2016年12月28日
アスペルガー診断の「ケーキとおじさん」の問題!心の理論は訓練でみにつけることができる!
【問題】
まず、次の文章を読んでください。
「Aさんという女の子の家に、おじさんが遊びに来ました。Aさんは、おじさんに食べてもらおうと思って、お母さんに手伝ってもらい、チーズケーキを作り始めました。
作りながら、Aさんは、食卓で待つおじさんに言いました。
『私、おじさんのためにチーズケーキを作っているのよ』
おじさんはこう答えました。
『ケーキは大好きだよ。チーズが入っているのはダメだけどね』
Aさんも周りの人たちも黙ってしまい、その場の雰囲気は一気に気まずくなりました」
ここで質問です。この場を気まずくさせたのは誰だと思いますか?
引用元:奥村隆「息子と僕のアスペルガー物語」【第9回】
まったく悪気なく「ひどいこと」を言ってしまう理由
この奥村隆さんというのはご自身も息子もASD(自閉症スペクトラム)だそうです。
自覚はしているものの色々な思いをコラム調につづっています。
引用した内容は「医師が大人の発達障害を診断するときにしようするもの」らしい。
サリーとアンの問題のような心の理論的な問題なのでしょう。
→自分の子供が自閉圏なのかわからない人に、手軽に認知度合いがわかる「心の理論課題」がおすすめ。
→あの有名なサリーとアンの課題を見事に間違えるアスペ嫁
あくまでも文面以外の情報を妄想したりはなしという前提で、
この文章から得られる内容で判断することも大切でしょう。
一般的な心の理論が働く大人であれば、迷うような問題ではないです。
【登場人物】
・Aさん→女の子
・Aさんのお母さん
・おじさん
正直これが間違いない正解ということより、
世間ではこういう理論で考える人が多数はであると
考えた方がわかりやすいです。
定型発達の人であれば、「おじさんが空気が読めていない」
という印象を受ける人が多いでしょう。
一応問題としての答えも「おじさん」になるわけですが、
アスペルガーだけでなく心の理論が脳内で成立していないようなタイプの
人が見ると、何がいけないのかが良く理解が出来ないそうです。
定型の人は、チーズケーキをおじさんのためにつくっている!と女の子がいっているのだから、
たとえ自分がチーズぎらいでも、御礼と労いの言葉を述べるにとどまった方がいいと
感じてしまうのでしょう。その結果空気を読めていないのが「おじさん」になるわけです。
・おじさんがチーズが嫌いなことを教えないお母さんが悪い
・おじさんが遊びに来るのだからもっとおじさんの好みをリサーチすべき。
そんな意見もあるようですから、考え方って面白いですね。
実生活だと空気読めないすれ違いが多いと疲れますけどね…
もしこのおじさんがアスペルガーなどの発達障害で空気が読めないとすれば、
女の子に対して悪気はなく、単に自分が思っていることをいっただけになるでしょう。
この話の続きがもしあって、女の子が怒ったとか泣き出したとか無口になった場合は
おじさんはその理由がわからないことになるでしょうね。
アスペルガー的な考え方でもっと深く考察すれば、
このおじさんはチーズは嫌いだけど、
チーズケーキは食べられるという場合もあります。
だからこそおじさんは自分が女の子に悪いことをいったと思わないケースもあるでしょう。
日常生活ではもっと複雑な情報が混在するからよりいっそう大変です。
机上の理論の問題が出来れば安心と言うほどASDは簡単ではないでしょう。
実際の生活ではここに視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚などの5感がはいってくる
わけで、ASDでも5感はひとそれぞれ微妙に異なりますから、自分の近くにいる
発達障害の人がどう伝えればわかりやすいのかを考察していくことは重要になって
くるでしょう。
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コメントありがとうございます!
発達障害であれ定型であれ相手の脳の中身まで全て理解することはむずかしいですね。
日本は暗黙の了解で発言したり行動したりするのが美徳という文化があるため
空気が読みにくい自閉症スペクトラム圏の人は生活しにくい国だと思います。
彼は晩年、腫物の病を患って
医師から「鮭など脂の強いものを食べると死ぬ」と警告されていたのだが、
そうとは知らない友人の黒田官兵衛が鮭料理を出して来る。
すると元春は、何も言わずにそれを綺麗に平らげ、その数日後に亡くなったという。
↑のエピソードを見た日本人はたいてい
「元春は偉い!自分の命よりも相手の気持ちを汲んで吉川家の名誉を守った」と評価する。
だから、客先で出されたチーズケーキにケチを付けたおじさんが叩かれるのも無理はない。
コメントありがとうございました。
実体験があるということで、このテストの信憑性がより高くなりますね。
ただ気がついたときの落胆度合いは本当に悔しかった感じが伝わってきます。
すすき様のお話を聞いているとやはり幼いうちにSSTなど理解ある環境に
いるかどうかというのは非常に大切なのだろうと実感しました。
でも成長とともに相手の立場になって考えるということが
できるようにもなりうるということでは、今できない人にも
希望があるコメントだと思いますので、貴重なご意見感謝いたします。
早め、あるいは手軽にソーシャルスキルが学べる機会が欲しいと心から思います。