また、共産党創立について、深い日本の関わりを知り驚いた。ちなみに、結党集会に集った13人のその後は過酷だ。半数が国民党などに殺され、中国で天寿を全うできたのは毛を含め、わずかに3人。投獄されたり、獄死したり、亡命したり。「一将功成りて万骨枯れる」…中国の権力闘争の凄まじさを思わずにはいられない。

◆ともぱぱ
殿堂入り
5つ星のうち4.0 中国共産党結成前後の歴史、特に日本との関わりの深さを知る。
2010年6月6日に日本でレビュー済み
中国共産党第1回全国代表大会(と後に呼ばれる会合)に参加した13名(上海・北京・済南・長沙・武漢・広東代表各2名+日本代表1名。毛沢東は長沙代表。)と不参加だった当時の指導者・陳独秀の足跡を追いつつ、20世紀前半の中国現代史、特に彼らと日本との関わりをまとめた本。

20世紀前半の中国現代史は知らないことが多いし、未だに謎とされている部分もあるが、上記切り口で眺めることにより、身近に感じられるようになった。

日本を通して西洋の技術・知識を得ようとした中国青年の志の高さに感心する。明治維新を経て強国になった日本は近代化モデルであり(西郷隆盛の人気の高さもわかる)、また西洋の知識を学べる最も近くの国であった。資本論や社会主義も日本を経由して中国に入ったのであり、上記13名には留学生者もいる。陳独秀は5回も来日している。

しかしながら、彼らを待っていた運命は過酷であり、それは国共対立、日本との戦争、党内の権力闘争等の激動の中国現代史の反映であった。彼らは精一杯生きたのであり、勝者だけによって歴史が記されることがないよう祈る。


◆nanashisan the book reviewer
VINEメンバー
5つ星のうち5.0 中国共産党創立についての貴重な日本語文献
2010年5月2日に日本でレビュー済み
著者は中国人と日本人のハーフ。本書を読んで、中国共産党創立メンバーが何人も日本留学を経験していたと知った。日本から学んだ点・日本に恨みを残した点・ソビエトからの資金援助・中国大陸内での血で血を洗う抗争など、創立にまつわる一連の出来事が収められている。中国共産党の源流を理解するのに最適な書。


【楽天レビューから】


◆中国共産党設立に関わった人達の日本との関わりが興味深かった。中国近代史に関する知識が乏しいため、分からない部分も多かったが。



【読書メーター・レビュー】


bittersweet symphony
キッチリした中核コアメンバーを中心に必然的に大きくなっていたわけではなく、雑然とした小さな寄合所帯が結果的に巨大な独裁組織へと転生していったのが不思議に感じられる、悲しい最初の13人の列伝。
2018/01/31

Taq Asaq
先に読んだ「革命いまだ成らず」が面白かったので、同じ著者の作品をもう1冊一気読み。いまや世界最大の党である中国共産党も、結成時の第一回党大会に集まったのはたった13人だった。その13人のたどった運命を記す。会場を提供した李漢俊、西郷隆盛に憧れた周佛海ほか、日本への留学生が中心になっていたんですよ。もちろん13人の中にあの毛沢東もいたが、最初はあまり目立たない存在だったとか。大河の流れも、遡れば杯を浮かべる程度の湧き水である。この弱弱しい集団が血で血を洗う抗争を経ていまここにある。実に途方もないことだよね。
2017/09/04

BLACK無糖好き
1921年7月 上海で開かれた歴史的な中国共産党第一回全国代表大会に参加した13人を中心に、当時の会議の様子やコミンテルンの関わり、中国人が新しい思想をどう取り込んできたかなどが書かれています。最初の13人の内、日本留学経験者が4人、その一人の董必武は法政大学を卒業しており、1949年中華人民共和国建国式典で天安門の楼上にのぼる事ができたのは13人の中で毛沢東とこの董必武だけだった。他のメンバーの半分以上は激しい時代のさなかで犠牲となる。特に毛沢東と張国Zの苛烈な主導権争いは興味深い。
2015/10/27
calaf

中国共産党って、当然といえば当然ながら出来たのは20世紀に入ってからなのですね。そして、初期のメンバーにはいろいろな人がいたようで...何より、日本に関係(留学経験)のある人がこんなにいたとは知りませんでした。
2014/07/25
よし

面白かった。共産党結成時のメンバーには李漢俊のように理論的合理的に物事を考えられる人物がいたというのに驚く。毛沢東のような過激な理想主義者ではなく、李漢俊や陳独秀などが主導権を握っていたら、中国はもっと日本に近い社会民主主義的な国家になっていたのではないかと思う。共産党の成り立ちをもっと知ってみたくなった。
2013/12/19
anna

毛沢東が建国の父として神格化されたからなのか、共産党結党時のメンバー、そして日本との関わりが現在では故意に軽んじられている。本書では日本留学生の半生に重点を置いて描かれており共産党に日本が与えた影響を知ることができた。
2013/09/19

汀松@真言宗
中国へと社会主義の理論は、陳独秀など日本への留学生を通じてもたらされた。彼らが最終的には主導権を失い党を離れ、また死んでいくのはもの悲しい。そしてレースに勝ち残るのは毛沢東である。ただ、彼の宰相であった周恩来は3年間の日本留学歴があった。
2013/02/07

ハンギ
中国にとってはヨーロッパよりも近い国であるし、近代化を果たしているという条件から一時期、日本への留学生は8千人〜1万人に近かったという。その中からやがて中国共産党を作り出す人たちも生まれてきた。しかし、天皇主義のバカがいなかったら、こういう優秀な人たちの力が日本にいい影響を与えていたと思うので、残念です。日本が二十一か条の要求を突きつけてからは、留学生は減って行ったとか。それでもいろいろと日本とのつながりはあったらしく、社会主義文献は日本語から中国語への翻訳も盛んだったとか。
2012/05/18

ハンギ
国家副主席にまでなった、董必武は法政大学出身とか、なるほどです。
05/18 16:34

yendows
1921年の中国共産党第一回全国代表大会を軸に、そこに集った、13人の結党までの歩みとその後。中国の国難を打開しようとした彼らの多くは、すばやく近代化をするために、先に西洋化に成功した日本に積極的に留学し思想の輸入を行った。コミンテルンの手が入るまでは社会主義思想の多くを日本から学んだようだ。結党後、終戦、中華人民共和国の誕生、文化大革命と進むうちに、結党時の歴史は忘れられ、同時に日本と彼らの関係も振り返られることがなくなった。その忘れられた視点を提示されることは、今の中国を理解するのにも役に立ちそうだ。
2010/11/10

guanben
ひとりひとりの情熱と勢いが、国まで動かすようになった。何事も諦めちゃいかんと強く思う。
2010/08/03

印度洋一郎
今では中国を支配する世界最大の政党、中国共産党。その出発は知識人のサークルのような、僅か13人のメンバーから始まった第一回全国大会にある。しかし、この創設メンバー達はほとんど忘れられ、タブー視されている。何故か?その謎と顛末について、詳細な調査を行った貴重な本。多分、中国本土では出せない本だろう。創設メンバーの半分が共産党を去った末に殺され、あとの半分近くが内戦で死に、生き残った者は僅かだった。初代党書記長である陳独秀なんか、写真すら正確に伝わっていないという不遇ぶりに驚かされる。
2010/07/03

あまたあるほし
陳独秀が中国では公式的に評価されてないのに驚いた。そもそも歴史上の人物になった人を公式に評価するしないって感覚がおかしい気しますが。
2010/06/11


【参考レビュー】


Posted by ブクログ 2011年12月19日

今年は中国共産党結成90周年。1921年上海。若者13人の会合が出発点とされる。恥ずかしながら毛沢東以外の12人はほとんど知らなかったが,それもそのはず,中華人民共和国建国時に党に残っていたのは毛と薫必武のわずか二名。残りは初期の運動のさなかで死んだり,離党して漢奸として処刑されたり,復党を果たすが文化大革命で弾圧されたり。状況がめまぐるしく変わり,生き馬の目を抜く世界。権力闘争のすさまじさがわかる。
 本書は,13人のなかでも日本留学経験のある4人を中心に,また13人には入らないが同じく日本に留学した陳独秀,李大サの人生にも触れつつ,日本と初期の中国共産党のかかわりを描いている。西郷隆盛はずいぶん彼らに影響を与えたらしい。
 前提知識が乏しく,きちんと読みこなせなかったのは残念。

ネタバレ
Posted by ブクログ 2020年04月05日

中国共産党の成り立ちについて、日本語で客観的に解説している基本図書。上海の第1回共産党大会博物館での見学時に並行して購読した。

1)共産党の成立、特に1910年代後半においては、日本の影響は非常に大きく受けている。このことを歴史上どう評価するかは日中関係とのパロメーターであると思っている。

2)共産党設立の経緯は、第一次世界大戦終了後のパリ講和会議でアジアの民族主義が否決されたこと、これにより孫文の三民主義への失望が生まれ、中国、ベトナムをはじめアジアは、共産主義の影響を受けることになった。(この意味で中国共産党は、あるいみ国民的革命政党と分析することができる)。無論、1917年のロシア革命も大きく影響する。また、共産党の成立には、ソ連からも大きな影響を受けている。


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