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2020年03月29日

森友自死・赤木さん妻の提訴 「民事」で真相究明が実現する可能性は




 森友自死・赤木さん妻の提訴 

 「民事」で真相究明が実現する可能性は


        〜ダイヤモンド・オンライン 戸田一法 3/29(日) 6:01配信〜


       32930.jpg

                  Photo PIXTA

        「どうか佐川さん、改ざんの経緯を、本当の事を話して!

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 学校法人〔森友学園〕の国有地売却問題を担当して居た元近畿財務局上席国有財産管理官、赤木俊夫さん・当時54が、自殺に追い込まれたのは、佐川宣寿元国税庁長官(62)の指示で決裁文書改ざんを強制され精神的に追い詰められた為として、赤木さんの妻が18日、国と佐川氏に計約1億1000万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。
 この訴訟の真の狙いは賠償金では無く、飽く迄〔真相の究明〕だ。妻の代理人弁護士は記者会見で「手記に記録されて居る全財務官僚を証人として出廷を求める」としており、刑事で立件され無かった不法行為が民事で明らかにされる可能性が出て来た。
 事件ジャーナリスト 戸田一法

 民事より厳格な立証求められる刑事

 訴状によると、赤木さんは国有地売買を担当して居た2017年2月、近畿財務局の上司に呼び出され、森友学園に国有地を売却した取引の経緯を記載した公文書から、学園を厚遇した部分の削除等改ざんを指示された。
 赤木さんは抵抗したが、複数回に渉り強要され、長時間や連続勤務で精神的負荷が過度に蓄積。同年7月にうつ病を発症して休職した。同11月に検察から任意聴取を打診されると病状が悪化し、自殺願望を口にする様に為り、18年3月に自殺したとして居る。

 赤木さんの記録や妻の手記・代理人弁護士の記者会見での主張は、新聞やテレビ、そして『週刊文春』を読んだ方なら承知して居ると思うので詳細は省略したい。そして、筆者の専門は政治では無く事件なので、政治色は排して、飽く迄この訴訟の行方がどう為るのかを考察して観たいと思う。
 実は、刑事事件として不起訴や無罪に為ったものの、民事訴訟で〔不法行為〕が認定されるケースは少なく無い。刑事には〔疑わしきは罰せず〕の原則が有り、民事より厳格な立証が求められる為だが、だからと云って民事の審理が杜撰(すさん)と云う訳では無い。

 名古屋の女性失踪で不起訴の致死認める
 
 最近では元TBS記者山口敬之さん(53)から性暴力を受けたとして、1100万円の損害賠償を求めたジャーナリスト伊藤詩織さんのケースが知られる。伊藤さんは2015年4月、就職先の紹介を受ける為、山口さんと会食した際に意識を失い、ホテルで性的暴行を受けたと主張。
 準強姦容疑で警視庁に被害届けを提出したが、東京地検が2016年7月、嫌疑不十分で不起訴に。検察審査会に審査を申し立てたが同9月、不起訴を覆すだけの理由が無いとして不起訴相当とした。
 一方の民事判決は昨年12月「酩酊(めいてい)状態で意識が無く、合意が無いママ性行為に及んだ」と認定し330万円の支払いを命じた。この問題を巡っては、山口さんが伊藤さんの著書等で名誉が傷付けられた等として1億3000万円の賠償を求めて反訴、コチラの主張は棄却された。

 2018年3月には、刑事で不起訴と為った傷害致死を民事が認定したケースがあった。名古屋市中川区で2012年4月、漫画喫茶で働いて居た加藤麻子さん・当時41が、失踪し、2013年4月に遺体で見付かった事件で、元漫画喫茶経営者夫婦が死体遺棄罪で起訴されたが、傷害致死容疑では不起訴と為った。
 遺族が約2億円の慰謝料等を求めて提訴。判決は「暴行で腹部に出血が起き、死亡した可能性が高い」と結論付け、約6700万円の支払いを命じた。この事件では元経営者夫婦が逮捕直後から公判迄黙秘を貫いたが、加藤さんが失踪後に夫婦が捜査当局に提出した上申書の内容から「元経営者の夫が金属の棒で暴行した」と認められると判断した。

 過去には保険金殺人を指摘した判決も

 他、鹿児島市で2016年、準強姦罪で無罪に為った男性に、民事で女性の訴えを認めたケースもあった。この事件は2006年12月、ゴルフの教え子で高校生だった女性に性的暴行をしたとして、強制起訴された当時50代だった指導者の男性が最高裁で無罪が確定。
 女性は男性に770万円の損害賠償を求めて提訴。判決は「女性の性的自由を侵害し、重大な精神的苦痛を与えた」と認定し330万円の支払いを命じた。伊藤さんのケースは多くの人に知られて居るが、加藤さんの事件は刑事で立件出来無かった致死を認定。
 当時高校生だった女性の事件は、強制起訴で性犯罪の成立が争われたのが初めてだった事もあり、法曹関係者や司法担当記者も注目して居た。

 変わったケースでは、2011年3月の名古屋地裁判決で、2006年に米サイパンで海水浴中に水死した岐阜市の男性(当時22)の親族が、1億円の海外旅行保険の支払いを保険会社が拒否したのは不当と訴えた訴訟だ。
 1審判決は「親族ラが保険金を得る事を目的で殺害を目論み、溺死させられたと推認出来る」と保険金殺人だとし、支払いを認め無かった。2審は1審の事実認定には踏み込まず「契約したのは男性本人」として支払いを命じ最高裁も追認して確定した。

 「元はすべて佐川氏の指示」

 それでは森友学園問題はどう為るのだろうか。刑事事件としては、2018年5月、大阪地検特捜部が市民団体等から受けた〔佐川氏を含む財務省職員等計38人に対する決裁文書改ざんの虚偽公文書作成・国有地を不当に安く売却した〕とする背任等6つの容疑の告発を不起訴処分にした。何れも刑事責任は問え無いと判断し〔容疑不十分〕か〔容疑なし〕だった。

 検察審査会は佐川氏ら10人を〔不起訴不当〕と議決し〔再捜査する〕事に為ったが、2019年8月、改めて〔不起訴処分〕とし、誰一人として刑事責任を問われぬママ捜査は終結した。
 一方、財務省は2018年6月、調査報告書と計20人の処分を公表。佐川氏が改ざんを主導したと認定したが、改ざんした理由や指示の流れ等は明らかにされ無かった。そして、佐川氏は何も語らぬママ辞職した。

 赤木さんの手記は、財務省の報告書と経緯が合致し、改ざんに至った流れも矛盾無く詳細に記載して居る。財務省の報告書が外形だけの〔抜け殻〕だとすれば、赤木さんの手記は克明に記録された核心部分と云える。コレは決定的な証拠と云えるだろう。
 大阪地検特捜部もこの手記を入手して居れば立件に踏み切ったかも知れない。それ位重要な位置付けで、コレで〔無罪判決〕を出す裁判官が居るとは想像出来無い。

 〔元はすべて佐川氏の指示〕手記にはこう記されて居る。佐川氏は国会で「刑事訴追の恐れが有るのでお答え出来無い」と答弁を拒否して来た。為らば、刑事訴追の恐れが無く為った今、本当の事を話すべきだろう。
 それとも、国税庁長官迄上り詰めたエリートキャリア官僚には、非を認め謝罪する事等プライドが許さ無いとでも云うのだろうか。

 公務員としての仕事に誇りを持ち「僕の契約相手は国民」が口癖だったと云う赤木さん。ドチラが〔高潔〕で、どちらが〔卑怯〕なのかは、誰の目にも明らかであろう。赤木さんとご遺族に心より追悼の意を捧げます。


                 戸田一法  以上




 
















人手不足の海上保安庁「29歳まで受験可能」に 背景に有る中国の横暴




 人手不足の海上保安庁 「29歳迄受験可能」に 背景に有る中国の横暴

               〜現代ビジネス 3/29(日) 10:01配信〜


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             海上保安庁公式サイトより 写真現代ビジネス

 尖閣諸島の領海から中国公船を追い出し、日本海では北朝鮮の違法操業漁船の取り締まりに汗を流し、洋上の麻薬取り引きに目を光らせる・・・宮沢賢治の「雨ニモマケズ」を地で行く様な海の治安機関「海上保安庁」その海上保安庁で働く海上保安官に、大学卒業者が殆ど居ない事をご存じだろうか。
 海上保安官として欠かせ無い専門科目や技能の習得に4年以上を要する為で、幹部を養成する海上保安大学校には、高校を卒業して入校するコースしか無かった。
 しかし、冒頭で挙げた様な業務の急増に伴い、今年から大学卒業者にも門戸を開き2年間で幹部を速成する事に為った。採用予定は約30人。少子化が進む中、官民問わず各業界は優秀な若者の取り合い状態。海上保安庁では「何人の応募があるだろうか」と息を凝らして見詰めて居る。

 ブームは去ったが、業務は急増

 海上保安庁は、過つて漫画やテレビドラマで話題に為った『海猿』の舞台である。同作は海上保安官の中でも特殊な技能を持つ「潜水士」を描いた物語だったが、お陰で一時、海上保安官を目指す若者が海上保安庁に殺到した。そのブームが去る一方で、近年業務は急増。これ迄の採用の有り方では必要な人員の確保が難しく為り、採用制度を見直した。

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               海上保安大学の女子学生

 海上保安庁の職員は約1万4000人。この内地上勤務が約8000人、現場は船舶・航空機で約6000人居る。国土交通省から出向中のキャリア組官僚38人を除けば、大半は海上保安官で、地上勤務と現場は定期的に交代する。
 海上保安官に為るには、幹部コースの海上保安大学校・在籍約60人へ進むか、一般課程の海上保安学校・同約600人へ入学するかの二通りの方法がある。この内保安大学校は高卒者しか受験資格が無かった。大卒者を除外して居たのは、専門科目や技能の習得に4年9カ月を要する為で、高卒者なら修了時に22歳だが、大卒者は26歳を越えてしまい組織内で出遅れてしまうからだ。

 定年退職予定者にも声を掛け・・・

 今回始まる新たな採用制度は、海上保安大学校の受験資格者に大卒者を含め受験年齢も30歳未満とした。基礎教育を省いた新たなカリキュラムを作って、教育期間をこれ迄の半分以下の2年間とし、卒業後直ちに初級幹部に当たる三等海上保安正に任官させる。
 ちなみに、学生は海上保安大学校入校と同時に海上保安官で有る一等海上保安士と為り、大卒者の場合月給約18万円が支給される。三等海上保安正への昇任後は約27万円に増えると云う。

 もう一つの教育機関である海上保安学校は、受験資格者の上限が23歳なので、コチラには以前から大卒者が入校する余地が在った。海上保安官の中に僅かに居る大卒者は同校の卒業生だ。但し一般課程なのでナカナカ幹部には為れ無い。
 今年から海上保安学校の受験資格も30歳未満に引き上げられる為、海上保安大学校と合わせて、受験資格を持った若者の数は格段に増える事に為る。

 人材確保策はそればかりでは無い。海上保安庁を定年前に辞めた人の再雇用や、55歳前後で定年退官する自衛官の採用を強化する。自衛官は主に航空要員で既に約10人を採用したが、今年だけで約20人を新規採用する。海上保安庁の定年退職予定者にも声を掛けた結果、約7割の700人が再任用を希望し残る事に為った。

 「中国船対策」が追い着か無い
 
 これだけ人材確保を急ぐ最大の理由は、尖閣諸島に於ける中国公船対策だ。2012年9月、日本政府による尖閣諸島国有化に反発した中国政府は、同月から公船を尖閣諸島領海や接続水域へ送り込む様に為った。
 当時、1000トン級の中国公船が40隻だったのに対し、海上保安庁の1000トン級巡視船は51隻で日本側が数的優位に立って居たが、現在は中国が138隻・海上保安庁が67隻と逆転ししかも大きく水を空けられた。中国政府は複数在った海上法執行機関を海警局に一本化し、その後、海警局を中央軍事委員会の元に移管して強硬策を執る様に為った。
 尖閣諸島の接続水域への侵入回数は2019年は282日有り、過去最多だった2014年の243日を上回って居る。同水域への連続侵入日数も64日間と矢張り2014年の43日間を上回った。

 数で劣る海上保安庁は石垣島に〔中国海警局対処基地〕を開設〔巡視船10隻12チーム〕が専従と為り、24時間の警戒態勢を敷いて居る。宮古島では2016年8月、尖閣諸島の領海を含む周辺海域に300隻の中国漁船が一斉に現れた事を受けて、動きの好い漁船に対応出来る様、小回りが効く新型の〔規制能力強化型巡視船〕を9隻配備した。
 石垣島の海上保安官は約640人、又宮古島は約210人・・・尖閣対処だけで合計850人の海上保安官が必要に為り、大幅な人員増は欠かせ無かった。

 予算もギリギリ

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 更に近年、日本海の排他的経済水域内に在る良好な漁場〔大和堆・やまとたい〕に於ける北朝鮮漁船による違法操業が急増して居る事も、人員増が必要な理由のひとつだ。2019年、海上保安庁の巡視船が退去を求めた違法操業漁船は1,308隻。この内252隻に海水を浴びせ掛ける放水措置を執った。
 北朝鮮の漁船には冷蔵装置が無く、捕ったスルメイカを船上に日干しにして居る。日干しされたスルメイカは海水を浴びると商品価値が無く為る為、逃げ回る北朝鮮漁船と巡視船のイタチごっこが繰り返される事に為る。

 又、これ等の漁船が難破し日本列島に漂着する数は、2015年45件・2016年66件・2017年104件・2018年225件・2019年158件と増える傾向に有る。船内には遺体が有る場合があり、これ迄92人の遺体が収容された。違法操業の漁船対処や漂着船の確認・回収は、何れも海上保安庁の業務だ。
 海上保安庁の本来業務は領海警備・治安の確保・海難救助・海上防災・海洋調査等多岐に渉り、コレに東京五輪・パラリンピックの海上警備も含まれる。これ等が人員確保に加え、予算確保が必要な理由と為って居る。

 海上保安庁の予算は年々増え、以前の様に「自衛隊のイージス護衛艦1隻分で遣り繰りして居る」と溜息が漏れる事態は脱したとは云え、2020年度当初予算は2254億円。単純に比較は出来無いものの、海上自衛隊の2020年度当初予算1兆1589億円の5分の1以下に過ぎ無い。
 予算の不足分は年末の補正予算で穴埋めするが、毎年、必要額が認められる保障は無い。日本を守る「海の警察」は、予算面でもギリギリの活動を迫られて居る。

 ライバルは海自候補生

 海上保安大学校の採用試験の受付は4月8日迄。国家公務員の専門職試験の一つに位置付けられ、航空管制官や皇宮警察で働く皇宮護衛官の受付時期と重なる。海上保安官は国家公務員なので雇用は安定して居るとは云え、使命感が無ければ務まら無い激務で有る事は間違い無い。
 ライバルに為る可能性が有るのは、矢張り大卒者を対象にした海上自衛隊一般幹部候補生だ。自衛隊の場合、防衛大学校と一般大の卒業生が、陸海空夫々の幹部候補生学校に入り幹部自衛官と為る。

 海上自衛隊一般幹部候補生の2018年の応募者は1194人で採用は61人だった。倍率は約20倍。倍率が高い程優秀な人材が集まる傾向が有る為、海上保安庁の担当者は「意欲の有る若者は海上保安大学校にチャレンジして欲しい」と呼び掛けて居る。


               半田 滋     以上



 




 




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コロナ・パニック「それでも私が告発を辞め無い理由」 岩田健太郎医師インタビュー


 

 コロナ・パニック 「それでも私が告発を辞め無い理由」
 
 岩田健太郎医師インタビュー


             〜文春オンライン 3/29(日) 11:00配信〜


           「凄い悲惨な状態で、心の底から怖いと思いました」

  32928.png

 〜神戸大学医学研究科感染症内科教授の岩田健太郎医師が、新型コロナウイルスの感染者が続出する〈ダイヤモンド・プリンセス号〉の内部に入り、その惨状をYouTube動画で「船内はウイルス培養器」と暴露したのは2月18日のこと。世間からは「勇気ある行動」と賞賛の声が挙がる一方で「恐怖を煽った」との批判も少なく無かった。
 アレから1カ月半、世界中で人々の生活は一変した。ヨーロッパ各国は相次いで〈外出禁止令〉を出し、日本でも3月28日・29日の週末は東京都と隣接4県で外出の自粛が求められた。しかし、3月28日には国内で1日に確認された感染者の数が初めて200人超えた。国内で確認された感染者の数は、空港の検疫で見付かった人やチャーター機で帰国した人等も含めて計2436人・死亡者は計65人と為った。その内クルーズ船の乗客・乗員の感染者は712人・死亡者は10名に上る。(3月28日時点)
 3月4日、下船後の〈自主隔離〉を終えた岩田医師と「週刊文春WOMAN」 はメディアで初めて対面した。「週刊文春WOMAN」2020春号に掲載した岩田医師のインタビューを緊急転載する〜


 「誰かを非難した」誤解を与えた事は申し訳無かった

 ・・・クルーズ船の感染対策の何が問題だったのでしょうか。

 先ず、ウイルスは目に見え無いので、ウイルスが居る危険な感染区域と全く居ない安全区域・・・所謂〈レッドゾーン〉と〈グリーンゾーン〉の分離が感染対策の鉄則です。
 船内でそれが出来て居ないのは一目瞭然でした。ウイルスが付着して居るかも知れない防護服を着た人がグリーンゾーンに入ったり、検疫所の人が患者とスレ違って「今、スレ違っちゃいましたね」と苦笑いして居る場面にも遭遇しました。
 私は20年以上、感染症の研究をして来て、アフリカのエボラ出血熱や2003年の中国のSARS等、感染症の対策現場に立ち会って来ました。それでも、今回程身の危険を感じた事は無かった。

 ・・・批判が集まると忽ち動画を削除した事から、先生の告発を信用出来無いと云う声もあります。

 私は船内から助けを求める連絡を受け、関係筋を伝って災害派遣医療チーム・DMATに同行する形で中に入りました。その後〈誰か〉の指示が出た為、2時間程で「出て行きなさい」と締め出されましたが。それでも〈無茶苦茶な状態〉で有る事は明らかで、少しでも悲惨な現実を知って貰いたくて動画をアップしました。
 再生回数は100万回を超えましたが、後に〈船内の環境が改善した〉との情報を得て2日後に削除しました。結果的に誰かを非難して居るかの様な誤解を与える面もあり、その点は申し訳無かったと思って居ます。

 官僚が意思決定をしたのが誤り

 ・・・動画では「感染症対策の専門家が一人も居ない」と言っていましたが、その後、厚労省や、同じく船内に入って居た沖縄県立中部病院の高山義浩医師「岩田先生をご存じ無い方々には、動画は一寸刺激が強過ぎた」として反論。その中で「専門家は居た」と主張して居ます。  

 アレはin charge・統括して居ると云う私が動画で言った言葉が外され微妙に議論がズラされてしまったが故の問題です。確かに、船内には国立感染症研究所の疫学チームや日本環境感染学会の災害時感染制御支援チーム等が入って居ました。
 しかし、それは「専門家が居る」と云う数を合わせて居たと云う程度で、実質的な感染防御機能の向上に寄与して居ないに等しかった。派遣されたDMATも、災害現場での外傷や熱傷の治療が専門です。勿論、DMATに専門外の感染対策能力を求めて居る訳ではありません。役割が違うと云う事です。
 最大の問題は、指揮権が厚生労働省に在った事です。船内の隔離はどうするか・ゾーニングはどうするか・防護服は誰が着てどう脱ぐのか・・・こうした事を決めるのは官僚の仕事では有りません。彼等は感染対策に付いては素人で、今回の様に医学的な意思決定等絶対にしてはいけ無い筈なんです。

 ・・・専門家不在で政治主導で決まる・・・日本の医療行政に警鐘を鳴らして来ました。

 例えば、私達が食品や医療を語る時〈安全・安心〉と云う言葉を好く耳にします。安全とは、科学的に検証されたデータに裏付けられたものですが、何故か、日本人は加えて感情的な保障としての〈安心〉を求める。マスクに付いても、米国CDC・疾病予防管理センターやWHOがアレだけ予防効果が無いと発信しても〈安心〉だからと多くの人が買い占めに走って居ます。
 今回のクルーズ船でも、政治主導の下〈安心〉を求める傾向が顕著で、ネガティブな指摘は絶対にして欲しく無いと云う空気が現場に漂って居ました。現に私が、船内で厚労省の幹部に具体的な対策を進言しても「何でお前がそんな事言うんだ」と冷たい態度を取られました。
 菅官房長官が2月18日の会見で「全て終わった後に検証して(略)次に繋げて行きたい」と語りましたが、終息して半年もすれば「遣るだけの事を遣って、もう終わったんだから好いじゃないか」と為るのが日本の国民性です。

 ・・・政治主導と言えば、安倍首相が全国の小中高に3月2日から春休み迄臨時休校を要請し、今は一斉休校の真っ只中です。

 感染者を〈一日でドレだけ減らすか〉と云った目標設定も無く、専門家の意見も聞かずに場当たり的に発表されたので、今後この判断が妥当だったか検証する必要があります。個人的には子供では無く、重症化し易い高齢者の外出を自粛すべきではないかと思って居ます。

 日本の対応は中国より遅れている

 ・・・PCR検査が保険適用に為りました。

 無症状で有っても全例PCR検査すべきと云う議論が巻き起こって居ます。しかし、現状では一般の検査機関での準備が整って居らず優先すべきは重症者への検査です。検査の精度も万能では無く、結果に対する誤った解釈で感染者数を増やしてしまうリスクも考えると、全例への適応は検査の無駄遣いです。只、必要な検査が出来無いのも問題なので、検査キャパの拡大自体には反対して居ません。

 ・・・岩田先生は情報提供の有り方に付いて、日本の遅れを指摘されて居ますね。

 米国のCDCは新たな感染症が発生すれば、安全策を講じる上で必要な情報提供をします。中国でも、SARSの際に実態把握に苦労した教訓を生かし、中国版CDCが今回の新型コロナウイルスでは、一早くウイルスの遺伝子型を特定し感染状況を世界に発信して居ます。
 それに比べて、日本は2009年に発生した新型インフルエンザの封じ込めに苦心したにも関わらず、コレを教訓とせず日本版CDCを作ら無かった。感染症の専門家の養成もして来なかった。こうした専門家軽視の姿勢が今回のクルーズ船の惨事に繋がったと考えます。

 ・・・今後、私達は新型コロナウイルスとどう向き合えば好いのでしょうか。

 国立感染症研究所は、クルーズ船内の感染流行の度合いを示す〈エピカーブ〉を2月19日に発表して居ます。一見すると多くの患者が隔離前から感染しており、二次感染者はごく僅か。隔離政策が成功したかの様に理解出来る結果に為って居ます。
 しかし、データは不完全なもので発症者不明のデータも現時点で多く有ります。このデータの不備も動画で指摘しましたが「データは有るのに無いと勘違いして居る」と的外れな批判もされました。〈データが有る〉と〈データが完全に有る〉は同義では無いのですが。
 ご存知の様に下船後の発症者は国内だけでは無く、オーストラリア・米国・香港等で発見されており、未だ予断を許さ無い状況です。今は如何に封じ込めるかが大事で、手指消毒や閉鎖空間でのイベントを避ける等、個人で出来る事をする事。中国で封じ込め出来つつ有るのだから、我々にも希望は未だ有るとは思います。
   

 取材・構成 内田朋子

               32927.png

 岩田健太郎(いわたけんたろう)1971年島根県生まれ 島根医科大学(現・島根大学)卒業 沖縄県立中部病院・ニューヨーク市セントルークス・ルーズベルト病院 同市ベスイスラエル・メディカルセンター 北京インターナショナルSOSクリニック 亀田総合病院を経て2008年より神戸大学 神戸大学都市安全研究センター医療リスクマネジメント分野および医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野教授 神戸大学病院感染症内科診療科長

          岩田 健太郎 週刊文春WOMAN 2020 春号  以上 



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コロナウイルス対策に見えた 安倍政権の隠蔽体質





 





 コロナウイルス対策に見えた 安倍政権の隠蔽体質

           〜HARBOR BUSINESS Online 3/29(日) 8:33配信〜


         32921.png

               神戸大学 岩田健太郎教授

 〜安倍政権(首相)の後手後手で場当り的な新型肺炎対策で、国内での感染収束の見通しは未だ通って居ない。感染が発覚した初動の時に専門家抜きで意思決定し〔検査陰性・感染なし・・・実際は感染者で陽性に為るのは50%以下〕〔下船者の14日間隔離はしない〕等の〔素人判断〕を連発、他国では考えられ無い対応をして居た事に海外からも批判が噴出して居るのだ。
 今回の新型肺炎対応では〔危機管理能力抜群〕と評されて来た番頭役の菅義偉官房長官の影は薄く、安定した政権運営を支え続けて来た官邸が機能不全・崩壊状態に陥って居る様にさえ見えるのだ。
 安倍政権の対応の何処が問題で、どう改善して行ければ好いのかをハッキリさせる為には、現場経験豊富で感染症対策の国際標準を知り尽くして居る専門家の話を聞くのが最も有効に違い無い。ソコで、岩田氏と野党議員の電話会議内容を3回に分けて紹介して行く〜(第3回)


 感染症対策が専門では無い学者が 政治家決定を「追認」

            32922.jpg 逢坂誠二政調会長

 〔新型コロナウイルス合同対策本部〕代表代行の逢坂誠二政調会長(立憲民主党)と泉健太政調会長(国民民主党)等は2月21日、菅官房長官に申入れをした。
 逢坂氏は面談後、囲み取材で「クルーズ船の下船者の2週間隔離をしなくて大丈夫なのか」と海外と異なる決定を問題視「政府の場当たり的な対応で国民に不安が広がって居る」とも指摘しながら、専門家の活用や予算大幅拡充や医療体制整備等を要請した事も明らかにした。

 筆者が「菅長官から岩田教授の動画に付いてのコメントは無かったのですか」と聞くと、逢坂氏は「全く無い」と回答。「14日間隔離なし」と云う海外に比べて甘い対応を早急に改める姿勢が政府に在ったのかに付いては次の様に答えた。

  「政府の方から『改める』と云う事は有りませんでした。一昨日(19日)に下船された方に健康カードが出されて居ますが〔2週間の対応〕に付いては書かれて居なかった。処が昨日(20日)出された健康カードには〔2週間の健康管理を徹底する〕〔不要不急の外出を控えように〕と云う事が2日目に為って付け加わった。
 その意味で云うと、政府の当初の見通しは非常に甘い。〔二週間隔離〕と云う海外の国が取って居る対応への認識が無かったのでは無いか。それで、専門家の意見を聞いて朝改暮令の様に2日目に対応を変えて居る事を見ても、政府の認識は非常に甘いのではないかと感じる」


 専門家の意見が素早く意思決定に反映され無い官邸崩壊状態が目に浮かんで来る。これ迄2回に渉って紹介して来た〔野党議員による岩田氏へのヒアリング 電話会議〕でも、この事が問題視されて居た。
 科学的判断で意思決定をする米国のCDC・疾病対策センターとは違って、日本では感染症の専門家で無い学者が、政治家の素人判断を追認して居る形に為って居ると云うのだ。

           32923.jpg 原口一博国対委員長

 驚くべき実態を浮彫りにする質問をしたのは、国民民主党の原口一博国対委員長だった。「自分達は専門家の意見を聞いて居るのだ」と云う安倍政権の主張を疑問視した上で「その専門家が江戸時代の関所の地頭の様な感じで、他の人(岩田氏等)を全部排除して、タコツボの中で目の前の最適性を追うものだから、世界から猛烈な批判を受けて居る。この専門家の嘘の壁をどう遣って突破すれば好いのか」と助言を求めた時の事だ。

 日本政府の新型肺炎対応の致命的欠陥

           32924.jpg 岩田教授

 原口氏の問い掛けに対して岩田教授は「感染症研究所は基本的に研究機関です。基本的にはウイルスの研究をしたり細菌を研究したりと云う事で、学者の集団な訳です。感染対策には全然専門性が有りません」と指摘した上で、こう続けた。

  「今安倍首相が招集した専門家委員会も、委員長は感染症研究所の方です。彼もウイルス学者です。ウイルス学者は感染症対策に付いての知識を全く持って居ないので、結局、アレは偉い人を呼んで集めて政府の遣って居る事を追認するだけの追認組織に為って居る様に私は感じます。
 そうでは無くて本来為らば、政府から独立して、独立性を発揮して感染症対策を実務的に行うのがCDC・米国の疾病対策センターです。官僚や政治家は何を遣れば好いかと云うと、例えば、ロジスティック・資材調達・輸送・管理を遣るべきなんです。
 予算を着ける・物品を提供する・医療機器を準備するとか・・・そう云った事は官僚は得意なので、そう云う周辺のアレンジメントは好い。ですが、科学的意思決定とか隔離解除基準と云うのは政治家マターでは無くて科学者マターなのです。科学的な事を、政治的に決着してしまう事が、今迄の感染症対策の非常に大きな問題でして、そこをキチンと区別出来るのかが大切に為ります。

 安倍政権の新型肺炎対応の致命的欠陥・・・科学者マターを政治家マターにして居る事・・・をズバリ指摘するものだった。

 情報公開して居た中国と対照的な日本の隠蔽体質

 「専門家の意見を聞いて居る」と言う処の専門家委員会の委員長は、感染症対策には専門外のウイルス学者に過ぎず、感染症対策のプロを欠いた素人集団が政府方針の追認して居る様に見えると云うのだ。
 CDCが科学的決定をする米国と、政治家主導の日本との決定的な違いとも言える。原口氏は情報公開の重要性に付いてコンな質問をした。

 原口氏 情報が正しく開示されて、皆が同じ認識を持つのは極めて大事だと思います。情報公開の大切さに付いて教えて頂けると有り難いのですが。

 岩田教授 私は2003年に北京に居たのですが、当時SARSが流行って居て、その時に中国が物凄く批判されたのは情報隠蔽でした。SARSに対する情報を諸外国にチャンと伝えて居ないと。それからウイルスの情報等を科学者に回して呉れ無いとか、物凄い批判を受けた訳です。当時、中国はソンなに巨大な国では無かった。
 しかしコロナウイルスに付いて云うと、中国は良かった処も悪かった処も有ると思うのですが、少なくとも、このコビッド・COVID19・新型コロナウイルスに対して徹底的に戦う姿勢を示して居ます。
 そして、これはBBCの報道で好く聞くのですが、記者会見を遣ると、公開性と透明性を・・・情報公開を徹底的に遣るのだと明言されて居ます。隠し事はし無いと云う事です。武漢等のデータで、中国に取っては都合が悪いデータが勿論沢山出て居ます。患者さんの死者も沢山出て居ます。
 しかしながら中国は、都合の悪い事も全部チャンと開示するからコソ、国際社会の信用が得られるのだと云う教訓を多分SARSから得たのだと思います。そして今、中国版CDCが2002年に出来て、SARSの教訓を得て、そして徹底的な科学的分析と専門家による介入と情報公開をして居る。

 翻(ひるがえ)って日本は、最初の頃はコビッド・COVID19・新型コロナウイルスが出て来た時、中国は又隠して居ると揶揄する事が在った訳ですけれども、蓋を開けてみると何の事は無い。隠して居るのは日本の方でして・・・情報公開はしない・中の状況も教え無い・専門家を入れ無いし入れても直ぐに追い出し・理由も説明しない・・・本当に酷い状況です。
 SARS の時も2009年の新型インフルエンザの時も、日本は感染症対策で大変だったのですが、当時と今は何が違うかと云うと、当時は世界中がSARS問題・新型インフル問題に関わって居たので、日本がどう遣って居るのかに対して全く見て居なかった。しかし今は違います。中国がコビットと戦って感染を減らそうとして居ます。他の国も感染対策が上手く行って居ると言われて居ます。その中で一番問題に為って居るのが、このクルーズ船・プリンセス・ダイヤモンドです。世界中が見て居ます。

 その時に、DMAT・災害派遣医療チームなら入って好いとか入ってはダメだとか・誰から横槍が入ったとか・・・そう云った寝技的な伝統的な厚労省の論理と云うのは国際社会には全く通用しない。ですから今日もCNNとかBBCとか、ニューヨークタイムスから取材を受けましたが「厚労省は一体何を遣って居るのだ」と云う事で皆さん物凄く不可思議に思って居て「国際社会的には有り得無い」と。
 中国が透明性と公開性を主張して居るのと翻って、日本は此処で自分達に都合が悪い事は全部公開して、上手く行か無かった事を認め無いといけ無い。全部100点満点にはいか無いので、時には上手く行か無い事が有るのです。
 ソレを認めて公開してコソ、国際社会の信頼が得られる。ソコを隠して、恰も全部上手く行って居る事に為って居る様な戦時中の放送の様な事を遣ると、国際社会の信用はガタ落ちに為ります。今、それがドッチの方向に行くのか。凄く大きな問題なので、省益等の詰まら無い小さな事で判断して欲しく無いと強く思って居ます。


 都合の悪い事も公開して初めて、日本は信用して貰える

 締め括りの質問として原口氏が「国民の皆様、政治家に向けて今の時点で一番訴えたい事を仰って頂けないでしょうか」と問い掛けると、岩田教授は次の様に答えた。

 岩田教授 この問題は非常に重要な問題で、そして日本のコビッドがどう為るかを世界中が注目して居ます。今、コレをキチンと遣れば、世界も日本の対策を認めて呉れるでしょう。それは、都合の悪い事を隠すのでは無くて、都合の好い事も悪い事もチャンと公開して初めて、日本のアカウンタビリティ・説明責任を信用して貰えると思います。
 皆がそれを願って居ると思います。是非、全ての方がそう云う原則に基づいて、世界の方も「日本は大丈夫だな」と思って頂ける様な対策を我々はするべきだと思いますし頑張りたいと思います。


 ・・・ここで終了と為る流れであったが、原口氏が冒頭で岩田教授の経歴紹介をして無かった事に気が付き、自己紹介でヒアリングを締め括る事に為った。


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  「岩田健太郎と申します。神戸大学に勤めて居ますが、今日言った事は私の見解で、神戸大学の見解を代表するものでは有りません。感染症を生業にして、この仕事を20年以上遣って居ますが、色々な感染症の問題が起きる度に考えさせられる事は有ったのですが、今回の問題も何とか、確りと対応出来る様に頑張りたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いします」

 文・写真 横田一 ジャーナリスト 小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)に編集協力 その他『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数

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      ハーバー・ビジネス・オンライン 横田一 ジャーナリスト   以上



 



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戦争が作った近代国家と近代財政 玉木 俊明





 


 


 戦争が作った近代国家と近代財政

              〜JBpress 玉木 俊明 3/28(土) 6:00配信〜


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     フランス革命はフランスの税制が直接税中心だったから起こった!?(Wikipediaより)

 国家とは何か・・・この問いに答えるのは簡単ではありません。しかし、合法的に軍隊を持つ事が出来るのが国家だけと云うのは、言う迄もありません。近代国家はヨーロッパで誕生しましたが、その生成過程では戦争が繰り返されて来ました。戦争を重ねる事でヨーロッパに近代国家が誕生し、夫々の国家は明確な領土を形成して行ったのです。その意味では、近代国家とは、税金が掛けられる領土を持つ国家と定義付ける事も出来るでしょう。

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              JBpress 玉木 俊明氏

 主権国家とは何か

 歴史学の研究に於いては「主権国家」の成立が、近代世界の特徴の一つとされて居ます。『世界史用語集』(山川出版社)によれば、主権国家とは次の様な定義に為ります。

 <明確な領域・国土を有し、確立した主権が存する近代国家のこと。主権は、国内では独立性を持つが、背景に、中世末以降はローマ教皇や神聖ローマ皇帝等普遍的な権威が衰退した事がある>
 
 そして、主権国家体制とは、次の事を意味します。

 <近世ヨーロッパで成立した政治体制。主権国家が相互に並立し、覇権を争いながら国際政治が展開される状況を指す。イタリア戦争を機に形成され、1678年ウェストファリア条約で確立したとされる>

 次は、教科書の記述を見てみましょう、

 <神聖ローマ皇帝として、ヨーロッパ全域を支配しようとする考え方は此処で挫折し、西ヨーロッパ諸国は、夫々の国や国民の纏まりを重視する主権国家の考え方に転換した。帝国として世界を政治的・軍事的に支配するのでは無く、個々の国家を強化して、世界的な分業体制・世界システムの中での地位を高め様とする様に為った>(新詳 世界史B 帝国書院)

 此処で、主権国家が戦争に依って生まれたと云う事と、税金と主権国家との関係に付いて触れられては居ませんが、この2つはトテモ重要な点です。.

 軍事革命の影響
 
 ヨーロッパ諸国は、多数の戦争を経験する事で主権国家へと変貌しました。この過程でヨーロッパは「軍事革命」を経験しており、強大化した軍事力を使って世界を支配しました。詰りヨーロッパの世界支配と主権国家体制の成立は、密接に結び着いたものだったのです。
 更に主権国家は帝国主義国家と為り、植民地支配体制を築き上げて行くのでした。最終的に世界はヨーロッパ的な軍事秩序により再編成されます。それが帝国主義時代の帰結です。軍事革命とは、一言で言えば大砲・火器の導入です。此れに依り戦争の戦術は決定的に変わりました。それに伴い軍隊の規模は大きく為り徴兵制が導入されました。戦争は、それ迄の傭兵主体の戦いから国民兵主体のものに変わって行きました。

 火器が登場する以前には、騎馬兵に依る弓が最大の武器でした。だからその当時は、その技術に秀でたモンゴル軍が世界最強の軍隊で在ったのです。処が、火器はそれ以上の破壊力・殺傷能力を持つ武器でした。ヨーロッパ人は火器の発明者ではありませんでしたが、それを積極的に使用したのでした。その為に、世界中の戦争で勝ち抜き、植民地を獲得する事が出来たのです。

 軍事革命と国家財政
 
 軍事革命に依って戦争の費用も増大しました。この時代、戦費の急増に伴い国家財政の規模も大きくせざるを得ませんでした。その為各国の王は、自らの徴税権を強めて行きます。それ迄は、各地方毎に徴税権を握った貴族や豪族がおり「イザ戦争」と云う時には、彼ラが自ら率いる軍隊を伴って戦いに臨んで居ました。しかしそうした体制から、徐々に軍隊も徴税権も国王が一元的に握る体制に変わって行くのです。
 戦争をして行く内に、ナショナリズムが生まれて居ます。そして国境が確定し、その国境を越えた課税は当然出来無く為ります。此処に主権国家が生まれたのであり、主権国家の誕生は、戦争の遂行と切っても切り離せ無い関係にありました。

 早発の経済国家オランダの財政

 ヨーロッパで、最初に財政制度が近代化したのはオランダでした。オランダは、1568年から1648年に掛けて、スペインからの独立戦争(80年戦争)を経験しました。その為に借金をする必要に迫られ、財政制度が近代化されたと言われて居ます。
 オランダは、18世紀のイギリスよりも2紀以上前に公信用が発展したとされて居ますが、それも、戦争遂行の為借金財政と為らざるを得無かったからです。オランダ史では、この時代のオランダを「戦争国家」と呼ぶ程です。

 スペインからの独立を勝ち取った17世紀中葉は、オランダの「黄金時代」と呼ばれますが、この時代のオランダは、同時にヨーロッパで一人当たりの税負担が最も大きな国でした。重税で在っても国家が繁栄したのは、恐らく貿易に関してだけは出来るだけ税を掛け無い様にしたからだと云う説もあります。
 国民の税負担は重く為りましたが、産業振興の為、貿易に掛ける税は軽くしたのでしょう。その判断のお陰で、今日のオランダ経済の骨格は形作られたと言えます。

 イギリスとフランスの税制
 
 18世紀は、ヨーロッパの国々が植民地を巡って、ヨーロッパ外の世界で戦争を行った世紀でもあります。勿論その戦争の規模も大きなものでした。その戦争の中心と為ったのは英仏でした。その為両国の国民は、非常に重い財政的負担を強いられる事に為ったのです。同時に、両国はどの国にも増して大きな財政問題に直面しました。

 フランスの税制は、直接税である地租が中心でした。その為、間接税である消費税が中心のイギリスとは事情が異なり、経済が成長しても税収は伸びませんでした。フランス革命が生じたのは、フランス国民に課せられた税金がイギリスよりも重かったと云うより、フランスの税制では税収が増えず、国庫が逼迫した事が原因と考える事も出来るのです。

 借金の額で言えば、フランスよりもイギリスの方が多かったのですが、イギリスの税制は贅沢品に掛けられる消費税が中心でした。その為、経済が成長すると人々が奢侈品(しゃしひん)を買う事が増え、経済成長率以上に税収が増えたのです。

 主権国家と経済成長

 この様に、ヨーロッパに於ける主権国家の成り立ちは、軍事社会の形成と大きく関係して居ました。経済学では、19世紀以来、歳出と歳入が同じ額に為る均衡予算コソがあるべき財政状態だと云う認識が生まれました。しかし現実には、均衡予算は歴史上殆ど実現された事は有りません。
 ソモソモ近代国家が誕生した時代、国家の予算は常に赤字だったのです。現在も、戦争が原因では無いにせよ、殆どの国の国家財政は赤字です。それを国債の発行で返済して行くと云うシステムは、主権国家誕生以来、ズッと続いて居る事なのです。


                    以上



 





 全ヨーロッパが震えた オスマン帝国の脅威

            〜JBpress 玉木 俊明 2019年10月5日 6時0分〜

 アジアからヨーロッパに攻撃を仕掛け、ヨーロッパ人を震撼させた国は歴史上二つあります。モンゴル帝国とオスマン帝国です。特にオスマン帝国は、ウィーンを包囲しもう少しでウィーンが陥落する迄に至りました。もしウィーンが陥落して居たなら、世界史は大きく変わって居たでしょうし、勿論後世のヨーロッパの覇権も無かったでしょう。そこで今回はオスマン帝国、特に最盛期の君主・スレイマン1世の時代を取り上げたいと思います。

 オスマン帝国の事を過つては「オスマントルコ」と呼ぶ事もありましたが、現在はその呼称は用いられ無く為りました。それは、オスマン帝国の君主であるオスマン家はトルコ系の家系でしたが、帝国は多民族・多宗教の国家であり、決して「トルコ人の帝国」と云う訳ではありませんでした。その為オスマントルコの呼称は相応しく無いと考えられる様に為ったのです。又「トルコ人」と思われて居た人々の中には、非トルコ系の人々も多かったからです。

 さて、小アジア・アナトリア半島に興ったオスマン帝国は、ボスポラス海峡を挟んだヨーロッパ側のバルカン半島にも領土を広げた大帝国でした。その為支配地域には様々な民族が暮らす多民族国家でした。又帝国が拡大する中で移動も可能であった為、各地で様々な民族が入り組んで生活する様に為ります。
 現在、バルカン半島に多様な民族が居住し、それが民族問題を引き起こして居ますが、問題の源流はオスマン帝国の時代に有るとも言えるでしょう。

 オスマン帝国誕生

 元々小アジアには、半牧・半兵的な部族を元にした小国が幾つもありました。その中で台頭して来たオスマン家が、ムスリムの王国としての形を整えたのは1299年の事でした。
 以降、オスマン帝国は精力的に領土を広げて好きました。14世紀中頃にはバルカン半島に進出し、1389年にはコソヴォの戦いで、更に1396年にはニコポリスの戦いでキリスト教国の連合軍を撃破します。ニコポリスの戦いで勝利した事に依り、オスマン帝国の君主にはイスラム世界の世俗権力の長であるスルタンの称号が与えられます。

 勢いに乗りたいオスマン帝国でしたが、1402年、中央アジアから押し寄せた同じムスリム帝国であるティムール帝国にアンカラの戦いで敗北、オスマン帝国下に在った君侯国が相次いで独立する様に為りました。こうして滅亡の危機に追い込まれたオスマン帝国でしたが、徐々に勢力を回復します。
 1453年にはビザンツ帝国を滅亡させ、その首都コンスタンティノープルをイスタンブルと改名し、オスマン帝国の首都とします。更に1517年にエジプトのマムルーク朝を倒すと、オスマン帝国のスルタンは、イスラム世界の宗教上の最高指導者であるカリフの地位を兼ねるように為ります。こうして、オスマン帝国の君主は政治的にも宗教的にもイスラム世界で最高の地位を占める様に為ったのでした。

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             帝国の最盛期を作り上げたスレイマン1世

 オスマン帝国の領土拡大に付いては、図1に書かれて居ます。この領土拡大を体現したのがスレイマン1世(在位:1520〜1566)です。父・セリム1世の死を受け、26歳で第10代スルタンと為った翌年の1521年、スレイマン1世はベオグラードを攻略しました。
 「征服者」と呼ばれた第7代スルタンのメフメト2世も攻略に失敗したベオグラードでしたが、スレイマン1世は黒海を通じてドナウ川へと約50隻の船舶を送って攻撃させると、難無くこの都市を落としてしまうのでした。

 次いでスレイマン1世は、東地中海交易の要所であるロドス島を陥落させ様としました。ロドス島は、聖ヨハネ騎士団が支配する島でしたが、過去にもオスマン帝国が陥落を試みるも失敗に終わった場所でした。
 1522年、そのロドス島に向けてスレイマン1世は400隻から為る大艦隊を派遣します。聖ヨハネ騎士団が築いた強固な要塞に苦戦しますが、スレイマン1世は攻略を何とか成功させ、ロドス島をオスマン帝国領としました。これに依り東地中海の制海権は、オスマン帝国が握る様に為りました。そう為ると今度は、矢張り地中海に覇を唱え様とするヴェネツィアやジェノヴァ等との対立も激化する様に為りました。

 ウィーン包囲
 
 次にスレイマン1世はハンガリーに目を向けます。この当時、神聖ローマ皇帝カール5世の目はイタリアに向いており、ハンガリーを財政的に援助しようとはしませんでした。その為ハンガリーを攻略する事は、スレイマン1世に取って難しい事では無かったのです。こうしてスレイマン1世は、遂にはハプスブルク家の牙城・ウィーンに狙いを定めます。

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 1529年9月、スレイマン1世の率いる12万の大軍がウィーンを包囲しました。この時、カール5世はウィーンに居ませんでした。彼は弟のフェルディナント1世にウィーンの統治を任せて居たのです。ウィーンの防衛隊は、オスマン軍に比べて脆弱でしたから、ウィーンは陥落寸前に為ります。
 もしこの都市がムスリムの手に落ちれば、ヨーロッパの国が次々とイスラム化する可能性もある。しかもスレイマン1世が率いたのは、イェニチェリと云う君主直属の精鋭部隊です。

 処がウィーンの軍人達も粘り強く戦いました。その所為もあってスレイマン1世がウィーン攻略に手間取る中、厳しい冬が訪れました。コレを見てスレイマン1世は、ウィーンの包囲を解き帰国すると云う選択をしました。ヨーロッパ人は命拾いをしましたが、それでもウィーンが陥落直前に迄追い詰められた事は、ヨーロッパの人々に大きなショックを与えたのでした。

 インド洋の覇権握れず

 スレイマン1世の遠征は東方にも向かいました。当時、オスマン帝国は、イラン北西部のアゼルヴァイジャンに16世紀初頭に興ったサファヴィー朝との敵対関係を強めて居ました。サファヴィー朝は、多数派のスンナ派を支持するオスマン帝国とは異なり、シーア派の十二イマーム派の王朝です。
 スレイマン1世は、1534年にサファヴィー朝を攻撃します。一時はサファヴィー朝の首都タブリーズを占領するものの、決定的な勝利を収める事は出来ませんでした。それでも彼は、バグダードを獲得し、東アナトリアの支配も確立する事が出来ました。

 更に、スレイマン1世の目はインド洋にも向けられました。と云うのも、ヴァスコ・ダ・ガマがインドに到達して以来、ポルトガルの勢力がインド洋、更には東南アジアへと伸びて居ました。それを阻止しようとしたのです。
 1538年、スレイマン1世の艦隊はスエズ地峡から出航し、紅海を南下しインド洋に出て、インド西部のムスリム勢力の中心地・グジャラートに向かいました。この地でのポルトガルの圧迫を排除する為でした。しかし、オスマン艦隊は勝利を得る事は出来ませんでした。

 スレイマン1世は、以前の様にインド洋に於けるムスリムの通商を復活させ様としたのですが、その夢を叶える事が出来ず、インド洋は徐々にヨーロッパ人の海へと変貌して行く様に為ります。これはスレイマン1世に取って大きな躓きに為りました。
 只アジアとは対照的に、地中海ではオスマン帝国の勢力は伸張しました。1538年には、プレヴェザの海戦で、ハプスブルク帝国・ローマ教皇・ヴェネツィア共和国等の連合海軍を破り、地中海は「スレイマンの海」と化しました。

 イタリア諸国等は、喜望峰ルートで香辛料が輸入出来る様に為って居たとは云え、その航海にはマダマダ危険が伴って居たので、紅海からアレクサンドリアを経てイタリアに輸入される香辛料も多かったのです。詰りイタリアが香辛料を手にする為には、オスマン帝国と友好的に付き合い輸入する必要が在ったのです。これはオスマン帝国に莫大な利益をもたらしました。

 統治機構の整備にも注力
 
 スレイマン1世は領土拡大にだけ秀でた君主ではありませんでした。国内の統治にも有能さを示します。彼はオスマン帝国の統一的支配機構の整備に尽力し「立法者(カヌーニー)」と呼ばれました。又トルコ系騎士には、一定の土地の徴税権(知行地)を与え、戦争の際には県乃至州単位で指揮官の下に付く様義務付けました。この様な制度を次々と整備し、高度な統治機構を築き上げて行ったのでした。

 スレイマン1世の時代は、ヨーロッパで宗教改革が巻き起こった時代でもありました。キリスト教国の君主に取って、東方から遣って来るムスリム帝国に対抗する為には、ルター派やカルヴァン派の諸侯との協力関係を結ぶ必要もあり、それが宗教改革の流れがより強固なものに為って行く大きな要因にも為りました。
 スレイマン1世は、ヨーロッパが宗教改革による政治的混乱に陥って居る機を突いて大きな成果を挙げたとも言えますが、逆に言えば、スレイマン1世の侵攻が有ったから宗教改革が進んだと考える事も可能なのです。

 更にスレイマン1世が地中海の制海権を握り、アジアからの香辛料貿易の大部分を支配する様に為ると、ヨーロッパ諸国は次第に喜望峰回りのアジア航路に目を向ける様に為ります。詰りは、オスマン帝国の地中海覇権が強過ぎた為、ヨーロッパ諸国は必要に迫られ、航海術と海運業を発達させたと言えるのです。
 インド洋の制海権を失い、海運業でもヨーロッパに遅れを取る様に為ったオスマン帝国は、次第にヨーロッパ諸国と比べて力を失ってしまいます。

 ヨーロッパはスレイマン1世の脅威に怯えました。しかし、それに対抗する為にヨーロッパは強く為りました。地中海を見れば、スレイマン1世がヨーロッパに勝利した様に見えるかも知れません。しかしインド洋を見れば、オスマン帝国はヨーロッパの勢力に敗北したのです。ヨーロッパを強くしたのは、スレイマン1世だったのかも知れません。


         JBpress 筆者玉木 俊明

 玉木 俊明 京都産業大学経済学部教授 専門は近代ヨーロッパ経済史 著書に『人に話したくなる世界史』(文春新書)『逆転の世界史』(日本経済新聞出版社)『ヨーロッパ 繁栄の19世紀史』『ヨーロッパ覇権史』(以上、ちくま新書)『〈情報〉帝国の世界史』(講談社現代新書)『近代ヨーロッパの誕生』『海洋帝国興隆史』(以上 講談社選書メチエ)等多数











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