アマゾンプライムビデオにないor有料な映画 その１４ ガキ帝国、野獣暁に死す
https://fanblogs.jp/hotrodhigh/archive/750/0
前回はこれです。
アマゾンプライムビデオにないor有料な映画
このタグで、このシリーズが一覧できるようになっています。
今回は、昔スカパーを契約していた頃に、いろいろなチャンネルがパックに入っていて、録画していたものです。
どうも2015年頃に録画したもののようです。
・地下水道（原題：Kanał） 1957
原題ままです。
この画像、始まって何秒かで出たタイトルなんですが・・・
ちょっと焼け野原を俯瞰で撮ってて、仁義なき戦いかと思ってしまいました。
話としては、ドイツ軍に包囲されて行き詰ったポーランドの軍人と蜂起した民間人の一団が、命令で地下水道を通ってその場を脱出することになるが・・・という感じのものです。
監督は2016年に亡くなったアンジェイ・ワイダで、いろいろ賞もらってるようですが見たことあるものはないかな・・・
2007年の、カティンの森を見たかった時期があったんですが、見ずに時間が経ってしまいました。
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最近またカティンの森事件の再現をロシアがやったとかなんとか。
アンジェイ・ワイダさんの父親が1940年のカティンの森事件で亡くなってるようです。
この話、割と救いのない話で・・・
まともだった人たちが、ずっと閉所にいるせいか、ドイツ軍が撒いたと言われてる毒ガスのせいか、酸素濃度低下のせいか、どんどんおかしくなっていくんですよね。
ハーメルンの笛吹きみたいに、ずっと笛を吹きながら地下水道内を徘徊する奴が出たり・・・
あまりに空気が薄くて、ドイツ軍人が待ち伏せてるのはまず間違いない穴から顔を出して撃たれたり・・・
ついてきてない後続を、ついてきてると報告し続ける副長がいたり・・・
部隊内で愛し合ってた男女の男が、他に嫁も息子もいるから死ねないとか言い出して撃ち合いを始めたり・・・
撃たれてるけどそこそこ歩けるが、助かりそうになってる直前でダメだもう動けないとか言い出す奴がいたり・・・
発狂したりまともな判断ができなくなった人だらけで、何故か一人だけずっとまともで地下水道の進み方も知ってるデイジーさんが超人に見えてきます。
一応よくこの地下水道を通ってきてたというエクスキューズはあるものの、ちょっと超人すぎるかも。
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デイジーさん、自分で書いた、ヤツェックを愛している、というラクガキを、瀕死のヤツェックさんに見つかって、ヤネックを愛していると書いてあるとウソつくところは、自分がそうなったら恥ずかしすぎてデイジーさんのように大嘘つくかもな〜と思ってしまいました。
この一団を率いるマジメな隊長は、そのヤツェックを愛している、というラクガキを見つけるものの、当初の目的地のヴィルチャ街ですよ、という割とでっかくすぐ横に書いてあるのを完全スルーし・・・
マジメなだけでは長は務まらないなと思ってしまいます。
ずっと鬱展開の話で、抜け穴が見えても死、光が見えても死、外に出ても死という感じです。
おすすめ度（10点中）：７
まあまあ記憶に残る感じはあります。
実際の戦争ってFPSみたいにドコドコ撃ち合って何キルとかいう華々しいものではなく、こういうどうしようもない感じなんだろうなとは思いました。
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・暁の出撃（原題：The Dam Busters） 1955
夜の爆撃作戦だから暁の出撃って邦題なんですかね。
原題はダムバスターですが、その名の通りメーネ・エーデ・（ゾルペ）の３ダムのうち２つをぶっ壊して洪水を起こしてドイツ民間人を巻き込んだ、実際の第二次世界大戦中のチャスタイズ作戦は1943年、終戦後の1949年のジュネーブ条約でダム攻撃は戦争犯罪とされたにもかかわらず、1955年のこの映画で、科学者の熱心な研究とパイロットの工夫と努力の結晶、みたいな感動モノ扱いの話にしてしまうのは、大丈夫なのかなと思ってしまいます。
ジュネーブ条約前の事だから全然OKなんですかね・・・
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ちょっと変わり者の物理学者が、ダムぶっ壊し用の水面を跳ねて爆弾をダムの壁に押し付ける感じの爆弾を試行錯誤しながら開発し、予算がつき、爆弾が作られ・・・
エースばかりではないが、隊長が選んだ爆撃チームが編成され、訓練し・・・
偵察の報告になかった対空砲があるものの、爆撃は成功し、3つのダムは破壊され洪水が起きたが、隊長以外は帰投せずという感じの話です。
いやいや、現在のロシアでさえ、ウクライナのダム破壊の計画アリなんじゃないかとか言われてるだけで、まだやってない状態ですよ？
それを誇らしげに映画にされましても・・・
ほんとうに戦勝国ムーヴみたいなのを見せつけられた感じです。
ちょっと変わり者の物理学者役の演技も、今だとなんだかわざとらしさを感じてしまう、取ってつけた変人感がありまして・・・
全然ではないがメシ食わないあんまり寝ないっていう妙なキャラ付けで、倒れるだろ普通、と思ってしまいます。
おすすめ度（10点中）：３
あまり起伏の無いシナリオ、実際には破壊されなかったゾルペダムも破壊したことにしてた気がする（このへんは記憶が曖昧です）、実際は30人くらい帰投してるが隊長しか帰投しなかったみたいな悲劇に寄せる創作、は引いてしまうものがありました。
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・エスコバル／楽園の掟（原題：Escobar: Paradise Lost） 2014
原題を適当に訳すと、エスコバルの失楽園、みたいな感じですかね。
エスコバルが不倫して心中するのか、と思ってしまいます。
エスコバルとは誰か、というと、コロンビアの麻薬密売者ネットワーク、メデジン・カルテルの主、パブロ・エスコバルのことです。
サッカー好きで、特にコロンビア代表が波はあるけど強かった頃（90年、94年W杯あたりの）のイギータ、バルデラマ、リンコン、アスプリージャ辺りを見てた人なら、たぶんコロンビア代表（もしくはコロンビア国内のリーグ所属選手）はほぼエスコバルの子飼いみたいな関係だった、というのをうっすら知ってるのかな？
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エスコバルはサッカー大好き人間で、選手にガンガンメシ食わせてたそうで。
この劇中でも、サッカーの相手専門の子分、みたいなのがいます。
イギータなんて、エスコバル絡みの誘拐事件に関わった容疑で収監され、94年のW杯に出られなかったくらいの関係です。
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余裕で犯罪者だし、冷酷で仲間もすぐ殺すが、サッカー選手のパトロンで、貧しい人に金を配る面もあったりで、魅力的な面もあるサイコパスみたいなキャラクターです。
この映画では、パブロの姪のマリアと、コロンビアのビーチで何かやってるカナダ人兄弟の弟の恋愛を通じてパブロ・エスコバルの帝国の崩壊を描く、という感じのもので、実在してなさそうな創作っぽい恋愛部分はあまり面白くはなく、パブロ・エスコバルの実際の悪事もあまり描かれず、結局は中途半端なものになってしまっている気がします。
ベニチオ・デル・トロがやってるパブロ・エスコバルも、目つきの悪いオッサン、くらいの印象で、大悪人までは行ってないような気がしました。
あんまり人格に幅がなく、常に目つきが悪いくらいの感じで・・・
まあ現在のアメリカの薬物汚染状況を作った張本人ですから、あまりいい人に描いても、いろんな方面から怒られが発生しそうなのはなんとなくわかりますが。
で、パブロ・エスコバルの姪とつきあい始めて（もしかして結婚もしてた？）も、ずっとハラを決めない（パブロ支持してファミリーor舎弟になるのかマリア連れて逃げるのか）カナダ人弟にイライラし、マリア連れて逃げると決めたら中途半端で最悪の結果になり、あまり思い入れの無いカナダ人兄夫婦が消され、兄と来たビーチの思い出でENDとなっても、そっちのParadiseのLostかよ、と思ってしまいました。
正直、カナダ人兄弟の話、そこまで興味ないんですけど・・・
パブロ・エスコバルをダシにした、カナダ人兄弟の話、そんなに需要あるんですかね・・・
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あと、パブロ・エスコバルの忠実な部下役で、ハビエル・バルデムの兄貴のカルロス・バルデムが出てました。
おすすめ度（10点中）：５
パブロ・エスコバルの悪事とか人となりには興味がありますが、おそらく実在しない創作のカナダ人兄弟には特に興味ないな、と感じた一本でした。
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アマゾンプライムビデオにないor有料な映画 その１６ 四匹の蠅、終戦のエンペラー に続きます。
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