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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
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2020年02月24日

Love ”セッカン” Do It


All I Do』二曲目、「Love ”セッカン” Do It」です。

初めて聴いたとき、なんじゃああああこりゃああああ!と、松田優作なみに動揺したものです。いや、アレは殉職のシーンですし、死ぬほど動揺してないと松田優作なみとは言えないんですけども……ともかく、少なくとも少年の心に強力な印象を叩き込むのには十分な破壊力をもった曲でした。

何せ、タイトルからして「セッカン」ですからね。「摂関」ではなく「石棺」でもなく、「折檻」、オシオキでしょうねええええ(動揺)。いや!いまとなってはオトナのわたくし、念のためにseccanという単語がないか辞書で確かめるくらいの冷静さは持ちあわせております!おりますが!見事にナシ!ネットでもチェルノブイリの石棺をどうこうする、みたいな日本語の記事が上位にずらっと並んだところからして、セッカンは日本語であるという結論に至らざるを得ないでしょう。松井さん……「いったんそれ(『安全地帯IV』までで完成した安全地帯の歌詞スタイル)を壊さないと歌詞が作れなくなった」という境地で『安全地帯V』の作詞に挑んだというのは存じ上げておりますが、傍からみると『All I Do』での壊れっぷりのほうが遥かに上回っております。「僕が詞を書かないほうがいいのでは」とか「バンドと違って英語を使ってもいいんじゃないか」などと、あまり壊れっぷりのほうにはコメントをなさってませんけども(いずれも『幸せになるために生まれてきたんだから』より)、いやいやなかなかどうして、玉置さんソロのハジけっぷりを見事にことばという媒体で表現なさっています。誰も安全地帯と同じ性質を感じることができないくらいに。

さて、気を取り直して曲ですが……

耳に残るところが多すぎてコメントしきれない!と思うくらい、さまざまな仕掛けに満ちています。編曲はこの手の曲の例に漏れず川島さんですが、いったいどんな凝り方をしたらここまで凝れるんだ!というくらいアレンジに注力したものと思われます。ここまで本気のBAnaNAは初めて聴いた……というくらい、バンドへの遠慮というものがありません。

ばっと耳につくものは……ひたすらメインのリフを鳴らす鍵盤、キコキコ鳴りっぱなしの拍子木みたいな打楽器、ブインブインと鳴り響くベース、左右に振られるパッド、左チャンネルにアクセントで入る低い管楽器(バストロンボーン?)……どれもこれもアクの強いタイミングで印象的な音色をダイレクトに脳髄に叩き込んできます。凄いですね川島さん。ロンドンとロスでレコーディングしたそうですけど、川島さんさえいれば日本でもいいじゃないですか、と思えてならない、とんでもないアレンジです。

そして、忘れてはならないAMAZONS、日本のコーラスグループですね。このアルバムのわずか三か月前にリリースされた「じれったい」でコーラスをされた、日本女性の三人組です。いまでも活動されているようで、ちょっと驚きました。中学生のころ、TSUTAYAとかでアルバムを見たこともあります。メンバーの天野由梨(吉川智子)さんは、アンパンマンでアカチャンマンを演じている声優さんでもあるそうです。このコーラス、効いてますね……日本人女性歌手(アカチャンマン含む)がこんなセクシーさを出せるとは……おもにkittyレコード系でAMAZONSのクレジットをちょいちょい見ましたけども、これなら引っ張りダコだったに違いありません。

「ウ〜YEAH!」と玉置さんの低めなシャウトを皮切りに曲は始まります。二回目の「ウ〜YEAH!」からブンブンとベースが鳴り上下にガクガク揺られながらパッドで右にも左にも注意を取られつつ玉置さんの歌が始まるんですけども、いきなりサビでLOVE セッカン DO ITとわけのわからない言葉で頭がついていかないという快感をくらいます。さあ……愛のオシオキだよ……ほーれほーれDo It! これはアタマがおかしくなるんじゃないかとしょっぱなから心配になってきます。

Bメロではベースがルート弾きでスピード感、高音のストリングスでスリル感を高め、緊迫感を演出します。「ハートに隠してる紅い林檎」はもちろん、アダムとエヴァの齧った禁断の実でしょう。アダムとエヴァはこれでエデンを追放になるわけですから(旧約聖書の神は、現代日本人たるわたしたちには到底よくわからない仕打ちをしばしばなさいます)、これはバレたらヤバいアフェアー感バリバリの情事なのがご想像いただけるかと思われます。付言しますと、アダムとエヴァは禁断の果実を口にしたことで、恥じらいを知ってしまったわけです。つまり、恥じらいなど無縁にみえるイケイケの男女が、シチュエーションに燃え上がり、恥じらいの感情をハートの奥底から思い出してしまった、というわけなのでしょう。なんというドキドキ!同時期に『少年ジャンプ』ではグループ交際の冬山デートでスキーのゴンドラに吹雪で意中のあの娘と二人きり閉じ込められてしまった!などという当時最新のドキドキ演出をしていた時代に!玉置さんの音楽がいかにオトナをターゲットにしていたか、よくわかるギャップの大きさです。

ここでさらにAMAZONSのセクシーコーラス、さらに透明感のある鍵盤でオブリを入れつつ「LOVE セッカン」をかまし、そのまま怒涛のリズムで佳境のCメロに入ります。何が佳境って、そりゃ、ナニですよ(80年代)。「ねぇいい?」からはじまるこの箇所、日本語とは思えないリズムで「ねぇ」「いい」「もう」「じゃあ」と、「東村山音頭」の「ちょいと」「ちょっくら」なみの意味のなさ……いや、意味はもちろんありますし、気持ちもよくわかるんですけど、いかんせん言葉になっていません。それがまた、気持ちが切迫していることをよく表現しています。松井さん天才ですか、いや天才なんですけど、玉置さんにこう歌わせると、信じられないくらいの(エロ)パワーを発揮するということさえ計算ずくなのだろうと、にわかには信じがたい想像をしてしまいます。AMAZONSの「まだだわ」も、玉置さんのパワーでセクシー度最高潮になるんですから……。

さて歌はAMAZONSとの掛け合いで、オブリの鍵盤もともないつつ、「せびるわ」「とぼけるぜ」とちょっと焦らしの小康状態で駆け引きに入ります。その後、Bメロでまた「ギャングだぜ」と燃え上がり、「つくづく↓」と印象的な低音を入れます。これは、古くは『大草原の小さな家』でチャールズ父さんがバイオリンを弾きつつ「ああおれはジャングルの王様↓(だんだん低くなる)」とローラを大笑いさせていたテクニックです。残念ながらマイケル・ランドンはドラマで再現しなかったようですけども(笑)。いや、これが元祖かどうか知りませんよ。西部開拓時代にはすでにこの技法があったということだけは確かなようです。

さて、ここで登場する「となりもセッカン中」はちょっとした謎ですね。隣の家……いや、モーテル(80年代)の隣の部屋?まさか仕事中で隣のオフィス?と想像をたくましくしますが、そんなこと(当事者にも)わかるわけがないので常識的に考えれば、いままで二人のことしか頭に入ってなかったリスナーの視野を、まるでカメラを引いて建物の俯瞰図に広げるかのような効果を狙ったというべきでしょう。曲はサックスソロに入ります。

そして怒涛のCメロが再び……もう、曲の構成がセオリーから外れすぎていて、AもB
もCもあったもんじゃないぜつくづく↓という気分になりますが、こんどはAMAZONSが「ねぇいい?」と懇願する側になっています。そして玉置さんが「だめだよ!」とセッカンを行う、という仕掛けなんでしょうね。これはいやらしい(笑)。

最後のサビで、「ほらぜったい好き」「ほらやっかい好き」「世界中」「倦怠中」と韻を踏みます。ここに松井さん一流の遊びが垣間見えて、なんだかちょっとほっとします。安全地帯にもたまに登場した技法だからです。もちろん普通に韻を踏むだけならだれでもやってるんだとは思いますけど、松井さんのはとにかく際どいんですよ。「ほらぜったい好き」は女性の心を弄びつつも、好きなんだと確信してちょっと安心し、「やっかい好き」で「倦怠中」に「しょうがないなあ〜いつもいつも〜」とちょっと喜んでいる男心が表現されている……ように読めるという塩梅です。「世界中」はよくわかりませんけど(笑)、「セッカン」と音の響きが近い言葉を使いつつ視界を一気に広げるかのような効果があります。

曲はラストに向かってセッカンを再度敢行します。そして、唐突に終わるのです。「NA」という謎のつぶやきを残して。うーん、解説しようとして聴き込んでみたら、思っていたよりはるかにとんでもない曲でした。少年期になんじゃあああこりゃあああとマインドをシェイクされたときよりも、さらに大きい衝撃を受けた気分です。こりゃまだまだ、聴き込みが足りなかったようです。大反省です。そして何より、かつてよりもさらにいい曲だと確信できましたので、ニヤニヤしながら聴いていけるのがうれしくてなりません。きっとまた、解釈も更新されてゆくことでしょう。

ところでこの曲、プロモーション動画を、検索すれば観ることができます。いまの時代からみると、バブリーすぎておいおいおい大丈夫かよ!と思わせる気満々の、これまた非常にメンタルブレイキングな出来になっておりますので、ぜひ人を選んでおススメしたいと思います。

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posted by toba2016 at 17:30| Comment(2) | TrackBack(0) | All I Do

2020年02月16日

She Don't Care

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感想(0件)



All I Do』一曲目、「She Don't Care」です。

いきなりShe Doesn't Careでないのはおかしいのでは?と思いますよね。そこで、「スラングだよ、ビートルズも使っているよ」と言えたらとても英語通な感じがしてカッコいいわけです。おおー!ぜひ言ってみよう!だれかShe Doesn't Careじゃないなんて松井さん英語わかってないなーとか言っていたら、すかさず「スラングだよ、ビートルズも使ってるよ」と言おう!と待ち構えたい!「へー、で、ビートルズのなんて曲?」と訊き返されてアタマ真っ白になるというオチも付けたい!(「涙の乗車券」ですね)。

さてこのアルバム、演奏しているのは安全地帯でなく、海外の一流ミュージシャンなわけですが、クレジットをみてもほとんどわかりません。これは赤っ恥!と思って、いそいそとWikipediaなんぞを検索してみるのですが、ギターのPaul M. Jackson. Jr.さんがいきなり有名人で驚きます。もう見ないことにしようと思うくらい、わたくしわかってませんでした。そして、おそらくこの曲でキーボードを弾いている、アレンジャーにもクレジットされているChris Cameronさんも、セカンドアルバム『あこがれ』にもクレジットされているシンセのPaul Ellisさんも、聞いたことあるようなないような……?な程度でした。うーん、カーマイン・アピスとか、ニール・マーレイとか、そういうのが一流ミュージシャンっていうんじゃないの?とか思っているヘビメタ馬鹿には無縁な世界の一流ミュージシャンさんなのでしょう……(精一杯の強がり)。

左右に振られたシンセの音色から、ズトトントントン!と鋭いドラムが入り、ヘビーなギターとベースがリズムを刻みます。ハーモニクス出しまくりの、やけにカッコいいギターです。

この時点で、安全地帯とはアレンジ思想がかなり異なることが感じられます。はじめからそう思って聴くからそう聴こえるだけのことなのかもわかりませんが、バンド的なアソビが一切ありません。武沢さんはこう弾くだろうから、矢萩さんはこう重ねるだろうから、という長年苦楽を共にしてきた仲間ならではこそ可能であるような、メンバーを想定したバンド的なアレンジではなく、はじめにプロデューサーやディレクターの思想があり、そこにミュージシャンたちが自分の引き出しの中から合わせていく、というような、バンドありきの統一感でなく、アレンジ思想ありきの統一感が感じられるわけです。うーん、これは油断ならないぞ。安全地帯と似たような聴き方だと思わぬヤケドを負いそうです。ミュージシャンの名前をほとんど知らなかった時点ですでに瀕死の重傷を負っているという事実はすっかり棚に上げるとしても。

さて、するどいドラムを残し、ベースもギターも控えめに短音リフを弾きつつ、玉置さんの歌が入ります。そこで歌詞ですが……簡単にいえば、ぜんぜん気がないように見えるか、もしくはほんとうに気がない女性を嘆く歌ですね。いまいちこっちを見ていないような……実際見てないんでしょうけども(笑)、いわゆる当時の「アッシーくん」「メッシーくん」扱いされているんだけど、そうとは思わず、いや、半分気づいていながら、一縷の望みにかけているという、なんだか「こしゃくなTEL」以来のつらい恋をしている玉置さんが表現されているように思われます。

Bメロに入りまして、ギターとベースがガッガガガ!ンガッガー!(ズキュン!)といった、カタカナで書くとマヌケこの上ないけども、聴いてみると、並のボーカリストなら喰われかねないカッコよさでリズムを刻みます。しかしそこは玉置さん、「なにを なにを」と彼女の視線を追い、「知りたい」と情熱を吐き出し、鬼気迫る迫力でギターとベースに立ち向かいます。ある種の予定調和的なスリリングさがあった安全地帯と違い、ひとりひとりのミュージシャンが互いに争い、次の瞬間は誰が勝者になっているかわからないような怖さがあります。こ、これは戦いだ!まあ、玉置さんのアルバムなんですから、玉置さんを勝たせるにきまっているんで、エンジニアはその気になればギターやベースのフェーダーを下げるだけなんですけど(笑)、ギリギリまで緊張感を高めさせたようなアレンジとミックスになっています。この曲のアレンジとミックスはほんとうにカッコいいです。

さらに、同じリズム・リフでそのままサビに入るという、予想をかなり裏切る曲構成に驚かされます。シンセがオブリに入っているので、アレンジも一応は盛り上がるんですが、それでも基本線はBメロのままです。玉置さんの咆哮がサビの盛り上がりをほとんど一人で支えているという、と少し心配になる大胆な作戦に打って出ます。関ヶ原の島津撤退なみの豪胆さがないと、とてもこんなアレンジはできません。

ところで、彼女は何にふるえているんでしょうか…?それとも彼がふるえているのか?何かに夢中になっていて心をふるわせている彼女が(自分を差し置いて)一体何に夢中になっているのか知りたくて仕方がない、のか、それとも、彼女に微妙に冷たく、それとも生ぬるく扱われている自分が歯がゆくて、彼女にもっと近づきたくてしかたなくてふるえてしまっている自分の気持ちをわかってほしいよ!と言っているのか、どちらにしてもロクな将来像が描けそうもないカップルです(笑)。

ブラスで間奏の旋律を描き、曲は二番に入ります。一番とだいたい同じ調子で進みますし、話も当然進展してませんので(笑)、まあ、これは割愛してもいいでしょう。「つまさきのしぐさ」なんて、そんなの見えてるわけないじゃん!という冷静なツッコミも野暮な、安全地帯的な松井ワールドがここにちらりと見えるのは印象的ですね。

特筆すべきはサビの終りから間奏に入る、そのアレンジです。「ハ〜ハ〜ヤッ!」という玉置さんの叫びから、シンセサックスでベースとドラムで短く、「ダダダダダダ!ダンダン!」と激しく変則的に畳みかけ、ルーズだけども速いサックスソロを挟んでこれまでのリズムをいったんリセットします。これはカッコいい!うーむ、こういうこと思いつくのは誰なんでしょう。玉置さんはあまりミュージシャンと話さなかったようですから、星さんや金子さんが主導したんでしょうけども、この二人はつとめて安全地帯の色を消そうとしたに違いないのです。

そして曲はサビを繰り返しつつ、フェードアウトしていきます。ここで気づくのですが。「She Don't Care」って、ヤマビコいれてますけど、基本的には玉置さんの声を一回だけで歌ってますよね、ここの歌詞を。普通だったらハモリとか入れそうなところなのに。これにより、玉置さんの声だけで勝負!という意気込みがおそろしく強く感じられるアレンジになっているように思えるわけです。これは……島津軍どころじゃないかもわかりません。呂布だけで勝負!なみの個人戦(周りはもちろん個人戦のつもりはありませんけど、ひとりだけ段違いに強いのでそう見える)です。

一曲目からこんなんですから、このアルバム、先が思いやられます(音楽的にはいい意味で、わたくしのアタマ的には悪い意味で)。そしてわたくし、一年も記事を書いていなかったことに気づき戦慄しておりますので(笑)、なるべくソロソロとリハビリしていきたいなーなんて思っているわけであります。

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posted by toba2016 at 16:38| Comment(4) | TrackBack(0) | All I Do