自殺理由として最も多いのは健康問題であり、次に経済問題、仕事の問題など
その他いろいろな原因がある。過去5年の統計をみると
自殺者数と季節には密接な関係があることがわかる。
毎年の自殺者数の傾向は年末の12月から2月にかけて最も少なく、
3月、4月、5月、そして秋である10月に大きな山型のグラフを描く。
これはどのようなことを意味するのかを脳科学の観点から考えると
春先と秋口は脳内の神経伝達物質とホルモン分泌が不安定になるためであると
考えられる。特に脳内を安定させるセロトニン作動性神経の不活性と
苦痛を感じる扁桃体が過敏になることや
楽しさや幸福感を感じるための快感物質の分泌低下が考えられる。
脳内の神経伝達物質とホルモンの分泌機関は大脳辺縁系や視床下部に集中しており、
特に視床下部は自律神経の中枢でもあるので、自殺に至らなくとも、気分の落ち込みや体調不良など
自律神経の働きが悪くなることによって起きる様々な疾患の原因にもなりうることが考えられる。
たとえば、なんとなくやる気がでないという気分的な内容から
心筋梗塞や免疫力低下による疾患、関節痛なども脳内物質の分泌不安定や
神経の働きが不安定になることによって起きることが十分考えられる。
その証拠に天気がいい日は気分は良く、天候が崩れる少し前に体調不良や
体の痛み、古傷が痛むなどを訴える人が多いという事実があるからだ。
また、幸福で楽しく、満足感の中にいる人はだれも自殺したいとは考えないだろう。
脳内物質の変動によって人は心が落ち込み、自殺したい気分になることが考えられ
逆に快感神経が正常に働き、苦痛を感じる神経の抑制を行うセロトニン作動性の
制御系が正常に機能していれば、自殺衝動は減ると考えられる。
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