2017年02月02日
天咲心良さんの壮絶な人生を記した「自閉症を生きた少女」がKindle版で無料閲覧可能!
私の障害は、大人になるまで分かりませんでした。
そのために障害があることも理解されないまま、小学校一年生の時には理解のない担任によって虐待と言ってもいいような体罰を受けることもしばしばでした。
「キチガイ」「知恵遅れ」「あんたは動物以下」などの差別的発言はもちろん、言うことを聞かないと言っては叩く蹴るの暴力を受けました。
給食の際には時間内に食べ終わらなかったと言って、残飯のようになった給食を食べさせられたこともあります。
引用元:http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50796?page=2
⇒Kindle版が2017年2月2日現在無料で読めます。
「人生おしなべて平等である」
「捨てる神あれば拾う神あり」
なんてこともいわれますが、はたしてそうなんでしょうかね。
そういう心がけで毎日を生活した方が結果的には自分にとって良いことは分かります。
しかし考えれば考えるほど人間というか生き物は不平等だなぁと切なくなります。
あ、でもこれは悲観的な意味というのではなく、しみじみといろんなタイプの
人間がいてさまざまなことで苦しんだり楽しんだりしているんだということがしみわたって来る感じです。
この本の著者は年齢は分かりませんが、昭和生まれで大人になって
自閉症スペクトラム障害という診断をされたそうです。
幼少期は相当ひどい仕打ちを周りから受けたようですが
こうして書籍を出せるまでになってその点は良かったであろうと思います。
天咲 心良
昭和生まれ。幼い頃から「変わった子」と言われて育つ。大人になり高機能広汎性発達障害(自閉症スペクトラム障害)と診断される。
診断後、本の執筆を思いつくが、長らく書くことはなく、その後長期の体調不良に陥ったことをきっかけに、「自分の人生の意義を知りたい」と執筆を開始。
好きは花はアザミ。
近年は発達障害の当事者が執筆する書籍が手軽に読める時代になりました。
もちろん発達障害と言っても誰ひとり全く同じという症状はありませんので、
「こんなひともいるんだな」という参考にしかなりませんが、機会があれば読むようにしています。
AmazonのKindle版が無料と言うことで気になる人は読んでみると良いかもしれませんが、
内容が結構激しいので、精神的に不安定な方は落ち着いているときに読むことをおすすめします。
⇒COCORA 自閉症を生きた少女 1 小学校 篇
著者は幼少期は理解ある大人が周りにいなかったのか、
本当に過酷な時間を過ごしてきたのだろうと思います。
小学校の担任の先生にも恵まれず、罵声を浴びせられ叱咤される日々。
今であれば考えられませんが、昭和生まれの著者の時代を考えると
決してそこまで不思議なできごとではありません。
そもそも発達障害という概念が昔はありませんでしたから、ちょっと変わっていると
キ〇ガイとか頭おかしいとかそういう言葉で形容され、先生がクラス全員の前で
対象の子どもをさらし者にしてしまうということもあったでしょう。
現代では会社でこういうことを部下にやるとパワハラになるというわけですが、
昔はこれはごく一般的だったのかもしれません。
周りの人間に理解できる人がいて、サポートしてもらえればスムーズに生きていくことも
できるのでしょうが、理解できないひとが集まってしまうと、いじめなどもちらほらでてくるでしょう。
小学校や中学校など学校という共同生活の場で1度こういうレッテルを貼られてしまうと
再浮上することがかなり厳しくなりますから大変です。
この本の壮絶な内容に比べると、うちのアスペルガー受動型の嫁の幼少期は
周りの大人が凄くいい人ばかりで、手厚いサポート受けられたとより実感します。
(ただ、周りが手を出してくれすぎて、結局自立できず結婚してから困るわけですが…)
いろいろな本を読んでいると発達障害のノウハウは身についてくると思いますが、
机上の理論と現実はある程度乖離があるものという認識の元取り組むことは必要な
気がします。
親や大人がこの子を何とかしようと定型発達の常識の世界へ無理に誘おうとしても
それが当事者にとっては本当に幸せかどうかはわかりません。もちろん訓練して
実生活の社会として学習する必要はあるでしょうが、それができるようになったからと
いってもそれはあくまでこちら側の評価であることを忘れてはいけないのだと思います。
どんなに発達障害の当事者がスキルを身につけたとしても、本人が過ごしにくく
ストレスが多分にかかりすぎてしまう生活はどこかでしわ寄せが来てしまうのです。
そう考えると、お互い同じ目標を持つことがすべて良いという価値観だけでなく、
お互いがストレスを緩和して過ごせるような環境を整えると言うことはこれから
大切になっていくような気がします。
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コメントいただき感謝いたします。
ASD当事者の方と言うことで大変信憑性の高い意見を有難うございました。
昔の先生は今とは考えられないぐらい権限や威厳があったように感じますね。
お母様が抗議をしてくれるようなタイプで本当に良かったです。
学校にも家庭にも味方がいないような発達障害の当事者の方はたくさんいると
おもうので、だれかしら理解してくれる人がいることの重要性を改めて実感させられました。
コメントありがとうございます。
理解者がそばにいれば発達障害の人の将来が開けるわけではありませんが、
無理解、無知な人がサポートする側にいると問題はさらに大きくなるようですね。
目に見えないが故の障害であるためどのように周知していけばいいのかを
これからはよりいっそう当事者の周りも考えていく必要はありますね。
コメントありがとうございます!
やはり障害が目に見えないようなわかりにくいものの場合は
家族や周りを巻き込んでいってしまうということは大変なことですよね。
適切な判断と対応が出来る医者が増えていってくれることを切に願います。
コメントありがとうございます!
にぼしさんはいつも冷静というか淡々と苛酷な幼少期を語っていただき
本当に感謝いたします。にぼしさんが現在ご両親とどのような関係なのか
わかりませんが、3歳で事故死扱いする親の行動は共感できませんね…
本当にひどいなんて一言では言い表せない仕打ちをされてきたのだと思います。
逆に嫌な思い出をフラッシュバックさせてしまったら申し訳ございません。
私もASDで昭和生まれの女性です。天咲さんほど壮絶でないにしろ昭和のASD当事者は似たような体験をされている方は多いと思います。
私も給食を掃除の埃の舞う中食べさせられました。今思うと感覚過敏で母親が作る以外の料理を不味く感じて食べられなかったのでしょう。
そして、なまじ成績が良かったせいで、たまに解けない問題があると教師に嘘つき呼ばわりされて罰掃除をさせられたり罰宿題を出されました。
放課後の時間を入浴、食事以外、宿題に充てても終わらないほどでした。
あまりの宿題の量を見かねた母が学校に抗議してくれたことは嬉しかったですが、学校は大嫌いでしたね。
皆と同じになりたくともハンデ故に「なれない」。
「よくも悪くも個性の塊」である自閉症の子にとって、まさしく地獄のような場所だったんだろなぁ…と胸が痛みます。
病気、障害、片親、遺伝子、容姿、裕福度、何をとっても平等でないです。
でも、気付かないだけで皆それぞれに抱えてるモノがあるとするなら、それは平等ってことでしょうか。
筆者の方は大変ご苦労されたと思います。
だけど、一方的被害者ということではないです。
兄が高機能自閉症で、虐げられた本人を間近で見続けて心底苦しかったですが、兄の理解しがたい言動行動に周囲が振り回され続けたのも事実です。
元職場の年上の後輩が、典型的なアスペでした。この人にはさんざんな思いさせられました。
どちら側の思いも分かってしまうので辛いです。
自閉症の判断は早かったですが当時の世間での認知は全く無かったのでいくら説明しても理解される事はありませんでした。
両親も世間体を気にして障害を持つ子がいるという事を周りに知られたくなかったため、私が3歳の時に事故死したと周りに言ってました。
田舎なのでそんな嘘はすぐにバレますが(笑)
他にも色々仕打ちを受けました。それ故自身の存在意義は全く無いんだろうなと思いながら今日まで生きてきました。
さっきネットニュースで取り上げられていたのを知って読みました。ですが、私もほぼ同じ目にあってきましたので特に語る事はありません。