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2015年03月05日

刺身を切るときは原価に注意!

こんにちは!
第5回は刺身を切るときは原価に注意!です。ここでは数値の管理のため一般の方はあまり聞いても意味がないかもしれません。水産部門で働く人は重要なのでぜひ見ていってください。

刺身を切って商品として出す場合はだいたい6点盛りなら1000円や4点盛りなら500円など決められた値段ですよね。刺身を切る人によっては当然刺身の重量も変わってきます。ということは、切る人次第で利益が変わってくるのです。しかし、利益がいっぱい取りたいからといって、ぺらっぺらのお刺身にしてしまったらお客様は絶対買ってくれなくなります。だいたい一貫の重量は「13g」と覚えておくといいでしょう。

では、今から重さが変わることによってどれくらい利益が変わってくるのか説明していきますね。
まず、6点盛りを1000円で売るとします。
刺身のネタと原価は次のように設定しておきます。
キハダマグロ 1キロ当たり(2,200円)・タルイカ 1キロ当たり(1550円)・甘エビ 1尾(35円)・ブリ 1キロ当たり(1180円)・サーモン 1キロ当たり(2600円)・タイ 1キロ当たり(980円)



この魚の原価は絶対この値段にはなりません。あくまで仮設定なのでそこのところ誤解しないでください。
また、キハダ・タルイカ・サーモンは冊の状態から切っていくこととし、ブリとタイは丸物(何も捌いてない状態)をつかうこととします。

それでは計算していきましょう。

まず、キハダです。刺身にするときの歩留まり率は「95%」にしておきます。歩留まり率とは簡単に言うと使わない切れ端を取り除いた重さを、元の重さで割った値です。
まず歩留まり原価を計算します。
キハダ 2200÷0.95=2315円  タルイカ 1550÷0.95=1631円  甘エビはそのままの値段35円  サーモン  2600÷0.95=2736円 

ブリとタイは何も捌いてない状態から刺身にするため冊にするまでの歩留まり原価を求めます。この時の歩留まり率をブリは「45%」タイは「35%」にしておきます。

ブリ 1180÷0.45=2622円  タイ 980÷0.35=2800円
冊から刺身にするときの歩留まり率は「95%」なので
ブリ 2622÷0.95=2760円  タイ 2800÷0.95=2947円  です。

そして6点盛りは1貫の重さを「13g」として1種類につき3貫盛り付けます。甘エビは3尾です。また、タイは薄造りで盛るため「10g」を3貫とします。
それでは6点盛りの原価を計算していきましょう。
上で計算した値段は1キロあたりの値段のため、1つづつ「13g×3貫」分の値段にしていきましょう。
(1)の式↓
キハダ 2315÷1000g×13g×3貫=90円  タルイカ 1631÷1000×13g×3貫=63円  甘エビ 35×3尾=105円  サーモン 2736÷1000×13g×3貫=106円  ブリ 2760÷1000×13g×3貫=107円  タイ 2947÷1000×10g×3貫=88円

これを全部たすと6点盛りの原価がでます。
90+63+105+106+107+88=559円  ですね。
この値段を売価から引くと利益(儲け)がでます。
1000円−559円=441円   
利益は441円です。

次に1貫の重量を5g増やした原価を計算していきましょう。
(1)の式のg数を変えるだけで求める事ができますね。もちろん甘エビはそのままです。
キハダ 2315÷1000g×18g×3貫=125円  タルイカ 1631÷1000×18g×3貫=88円  甘エビ 35×3尾=105円  サーモン 2736÷1000×18g×3貫=147円  ブリ 2760÷1000×18g×3貫=149円  タイ 2947÷1000g×15g×3貫=132円  です。

これを全部足してみると
125+88+105+147+149+132=746円 になります。
利益を計算すると、1000−746=254円ですね。

刺身のg数を5g増やしただけで利益が254円に減りましたね。
これ1個だとそんなにたいした金額ではないですがこれが1年続いたとしましょう。
6点盛りを1年で3000個売るとすると
規定のグラム数で売った場合の利益は441円×3000個=1,323,000円です。
5g増やして売った場合の利益は254円×3000個=762,000円です。
この2つの差額は561,000円ということになります。
この値段を見てどう思いますか?すごい値段ですよね。ちょっとg数を増やすだけで50万以上損をしていることになるのです。それがまた何十年もつづいたらとなるとすごい金額になるのは目に見えてきます。

だから規定のg数は守ったほうがいいのです。給料が多くもらえるかもしれませんよ。
だから刺身を切るときはグラム数も意識して切っていきましょう。

これで第5回「刺身を切るときは原価に注意」を終わります。

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