主人公の並木浩二（市川海老蔵）は甲子園で活躍したことのある野球選手で現在は明大へ進学してピッチャーを
していた。しかし身体を痛めて速球を投げられなくなり変化球に活路を求めようとしていた。
だが時代はそんな浩二の夢を許さなかったのだ。日米がついに軍事衝突して戦争になりそんな浩二をあざわらう
男がいた。同学年の陸上部の北である。北（伊勢谷友介）はオリンピックに出る夢を捨てて海軍に志願したのだ。並木
の夢などこの非常時に甘いというのである。
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浩二には恋人美奈子（上野樹里）がいたが、日々戦局が日本に不利になるにつけ不安になっていく。
学生たちの徴兵猶予も昭和１８年に取り消されるが浩二は赤紙をまたずに海軍に志願する。
母親の反対にかかわらず浩二の決意は固かったのだ。浩二は潜水艦に乗り込むことになり駆逐艦の爆雷攻撃
に耐えるような緊張した日々が続いたが、ある日特殊任務を受けることになる。
帝国海軍は戦局の挽回を図るために、９３式酸素魚雷を改良して人間が乗り込むことができるようにしたのだ。
１度出撃すると生還はできない必死必殺の特攻兵器回天である。
浩二たちは山口県大津島の秘密基地で回天を操縦する秘密訓練を受けることになるが、回天の操縦は
想像以上に困難だったのだ・・・・
この映画の最初のシーンから潜水艦と駆逐艦に死闘が描かれて一挙に引き込まれる。息がつまるような
狭い艦内でじっと敵の攻撃を耐えるシーンは緊張感がある。艦内は冷房をきると４０度を超える暑さで
その苦しさは映像から伝わってくる。しかし回天の操縦には覚えねばならないことが山のようにあり、とても
簡単に操縦できないのがよくわかる。特攻兵器といっても誰でも操縦できず優秀な搭乗員が必要だったのである。
悲劇の並木中尉を市川海老蔵が好演している。映画の最初の方で並木たち学生が喫茶店のマスターに
ラベルのボレロは敵性曲だから憲兵隊ににらまれるよと指摘するが、馬鹿げた時代もあったものだと思う。
戦争になればすべてが統制されて自由などなくなる。若い命が多く失われたが二度とあってはならないと思う。
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タグ：人間魚雷、回天、潜水艦、
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