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サンタさん ぼくはここだよ 

 季節ものなので、クリスマス・アルバムの連投でいきたいと思います。
 今回は、Freddy Fenderの聖夜曲集で、Huey P. Meauxが制作して、77年にMCAからリリースされたものです。

 この時期の一連のアルバムと同じく、ヒューストンのシュガーヒル・スタジオで録音され、バックもいつものハウス・バンドの面々だと思われます。

 アルバムのジャケ・デザインが一見地味ですが、もしや古代マヤかアステカのキルト模様がモチーフでは、などとメキシコと結び付けて考えてしまうのは、少し強引でしょうか……。


 
Merry Christmas ・ Feliz Navidad
Freddy Fender

Side One
1. Please Come Home For Christmas (Charles Brown, Gene Redd)
2. Pretty Paper (Willie Nelson)
3. Love Gets Better At Christmas (Lee Emerson, Mickey Moody)
4. If Christmas Comes To Your House (Lee Emerson, Mickey Moody)
5. Blue Christmas (Billy Hayes, Jay Johnson)
Side Two
1. Christmas Time In The Valley (Baldemar Huerta)
2. Santa ! Don't Pass Me By (Huey P. Meaux)
3. When They Ring Those Christmas Bells (Lee Emerson, Mickey Moody)
4. I'll Be On The Chimney (When Santa Comes Tonight) (Lee Emerson, Mickey Moody)
5. Natividad Song (Bob Ferguson)

 本盤の収録曲は、程度の差こそあれ、ほぼ英語とスペイン語のバイリンガルで歌われています。
 英語中心に歌い、ワン・フレーズだけスペイン語になるものから、1番は英語、2番はスペイン語とはっきり切り替えているものなど様々です。


CDはタイトル、ジャケ共に変更されています



 さて、通して聴いてまず思うのは、1曲1曲がていねいに制作されているなあ、ということです。

 曲ごとに、当然違いがあるにも関わらず、全般的に落ち着いた雰囲気で進行し、良くいえばクオリティが平準化されている、悪く言えばメリハリに欠ける構成だな、と感じました。

 個別に完結していて、全体を通してのパーティー感が希薄なような気がします。
 実際、明るめのウキウキ感のある曲も、孤独でブルーな気分を歌った曲も、個別に聴けば印象の違いは明らかですが、この流れの中で聴くと、なぜかたんたんと進行するように感じます。

 例えば、Charles Brownの"Please Come Home For Christmas"は、この曲のカバーとしては珍しく、ブルージーさがとても低い印象を受けます。
 一方、明るく楽しい(はずの)"Love Gets Better At Christmas"では、逆にはしゃいだ感じがぐっと抑えられているように受け取りました。
 定番のベルの音がないつくりも、印象を大きく左右していると思います。

 そんな中で、私が強く惹かれたのは、次の3曲です。

Side One
4. If Christmas Comes To Your House
Side Two
1. Christmas Time In The Valley
2. Santa ! Don't Pass Me By 

 "If Christmas Comes To Your House"は、とても落ち着いた雰囲気で進行する曲で、間奏に比較的長めのスペイン語での語りがあり、(当然意味は理解できませんが)とても印象づけられ、その雰囲気と構成の妙にまんまとのせられた感じです。

 "Christmas Time In The Valley"は、Freddy Fenderの自作曲です。
 (Baldemar Huertaは、彼の本名です。)
 こちらは、英語で長めにしっかりと歌ったあと、2番をごく自然にスペイン語で歌っています。
 この切り替えがいつもながら見事で、またまた制作側の仕掛けにはまってしまいます。
 少しゴスペルっぽさやトラッドな雰囲気も感じさせる、素朴な魅力がある曲です。

 "Santa ! Don't Pass Me By"は、聖夜への期待と緊張を歌った曲で、Jimmy Donleyのカバーです。
 作者がHuey P. Meauxとなっていますが、つい先ごろ英Aceからリリースされた、Jimmy Donleyのレア作品集のブックレットでは、Huey P. Meauxとともに、Murphy Madduxの名前が共作者としてクレジットされていました。

 Murphy Madduxは、Jimmy Donleyのパートナー的な存在だった人で、おそらくはHuey MeauxがDonleyから権利を買い取ったものだと推測され、Donleyの作品だと思います。

 Jimmy Donleyのレパートリーで、Donleyと関係の深い人物とMeauxの共作となっているものは、まず間違いなくDonleyが書いたものだと私は勝手に考えています。

 この曲では、驚くべきことにオリジナルのDonley盤より、こちらのFreddy盤のほうが、英語が聴き取りやすいです。
 Donley盤では気付いていませんでしたが、はっきりと"Saint Nick"(聖ニコラス)に語りかけている歌だと分かります。

 にぎやかにパーティを盛り上げるものがクリスマス・アルバムだと思っていましたが、何度か聴き返すうち、こういうのもありかもと思うようになりました。

 家庭での聖夜の団らんを邪魔しないように配慮された、優れたクリスマスBGM集になっているかも知れません。


Santa ! Don't Pass Me By by Freddy Fender




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