2020年05月03日
【牢-RAW-制作秘話A】「だれもしらないホンモノのフリーゲームを」
◆フリーホラーゲーム
学生時代はフリーゲームを大量にあさっていたこともあり探索ゲームをそれなりに遊んではいた。しかし前述どおり、フリーホラーゲームへの思いはあまり大きくなかった。
この当時好きだったホラーゲームは「オシチヤ」「操」「青鬼」……といったところ。そのほかいろいろとやったが、なにぶん、ホラーゲームの安い「おどかし」が好きになれなかった。「もっとホンモノの恐怖を!」と思う自分がいた。ただ青鬼っぽい、B級ホラー的怪物から逃げる作品じゃない、「怪物」とはなんぞや、いったいどうして襲ってくるのか、どうしておどかしてくるのか……そういう理由付けのされた作品を見たい。安っぽいホラーへのアンチテーゼとして、ホラーを懐疑的にとらえていた自分として、『牢-RAW-』を作ろうと思ったのである。
◆本当の恐怖
本当の恐怖とは何か? ということで、当時、マイブームだった江戸川乱歩的な怪奇小説の恐怖を用いた。そこから座敷牢の話にしようと思い、『牢-RAW-』のタイトルがぼんやりと浮かんだのだが――
このあたりのネタがどのタイミングで出たのか、はっきりと覚えていない。座敷牢に閉じ込められた子の怨念が現在によみがえり、ポルターガイスト現象をおこし「和風」パラノーマル・アクティビティみたいなことになる――という感じのプロットをぼんやり考えていた。
そんなぼんやりしたプロットのもと製作が始まった。僕の作品はプロットがぼんやりとしたものが多く、作っていくうちに話を作っていくことも多かった。(オチをしっかり考えてから作ったものもあるが)。
製作当初、オチの部分もしっかり考えられなかった。とりあえず「怪物の正体は座敷牢に閉じ込められた子」とは考えていたのだが。ついでに“RAW”という単語についてもただ音が“牢”と似ているからつけただけで、後付けでなにかしらの意味を持たせたに過ぎない……。
いきあたりばったりの製作である。実生活も、もろもろの事情で無職となり、そのあたりの話も微妙に作品に投影されていたりする。主人公マサトのバイトの話も実話をほんの少し基にしている(実際に奈良には柿の葉寿司工場がある)。
兄妹同士のやり取りにしたのは、パラノーマル・アクティビティの続編「パラノーマル・アクティビティ 第2章 TOKYO NIGHT」が姉弟同士でそれに影響を受けたからである。なにからなにまでパラノーマル・アクティビティ頼りです……。
◆難しかったところ
製作で戸惑ったところはいくつかあります。まず、ホラーゲームにおける「探索」というものを作ったことがなかったのでどうするか悩みました。結局、参考にしたのは『ゼルダの伝説』でした。
(余談ですが僕はゼルダファンで初めてやったテレビゲームがたぶん『時のオカリナ』で、それゆえゼルダの伝説には深い思い入れがあります)
探索に時間制限を設けたのは時オカのミニゲームからの影響です。単調なミニゲームでも時間制限があれば「ハラハラ」するもので、ホラーゲームとの相性はよかったと思います。壁をたたいて棚の上のモノを落とすのも『夢を見る島』とかからパクってますね……。
〇追記
コンシューマーゲームのホラーゲームはあまりやってこなかった僕ですが、「ゼルダの伝説」の時オカの闇の神殿とムジュラの仮面はトラウマですな。
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