2017年06月17日
精神科医が考える「診断に頼らない診かた」とは?定型発達80%、発達障害20%?
滝川 そもそも「定型発達」という概念自体も,便宜的なものですからね。定型発達という明確な発達があるわけではなく,平均的にはこうだと言っているだけです。身長などでも,平均ぴったりの人は,全体の中では逆にマイノリティですよね。それを基準に,「これだけ平均からずれているから障害」と明確な線を引くのは,本当は無理があるのです。実際には,連続的につながっている。定型発達か発達障害かで悩むような例は,「80%定型発達,20%発達障害」なのかもしれません。
引用元:医学書院:診断に頼らない診かた
自閉症スペクトラムのような障害に限らず、さまざまな病気など
一見外見からはわからないような精神的な問題は病院任せに
なってしまってはいけない面があると思います。
一番大切になってくることは、当事者本人やサポートしている人が
どのように障害や病気というものを受け止めているか。
どんなに医者が優秀であっても、当事者や支援者が理解がすすまなければ
治療や改善に向けたSSTにしてもおもうような効果は得られない気がします。
精神科というものは、外科の切った貼ったの世界ではありません。
目に見えない未開拓な宇宙遊泳をしているような感覚なのではないでしょうか。
そんな精神科医の先生でも定型発達と発達障害という違いは非常に
あいまいなものと話しています。それを考えると素人目から見て
「すべてわかった!」というのは単なるおごりになるのかもしれません。
診断をむずかしくしているのは、やはりグレーゾーンが混在しているということです。
自閉症スペクトラム自体、ひとつの症状だけという人は少なく複合的な障害が
見られる場合が多い傾向です。
そのぐらい絶対的な診断にはならないというのが精神科の常
なのでしょう。
ようは診断名がなにか?ということは改善策や対応策を検討するための
ヒントであります。しかし最終的には「本人や家族がどんなことにこまって支障がでているか?」
ということが大問題なのです。
診断されることで安心できるという人もいるようですし、
昔と異なり、診断されることで社会的な支援を受けやすくなるという
世の中でもあります。ただ診断されること=日常の支障が解決することではありません。
私たちの精神科へのかかりかたというものは
単に先生へ依存するのではなく、良き知恵袋となってくれるような
関係が望ましいように感じます。
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