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2020年03月22日

トリチウム水は海に流すのが簡単と云う結論 ALPS小委報告書を読み解く



 福島第一汚染水 このまま海水放棄して大丈夫?


 トリチウム水は海に流すのが簡単 と云う結論 

 ALPS小委報告書を読み解く



          〜フリーランスライター 木野龍逸 3/22(日) 8:00〜


           3-23-5.jpg

     ALPS小委終了後に会見する山本一良委員長(右)と奥田修司廃炉・汚染水対策官

 事故収束の条件をスリ替えた収束宣言

 福島第一原子力発電所に林立する汚染水タンクの貯蔵水を処理して海に流すと云う話が、イヨイヨ現実味を帯びて来た。海洋放出の前提の一つは「廃炉作業」と国やマスメディアが呼ぶ、福島第一原発の事故収束作業が40年で終わると云う夢物語だ。

 経済産業省資源エネルギー庁の「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会」(委員長・山本一良名古屋学芸大学副学長)通称ALPS小委員会は、2020年1月31日、17回目の会合を行い、提言案を取り纏めた。
 この案はその後、各委員とエネ庁の事務局の間でメールで意見交換を行った後、2月10日に最終の報告書として公表された。


 《参考資料》多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書 経済産業省 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書に付いて
  2020年1月31日に開催された第17回多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会において、委員長一任とされて居た報告書の取りまとめ案に付いて、最終版を同小委員会の報告書として公表します。
 
 多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会は、東京電力福島第一原子力発電所に於ける多核種除去設備等処理水(ALPS処理水)の取扱いに付いて、技術的観点に加え、風評被害等の社会的観点も含めた総合的な検討を目的とし、検討を行って来た処ですが、本日、同小委員会としての報告書を公表します。
 今後、政府として、本委員会の報告書も踏まえ、地元を初めとした幅広い関係者の意見を聞きながら、処分方法のみ為らず、併せて講ずるべき風評被害対策に付いても検討して行きます。
 ・多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 報告書(PDF形式 1,177KB)PDFファイル
 ・多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会 報告書(概要)(PDF形式:192KB)PDFファイル
 お問合せ先 資源エネルギー庁 電力・ガス事業部 原子力発電所事故収束対応室  電話:03-3580-3051  FAX:03-3580-0879 Adobe Readerダウンロード(Adobeサイトへ)外部リンク 参考資料 おわり


     3-23-6.jpg

             フリーランスライター 木野龍逸氏

 結論は、トリチウム水の「海洋放出が現実的な選択肢」と云うものだった。福島第一原発には2020年3月5日の時点で約123万トンの汚染水が貯蔵されて居る。汚染水は、2011年3月11日の東日本大震災で壊れた原子炉建屋やタービン建屋に地下水が流入し、メルトダウンした燃料デブリに触れて高濃度に汚染された冷却水と混じり合う事で、1日に約170トンずつ増えて居る

 本来、汚染水は2011年中に増加を抑える計画だったが、荒唐無稽な寝物語が実現出来る訳も無かった。汚染水が増え続ける中、政府は目標を「汚染水全体量の抑制」から「建屋内の汚染水」が増え無い事にスリ替え、「事故収束宣言」を出した。コノ時点で汚染水問題は、福島第一原発の事故処理で最大の壁に為って居た。

 《参考資料》事故の収束に向けた道筋 2011年7月 省略

 ALPS小委の報告書は、福島第一最大の問題に一気にケリを着けるものに為って居る。 報告書では、今後の処分方法に付いて「地層注入・地下埋設」「海洋放出」「大気への水蒸気・水素放出」の3つの選択肢を示して居る。
 その上で、現実的な選択肢は「前例の有る水蒸気放出及び海洋放出」だ結論着けて居る。地元住民からの要望が最も強かったタンクでの貯蔵継続は、ソモソモの選択肢から排除された。何故こう為るのか。報告書の記載を順番に見て行くと、不条理が多々有る事が分かる。








 2013年とは大きく変わった汚染水の状況

 先ず第一に、ALPS小委が前提にして居た「トリチウム水タスクフォース」の結論が、実態に合って居ないのでは無いかと云う点だ。2016年6月3日に纏まったタスクフォースの報告書では、汚染水の処分方法に付いて、@地層注入 A海洋放出 B水蒸気放出 C水素放出 D地下埋設の5つを提案して居た。
 此処に貯蔵継続が含まれて居ないのは、タスクフォースが始まった2013年は、タンクから300トンの高濃度汚染水が漏れたり、東電が海に汚染水が出て居る事を隠ぺいして居た事が発覚する等した為に、タンクに貯めて置くのは高リスクと云う認識が生まれたからだった。

 しかし当時と今では状況が大きく異なる。2013年当時のタンクは組み立て式で、設置当初から漏えいの危険が有ると指摘されて居たものだった。今はタンクは溶接型に置き換わり、漏えいリスクは大きく減った。タンクは周辺に堰(せき)も出来て居て、事故直後の様に漏えいが即、海への流出には為ら無い。この事はALPS小委の報告書にも記載がある。
 又タンクに溜まって居る水は、2013年の頃はトリチウムが高濃度に含まれた汚染水だったが、多核種除去設備・通称、ALPSでの処理が進み、現在はトリチウム以外はとても低レベルに為った。政府と東電は「ALPS処理水」と呼んで低リスクをアピールして居る

 詰り、タスクフォースで議論を始めた頃とは前提条件が大きく変わって居る。だからALPS小委の住民説明会では、貯蔵継続を望む地元住民の声が大きく為ったと言える。それでもALPS小委の報告書では、貯蔵継続を否定し選択肢から除外した。
 理由の一つは「タンク貯蔵には、自然災害・腐食や操作ミスによる漏えいのリスクを排除出来ず、万が一漏えいした場合には、報道等により新たな風評への影響が発生する可能性がある」からだ。

 でも考えてみて欲しい。タンクからの漏えいで風評被害が発生するのなら、海に出すのはどうなのか。報告書では「社会的な影響の観点で処分方法の優劣を比較する事は難しい」としつつ「海洋放出に付いて、社会的影響は特に大きく為る」と懸念を示して居る。
 それにも関わらず、海洋放出だけが選択肢として残り、貯蔵は出来無いと云う結論の根拠は、報告書からは読み取れ無い。

 明確な理由無しにタンク貯蔵より海洋放出が簡単と結論

 可笑しな点は未だ有る。東電はタンク貯蔵容量に付いて、2022年夏頃に満杯に為ると説明して居る。貯蔵を続けるなら追加対策が必要に為る。ALPS小委の報告書は、こうした追加措置が困難として、選択肢から除外した。
 例えば報告書では、トリチウム水を敷地外に搬送して保管する事に付いて「法令に準拠した移送設備」や「移送ルートと為る自治体の理解」が必要だと説明して居る。更には、配管で搬送する場合にはフェンスの設置が必要・車両や船舶で搬出する場合には搬送手続きが必要・法定に準拠した移送設備が必要に為るので、「大量の処理水を移送する手段の検討・準備に相当な時間を要すると共に、多岐に渉る関係者との事前調整が必要」と、必要な項目を並べて居る。

 又敷地外にタンクの為の土地を確保する事に付いても「自治体の理解」が必要で「放射線による障害の防止措置を講じ、同法に基づく保安検査や核物質防護検査等を受ける必要」が有ると理由を並べ「相応の設備や多岐に渉る事前調整・認可手続きが必要であり、相当な時間を要する」から、難しいとして居る。
 福島第一原発を取り囲む中間貯蔵施設の予定地にタンクを建設する事に付いては、土地は中貯の為に地元に受け入れて貰ったので福島第一の土地拡大は難しいと切って捨てて居る。しかしエネ庁は、周辺住民から報告書に引用出来る様なヒアリングをした事は無い。

 兎に角タンク貯蔵を続ける事に付いては、出来ない理由を並べ立てて居ると云う印象を受ける。しかしその殆どは法的な手続きなので粛々と進めれば好いだけだ。法的手続きを除くと、必要なのは周辺住民や関係自治体との事前協議だけに為る。

 以上の様な理由で、タンク貯蔵の継続を否定して居る。では海洋放出はどうなのか。ALPS小委の報告書では「処分開始の時期や処分期間に付いては(中略)関係者の意見を聴取し、政府が責任を持って決定すべき」と書いて居るだけだ。
 詰り海に流す為には、タンク貯蔵を続ける場合の様な関係者の事前協議や自治体の理解は不要と云う事だ。何故コンな認識の違いが生まれるのか理由の明示は無い。結局、タンク貯蔵に比べると海洋放出の方が簡単だと言って居るに過ぎない。しかも「政府が決定」すれば好いので、誰の理解も必要無いと読める。

 この事を、ALPS小委の終了後に、福島大学食農学類の小山良太教授に聞くと次の様に話した。
 
 「実際、そう。東電や環境省や復興庁と調整をするよりも、或いは今の政府の大臣を説得しないといけ無いので、それを遣る位なら、弱い漁業者を納得させた方が早いと云う結論ですよ。簡単だって言う事なんですよ。もし漁業者と決裂しても放出は遣れるから。でも環境省等とは決裂したら遣れ無い。そう云う事だと思います」

 福島県漁連を初め、漁業関係者は海洋放出に強く反対して居る。2020年2月19日にいわき市で開催された経産省の廃炉・汚染水対策福島評議会で、福島県漁連の野崎哲会長は「報告書は具体的な施策を盛り込んで居ない。コレでは漁業者は納得出来ない」等と話して明確に反対をした。(2020年2月20日付河北新報)
 政府は、こうした漁業者の意見を踏み潰して海洋放出するのだろうか。



 





 合理性の無い40年廃炉を前提に 海に流そうとするエネ庁

 ここ迄来たら、廃炉の欺瞞性に付いても触れて置きたい。ALPS小委の報告書が大前提にして居る条件が一つある。次の一文だ。

 「大原則として、福島の復興と廃炉を両輪として進めて行く事が重要であり、廃止措置が終了する際には、ALPS 処理水に付いても、廃炉作業の一環として処分を終えて居る事が必要である。従って、貯蔵継続は廃止措置終了迄の期間内で検討する事が適当である」

 勿論、そう為れば言う事は無いが、現実には、中長期ロードマップの計画は年々後ろ倒しに為って居る。ちなみに東電は2019年1月に、2号機の原子炉建屋の地下から汚染水を採取しα核種等の分析をすると説明して居たが、1年以上経っても出来て居ない。
 分析すべき汚染水は今でも福島第一の敷地に有ると会見で説明があった。数グラムの水の分析に1年掛かるのに、どう遣って燃料デブリを取り出す為の性状分析をするのだろうか。

 ALPS小委報告書では、タンクのトリチウム水の処分を廃止措置終了迄に終えるとして居るが、廃止措置計画は未だ影も形も見え無い。ソモソモ廃止措置計画が策定出来るのかどうかも判らない。計画策定の為には核物質の処分場所を明記する必要が有るが、燃料デブリを何処に持って行くと云うのだろう。
 廃止措置計画も策定出来ず、廃止措置の終了形を描く事が出来ないのなら、汚染水の処分を急いで決める事は無いのではないか。報告書にも「処分の開始時期が遅ければ遅い方が、世の中の関心が小さく為り報道量も減り、風評への影響は少なく為る」と書かれて居るのだ。

 それにも関わらず、タンクの汚染水の処分だけを先に進め様として居るのは何故なのか。ALPS小委終了後、事務方の責任者である経産省の福島第一原発事故廃炉・汚染水対策官の奥田修司氏は記者レクの中で以下の様に答えた。

 ・・・廃止措置は30〜40年と云うが、委員の中には更地にすると云う共通認識が在った。一方で政府は更地にするか決めて居ない。何故トリチウム水だけを先に処分し無ければいけ無いのか、報告書には書かれて居ない。

 奥田対策官 廃止措置終了時には全てが処分されて居ないといけ無いが、処分されてる状態がどう云うものかはこれから検討し無ければいけ無い。処分し無ければいけ無いのは全て同じだが、処分の遣り方や処分の方法を見定めるコトが出来るものは検討を進めるべきと思う。
 特に処理水の問題は、廃炉が終わる迄に全部を片付けると云う事かも知れないが、今後廃炉作業の進捗に影響して来る可能性も有るので、早く検討して居ると認識して居る。


 ・・・それなら、廃止措置計画が出てから遣っても遅く無いのではないか。廃止措置計画の中でコレも決める事は考えられないのか。

 奥田対策官 先送りして廃止措置計画が出てからと云う事もあるかも知れないが、問題を先送りする必要は無いし、早く検討出来るものは検討して行く方が好いと言う事だと思う。

 福島県浜通りの将来像に大きな影響を及ぼす廃止措置計画や廃炉の定義の明確化を先送りにしながら、何故トリチウム水の処分を急ぐのかに突いて、説明は無かった。

 3年間のALPS小委の議論は エネ庁の責任回避か?

 そして報告書の結論から感じたのは、これならALPS小委を遣ら無くても好かったのでは無いかと云う事だ。この内容なら、ALPS小委が始まった2016年11月にエネ庁の官僚が書けたのでは無いかと思う。実の処、ALPS小委が終わった後、何人かの委員も同じ感想を口にして居た。

 ではエネ庁が単独で方針を出す場合と、審議会を経る場合で何が違うのか。最大の違いは、見掛け上の責任所在だろう。この3年間のALPS小委は、処分方針を決めたのはエネ庁では有りませんよと云う様式を形作る為だったのではないかと考えると腑に落ちる。
 こうした審議会の報告書は、基本的に事務局が作文をして委員会の了承を得る。だから全体構成を委員会で作り上げる事はホボ無い。委員会は、上がって来た報告書の文言を少し修正する位が限度で、構成をヒックリ返す事はホボ無いと言って好い。

 今回の場合も、エネ庁が昨年12月の会合で提示した取り纏め案に対して委員から批判が相次いだ際、事務局を担うエネ庁電力・ガス事業部原子力発電所事故収束対応室の奥田修司廃炉・汚染水対策官は、記者レクの際に「ゼロベースで(委員会で)相談して行きたい」と発言して居た。しかし、その後の会合で出て来た構成に殆ど変化は無かった。
 審議会の結論が、委員より官僚の意思を反映して居る処に、日本の審議会制度の問題が有ると改めて感じる。

 梶山弘志経産相は3月17日の大臣会見で、4月6日から方針を決める為の意見聴取を始める事を発表した。梶山大臣は記者の質問に「スケジュール有りきでは無い」と回答して居る。しかしタンクは2022年に満杯に為るので、スケジュール有りきでは無いと云っても時間は限られて居る。東電は、何か突発的な緊急事態が起き無い限り、今以上にタンクを増設する意思は無い。
 こう為ると最大の懸念は、時間切れを理由に海洋放出を強行する事だ。何しろALPS小委の報告書は、政府が独善的に海洋放出を決定する事を否定して居ないのだ。

 残された時間の中で、政府は何処まで合理性の有る説明をするのか。報告書に残されて居る疑問にはどう答えるのか。意思決定の経緯は公開されるのか。ソモソモ何故タンク保管より海洋放出の方が合理的なのか。注意深く政府の振る舞いを見て行く必要がある。


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 フリーランスライター 木野龍逸 編集プロダクション・オーストラリアの邦人向けフリーペーパー編集部等を経て独立 1990年代半ばから自動車に関する環境・エネルギー問題を中心に取材し カーグラフィックや日経トレンディ他に寄稿 技術的・文化的・経済的・環境的側面から自動車社会を俯瞰して来た
 福島の原発事故発生以後は 事故収束作業や避難者の状況等を中心に取材中 避難指示解除の問題点・廃炉の現状・放射線の健康影響等に付いてニコニコチャンネル等でメルマガ「ニッポン・リークス」を配信 著作に「検証 福島原発事故・記者会見3〜欺瞞の連鎖」(岩波書店)等


                    以上



 



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五輪組織委が通常開催の代替策を検討 延期判断に備え 関係筋




 




 五輪組織委が 通常開催の代替策を検討
 
 延期判断に備え 関係筋


       〜ロイター 白木真紀 Ju-min Park 3/22(日) 18:52配信〜


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       写真は3月11日 東京で撮影(2020年 ロイター Issei Kato)

 [東京 22日 ロイター]新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で今夏に予定して居る東京オリンピック・パラリンピックの通常開催が危ぶまれる中、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(五輪組織委)が通常開催出来無い場合に備えて代替案の策定を進めて居る事が分かった。 組織委内の議論に詳しい関係者2人が明らかにした。

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         国際オリンピック委員会・IOCのトーマス・バッハ会長

 開催に最終的な決定権を持つ国際オリンピック委員会・IOCのトーマス・バッハ会長は、現時点では通常開催する方針を変えては居ないが、米紙とのインタビューで、開催延期を判断するのは時期尚早とした上で「勿論異なるシナリオも検討して居る」と述べて居る。IOCでは通常開催に付いて3月下旬に改めて議論する見通しだ。
 ロイターの取材に依ると、組織委では3月に入って、通常開催出来ない場合に備えた代替案の検討に着手。同関係者の1人はロイターに対し「組織委で、延期する場合のシミュレーション・費用の試算が既に始まって居る」とし、別の関係者は「1年か2年の延期に付いて水面下で話し合って居る」と語った。
 組織委では延期の期間だけで無く、大会の規模縮小や無観客での開催等、実施方法に付いても選択肢を検討して居ると云う。

 東京五輪を巡っては、安倍晋三首相が16日の主要7カ国首脳とのテレビ電話会議で「完全な形」での開催を目指す方針を表明。菅義偉官房長官は18日の衆議院内閣委員会で「延期とかそう云う調整は全く行って居ない」と述べ、予定通りの開催に向け準備を進める考えを改めて示した。
 只、世界各国が新型コロナの猛威に晒される中、既に多くの世界的なスポーツイベントが延期や中止を余儀無くされて居る。トップアスリート等やノルウェー・オリンピック委員会・米国水泳連盟等海外のスポーツ団体等も選手の健康が危ぶまれるとしてIOCに東京五輪の延期を要請して居る。

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                  JOC理事の山口香氏

 日本オリンピック委員会・JOC理事の山口香氏(ソウル五輪女子柔道銅メダリスト)は先週、五輪に参加する選手が新型コロナ問題で十分に練習出来て居ない事等を理由に「開催を延期すべきである」と発言。
 組織委の上級メンバー2人も「延期の決定が遅く為れば為る程、より多くの準備が必要に為り、アラユルキャンセル料が嵩(かさ)む」として、延期の決定を急ぐべきとの考えを示した。

 しかし、開催延期と為れば、放映権契約の見直しが必要に為る他、参加選手の選考に付いて公平性をどう確保するのか、等様々な課題も生じる。既に来夏には水泳や陸上等の世界大会開催も計画されて居る。東京五輪は元より、2024年パリ五輪のスポンサー企業のマーケティング活動にも影響が及び兼ね無い。
 東京五輪の国内スポンサー企業の契約総額は、パラリンピックも含め過去最高額の30億ドル・ 3,300億円超と為って居り、開催準備の為の予算は120億ドル・1兆3,500億円余りに上る。通常開催の変更により、こうした巨額の契約や予算が変更を迫られる懸念がある。

 トヨタ自動車<7203.T>やパナソニック<6752.T>等、東京五輪スポンサー企業も対応に苦慮して居る。スポンサー企業の1社である日本航空<9201.T>の社員に依れば、最近参加した社内の電話会議で「東京五輪が予定通りに開催され無い可能性が80%ある」との指摘が在ったと云う。只、日航の広報担当者は「予定通りの開催に備えて準備して居る」とコメントして居る。


 取材協力 新田祐貴・安藤律子・山崎牧子・田実直美・竹本能文・木原麗花・宮崎亜巳・David Dolan・ Tim Kelly・Kane Wu・Ran Chang-Kim and Antoni Slodkowski     以上











 ドイツ選手・出場辞退表明 フェンシング「練習出来ない」 東京五輪

               〜時事通信 3/22(日) 23:28配信〜

 【ロンドン時事】新型コロナウイルスの感染拡大により開催が危ぶまれて居る東京五輪に付いて、フェンシング男子でドイツ代表入りを決めて居るマックス・ハルトゥング(30)が、予定通り7月24日に開幕する場合は出場を辞退すると明らかにした。

 22日に放送されたドイツのテレビ番組で「練習が出来ず(五輪に)照準を合わせる事が出来ない」と悩みを打ち明け、辞退を決めた事には「胸が張り裂けそうな思い」と語った。
 ドイツ・オリンピック委員会のスポークスマンによると、21日に200人近い選手と幹部による臨時電話会議が開かれ、ハルトゥングだけが五輪の出場辞退を表明した。同選手は新型コロナウイルスの感染が疑われる人物と接触した為、自主隔離の状態にあると云う。ハルトゥングは2012年ロンドン、2016年リオデジャネイロ両五輪に出場。2014年世界選手権サーブル団体で金メダルを獲得した。


                   以上










 コラム 新型コロナの裏で拡大する情報戦 国際関係に新たな緊張

         〜ロンドン Peter Apps 2020年3月21日 08:20 3時間前更新〜

 [ロンドン 16日 ロイター] 新型コロナウイルスが猛威を振るうイランで5日、革命防衛隊のサラミ新司令官は「生物学的な戦いの最中に有る」と表明した。司令官がイラン学生通信に語った処によると、新型ウイルスは「米国の生物的(な攻撃の)産物の可能性が有り、最初に中国で、それから世界各地に広がった」

 渡航禁止や国家による隔離措置は、誰も想像出来なかった速度で世界各地に広がったが、時に陰険、そしてアカラサマナ偽の情報も同じ様に広がった。米国務省は13日、中国の駐米大使を呼び、前日の中国外務省副報道局長の発言に抗議した。
 副報道局長は、感染症は米軍のチームが湖北省武漢市に、軍事ゲームコンテストの一環として持ち込んだ可能性があると発言して居た。

 <中国とロシアの動き>

 中国側のこうした発言は、ウイルスは中国国外で発生したものだと示唆し、西側諸国夫々の国内対応を侮辱する戦略の一環にも見える。中国政府は今や、国内の流行は概ね制御されたと公言して居り、海外諸国への支援の提供を極めて公然と盛大に申し出て居る。
 人民日報系列の環球時報は、先週末一面記事で特に米・英・スウェーデンの新型ウイルス対応を厳しく批判した。中国は今では、海外からの渡航者に隔離措置を新たに課して居る。

 中国の動きは概ね自国民向けに見えるが、ロシアの場合は国際的な聴衆向けに話を形作ろうとする独自の試みを強めて居る様子が明らかだ。欧州連合・EUの虚偽情報監視機関「EUディスインフォ」によると、ロシアと繋がりの有るソーシャルメディアはココ数週間、偽情報を盛んに流して居る。ローマ教皇や映画スターのジャッキー・チェン氏等の人物が感染したと云う噂などだ。
 先週末に「ロシア・トゥデイ」のニュースサイトで最も読まれたのは、間も無く実施される米国主導の北大西洋条約機構・NATOの欧州軍事演習「ディフェンダー・ヨーロッパ2020」が大幅縮小されると云う内容で、米軍が感染リスクを敬遠して居ると嘲笑うものだった。

 <西側諸国に隙>

 既に新型ウイルスへの警告が世界中に鳴り響く中で、国際世論に影響を与え様とするこうした取り組みが実際にどの位効果が有るのか疑問がある。既にインターネット上には大量のものが可成り出回って居るが、こうした胡散臭い情報は恐らく自然発生したものだ。
 それでも、西側勢力の足並みの乱れが隙を与えて居る。新型ウイルスに対する国際的な対応はバラバラで、この数日、各国政府は国境を閉鎖するか・封鎖措置を取るか・或いはもう少し緩めの措置にするかに付いて、概ね自分達夫々の手で決めて来た様に見える。

 英国等、他国より対応が積極的で無いと見做された国では、ソーシャルメディアやニュース報道で猛烈な批判コメントが飛び交った。政府当局者がテレビ等を通じ、対応措置を判り易く説明しようとしたにも関わらずだ。
 イタリアの当局者がEUから支援が無いと批判すると、中国は先週、マスクや医療機器や医療専門家をイタリアに至急送ると発表した。中国の小売り大手アリババの創業者で富豪の馬雲(ジャック・マー)氏は更に上手で、米国にマスク100万枚ウイルス検査キット50万個を個人的に寄付すると約束した。

 <見たく無い現実>

 無論、此処には欧州や米国が直視したく無い現実が存在する。少なくとも今の処、特に中国と韓国は主に検査と封じ込めの強化を通じて国内の流行を何とか制御した様に見える。対照的に欧米は、取り分け検査実施に苦労して居り、イランを除けば世界で最も状況が深刻に見える。
 政府当局者も含め、新型ウイルスにより多くの人が死亡して居り、こうした苛烈さ故に、イランによる米国への責任転嫁も驚くには値しない。それよりハッキリし無いのは、新型ウイルスが切っ掛けでイランの対米的な緊張が緩和するのか高まるのか、更にイラン指導部内の権力闘争がドレ程、イラン内での足並みを揃えるのに影響するかと云う事だ。

 イランでは先週、革命防衛隊の高官が新型コロナで死亡した。高官は、イエメンの反政府武装組織フーシ派にサウジアラビアの石油タンカー攻撃を唆(そそのか)した事で称賛された人物だ。イラン国内で新型コロナそのものが可成りの混乱を引き起こして居るのは想像に難く無い。
 しかし、モッと大きな問題は、各国政府が今後数週間でどの位協調し結束を大きく示せるかだ。EU内ではその兆しが出て居る。

 欧州委員会は先週末、防護用品を増産し、それを域外にも輸出するとの取り組みを発表した。世界の指導者等も電話会議に動く見通しだ。金融危機的な状況が余りの規模に為って居る事も各国の協調を呼ぶ可能性があり、それは世界の中銀による金融市場の不安沈静化の為の協調行動でも明らかに為って居る。
 しかし、そう為ら無ければ逆の事が起きるかも知れない。ドイツのメディアが週末に報じたのは、新型ウイルスのワクチン開発を進めるドイツ企業をトランプ米大統領が米国に誘致しようとし、ワクチンの米国独占を狙って居る為、米独両政府が諍いをして居ると云う内容だった。 こうした情報コソ、西側諸国の敵対者が自分達の優位を強めるのに用いるものでは無いか。


 筆者はロイターのコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれて居ます

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「何故このネタを出さ無いんですか!」森友問題 遺書スクープ記者が NHKを見限った瞬間



   NHKの報道姿勢 安倍政権の体質を問う

  「何故このネタを出さ無いんですか!」

   森友問題 遺書スクープ記者が NHKを見限った瞬間


           〜文春オンライン 相澤 冬樹 3/22(日) 8:00配信〜


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            自殺した財務省職員の自宅PCに遺されたA4で7枚の「手記」


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 〜「週刊文春」3月26日号 に掲載された「森友自殺〈財務省〉職員遺書全文公開 『すべて佐川局長の指示です』」が大きな反響を呼んで居る。
 このスクープ、全ての始まりは取材・執筆した大阪日日新聞記者・相澤冬樹氏がNHKを辞め、自殺した財務省職員の妻と面会した事だった。相澤氏がNHKを辞める切っ掛けを明かした「週刊文春」2018年12月20日号掲載の「独占手記」を全文公開する。
 相澤氏は「 安倍官邸 vs. NHK   森友事件をスクープした私が辞めた理由 」(文藝春秋)の著者。記事中の年齢や日付、肩書き等は掲載時のもの〜


 「私は聞いて無い。何故出したんだ」

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 電話の向こうで激怒する声が響く。声の主は、全国のNHKの報道部門を束ねる小池英夫報道局長。電話を受けて居るのはNHK大阪放送局のA報道部長だ。
 私は偶々A部長の傍に居た為、電話の内容を知る事に為った。「何故出したのか」と問われて居るのは、私が報じた森友事件の特ダネ。近畿財務局が、森友学園に国有地を売却する前に、学園が支払える上限額を事前に聞き出して居たと云うニュースだ。
 処が、その特ダネに報道局長が激怒して居ると云う。何故か。NHK報道局で広く知られた言葉がある。「Kアラート」だ。Kは小池局長の頭文字。小池局長がニュースの内容に細かく指示を出して来る事を指す。

 「又官邸から何か言われたに違い無い」
 
 Kアラートが出る度に、報道局内ではそう囁かれて居る。政治部畑を歩み政治部長も経験した小池局長。安倍官邸中枢に太いパイプが有るのは知られた処だ。Kアラートが出たと云う事は、この特ダネは官邸が嫌がるニュースだったのだろうか。
 小池局長との電話が終わった後、A部長は苦笑し乍ら私に言った。「貴方の将来は無いと思えと言われちゃいました」その瞬間、ソレは私の事だと悟った。翌年6月の人事で私は記者を外され考査部へ異動する。そして今年8月末、NHKを辞める事にした・・・

 原稿から削られた昭恵夫人の部分

 NHK大阪報道部の司法担当記者だった私は、発覚時から森友事件を追い続けて来た。その間、感じて来たのは、事実を有るがママに報じようとし無いNHKの姿勢だ。

 森友事件が公に為ったのは昨年2月8日、木村真豊中市議に依る記者会見だった。学園の小学校用地として売却された国有地の金額に付いて情報公開請求をしたのに、開示され無いのは不当だと訴えたのだ。

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 だが、私が最も驚いたのは、小学校の名誉校長に安倍昭恵首相夫人が就任して居た事。ソレがこのニュースの最大のポイントだろう。だから私は原稿に昭恵氏の事を書き、本文でも事実として明記した。処が、デスクの判断でコノ部分が削られてしまう。

 それでも関西では、当日夕方の報道番組でこのニュースが報じられたから未だ好かった。私はこの原稿を「全中(全国ニュース)に送るべき」と進言したが、東京には送られ無かった。昭恵氏の名誉校長就任が核心なのに、それ故に放送を躊躇(ためら)ったとしか思え無い。
 その2日後の事だ。鑑定価格9億5600万円だった国有地が約8億2000万円も値引きされ1億3400万円で売却されて居たと云う驚きの事実が判明する。だが、この「8億円値引き」も放送は関西のみ。全国放送は報じ無い・・・NHKの森友報道は忖度で始まったのだった。



 





 特ダネも書き換えられて行く

 それから1カ月余りが経った頃、取材を進める私は耳を疑う情報に接した。「国有地の売却前に、近畿財務局は学園側との売却交渉の過程で、学園が幾らまでなら出せるのか聞き出して居る。そして実際にその金額以下で売って居る」事実なら背任の可能性を強く窺わせる話だ。一本筋の情報では書け無い。2カ月以上取材を重ね、要約事実の確認が出来た。
 処が、報道には大きな壁があった。4月に就任したばかりの小池報道局長。6月中は「国会中は局長のOKが出ない」7月に入っても「局長を説得するのが難しい」そんな状況が暫く続いた。

 最後は「大阪地検特捜部もコノ情報を把握して捜査して居る」と云う要素を付け足す事にした。小池氏を説得するには、検察当局も把握して居る事実だと云う事に触れる必要が有ると聞いたからだ。そして昨年7月26日夜の「ニュース7」で、背任の実態に迫る特ダネを報じた。要約すると以下の様な内容だった。

 「財務局の担当者が購入出来る金額の上限を尋ねた処、学園側は約1億6000万円と答えた。一方、財務局側は、土地の土壌改良工事で国が約1億3200万円を負担予定で、コレを上回る価格で無ければ売れ無いと事情を説明した。
 その後財務局は、ゴミの撤去費の見積もりを大阪航空局に依頼すると云う異例の対応を取り値引き額を約8億2000万円と決めた。結果、売却額は1億3400万円と為り、財務局と学園が示した金額の範囲内に収まる形と為った」


 異変が起きたのはその夜の事だ。冒頭で記した様に小池氏が激怒したのだ。実はこのネタは、大阪報道部を通さず東京社会部から出したものでA部長は直接関知して居ない。だが、A氏も政治部出身で初任地は同じ鳥取。
 昔からの後輩で文句を言い易いのだろう。最後に電話を切ったA氏が言った一言が「貴方の将来は無いと思えと言われちゃいました」と云うものだった。

 このネタは翌朝用に続報が準備されて居た。だが小池氏の怒りを受け、何度も書き直され意味合いを弱められてしまう。翌朝の「おはよう日本」のオーダー(放送順)も、後ろの方へ下げられた。こうして忖度報道は本格化して行ったのだ。

 口裏合わせのスクープが・・・

 暫く世間の注目から逸れて居た森友事件だったが、今年3月2日、朝日新聞が朝刊で「財務省が公文書書き換え」と云う特ダネを報じたのを機に、再び大きくクローズアップされる。
 NHKも動く。パラリンピックで休止中だった「クローズアップ現代+」(夜10時〜)が4月2日に再開されるのを受け、4日のクロ現で森友事件を取り上げる事が決まったのだ。何か新ネタが欲しい。ソコで私が掴んだのが・・・昨年2月、事件発覚直後に財務省が直接、学園側に「トラック何千台もゴミを搬出した事にして欲しい」と電話を掛けて居たと云う事実である。

 詰り、財務省の方が口裏合わせを学園側に求めて居たと云う話だ。改ざん同様、行政のルールを歪めた行為と言って好い。私は東京の社会部デスクの助言に従い、このネタを大阪のデスクそして報道部ナンバー2のS統括に伝えずに進める事にした。S氏からA部長、そして小池局長へと伝わり介入される心配があるからだ。
 口裏合わせの電話を掛けて居たのは、財務省理財局のZ課長補佐(当時)私は或る日の朝、自宅近くで彼に接触を図った。 「記者さんですか。何も言えませんよ」そう答えるのは無理も無い。そこで「私が喋りますから」と一方的に話を続けた。Z氏の人となり仕事振り・・・会話の感触が良く為って来た処で、用意した質問を繰り出した。

 記者の問い掛けにヤッと頷いたZ氏

 ・・・Zさんは、昨年2月20日に籠池泰典理事長に雲隠れを指示する電話を掛けたと言われて居ますが、そう云う電話はしてませんよね。
 
 籠池氏はこの頃、自宅を離れ京都のホテルに滞在して居る。本人は「Z氏に雲隠れを指示された」と話すが実際は違う。「雲隠れ」に近い発言を探せば、その3日前の2月17日に遡(さかのぼ)る。
 安倍晋三首相が国会で「私や妻が(売却に)関係して居たと云う事に為れば、総理も国会議員も辞める」と答弁した日だ。コレを受け、近畿財務局のI氏が「マスコミが押し掛けて来て大変な事に為ります。ホテルにでも避難した方が好いんじゃ無いですか」と云う旨の話を学園側にして居る。

 一方、Z氏も「対応は顧問弁護士に一本化し、籠池氏は対外的に発言し無いで欲しい」旨の電話をして居る。弁護士から籠池氏にコノ話が伝わる過程で「雲隠れ指示」と受け止めた可能性が在る。その事は恐らく記者では、私だけが気付いて居た。私の問い掛けに、Z氏はヤッと頷いた。

 ・・・でも、別の電話をして居ますよね。同じ日に。「トラック何千台でゴミを搬出したと言って欲しい」と云う電話。 「知ってるんだ・・・」
 ・・・Zさんはアノ日、その事をメールで省内の複数の人に報告したでしょう。電話をしたけどダメだったと云う事を報告して居る。 「なるほどね」
 ・・・でも、私はZさんが自分からこう云う事をしたとは思え無い。上司の指示が在った訳でしょう。中村稔総務課長(当時)ですね。「自分の判断で遣りました・・・課長補佐だからね」 
 ・・・学園側に電話をしたのが2月20日の月曜日ですよね。それは当然、その前が有る訳ですよね。 「苦笑して答えず」
 ・・・土日を挟んで、金曜日。2月17日に安倍首相が「関係して居たら総理も議員も辞めます」と言ってますよね。アレが大きかったんじゃないんですか? 「(地下通路の途中で立ち止まって笑顔で)そう思われるよね・・・ソコは捜査を受ける身なので、答えを控える、と云う事に」
 
 確認としてはもう充分だろう、私達は和やかに別れたのだった。取材結果を報告した処、翌4月4日のクロ現の放送に先立ちニュース7でも取り上げる事が決まる。私は3日夜、Z氏に翌日のニュースで報じる事を伝えたが、動揺した様子も無く何も言う事は無かった。
 上司はZ氏に明確に指示はし無かったかも知れない。だが、彼が忖度して遣らざるを得ない状況に在ったのでは無いだろうか。









 「何故このネタを出さ無いんですか!」

 こうして「口裏合わせ」のネタは日の目を見る事に為った筈だった。処が4日夕方に為って、社会部デスクから電話が入る。

 「放送出来無いかも知れません。民進党のO氏が『今日NHKが森友の特ダネを出すから見ろ』と言い回ってるらしいんです。その事が政治部を通して報道局長に伝わって、局長が『野党に情報が漏れて居る』と激怒して居るんですよ」

 又小池氏か・・・私がO氏に漏らしたとでも思って居るのだろうか。だがニュース7の放送迄残り10分と云う時間に為って再びデスクから電話があった。 「ニュース7には出ます」私は心底ホッとした。だが、その後に続くデスクの言葉に衝撃を受けた。
 「クロ現にこのネタは入りません。O氏が『ニュース7にもクロ現にも出る』と言って居たので、報道局長が『野党議員の言うママに放送出来るか!』と」
 
 私は、クロ現に新ネタを出したいと云う一心でここ迄取材して来た。なのに、クロ現に出ない? 担当記者・ディレクターが集まる編集室で私は荒れた。「何故このネタを出さ無いんですか!」誰も反論出来ない、と思いきや大阪のS統括が反論して来た。「私達はそんな事聞いて居ませんよ。出さ無いと云うのは決定事項です」・・・貴方が信用出来ないから言わ無かったのだ。

 結局「口裏合わせ」のネタは出た。だが、ニュース7の最後の項目。特ダネにも関わらず、その日の暑さのニュースよりサリ気無く目立た無い形で。私は憤懣遣る方無かったが、ウオッチ9では分厚く取り上げて呉れた、それで満足するしか無い。そして或る予感がしたのだった。 「イヨイヨ、次の人事では何かあるな」
 4月に入り、焦点は特捜部の捜査の行方に移って行く。検察幹部にも最後迄立件の道を探る気概を見せる人が居た。起訴か不起訴か未だ分から無いと云うのが4月半ば時点の私の判断だった。だが5月半ばには、起訴が厳しいと云う雰囲気に変わって来る。

 私が「記者を外す」と云う内々示を受けたのは捜査を巡る取材合戦の最中の5月14日の事だった。大阪放送局最上階にある局長応接室。私はA報道部長からこう告げられた。「次の異動で考査部へ行って頂きます」
 記者を外される・・・私の心は決まった。5月31日〈森友事件で財務省関係者全員を不起訴 大阪地検特捜部〉と云う短い一報原稿を出し、その日の関西向けニュースで、スタジオ解説を行ってNHK記者としての仕事を終えた。


    3-22-12.png 小池局長 

 8月29日、私はNHK放送センターの報道局長室を退職の挨拶に訪ねた。 「記念写真を撮影しても宜しいでしょうか」 そう声を掛けると小池氏は快く応じて呉れた。悪意の有る人では無いと思う。只、細か過ぎる。
 現場に余りに細かく口出しするから、Kアラートと揶揄される。それは揶揄に留まらずNHKの報道を蝕んで居るのではないか・・・週刊文春編集部がNHKに取材を申し込んだ処 「報道局長の意向で報道内容を恣意的に歪めた事実は有りません」と云う回答だった。

 文書改ざんは日曜日に始まった

 NHKを辞めた私は大阪日日新聞記者として、再び森友事件の取材を始めた。ズッと頭に残って居たのが、今年3月7日に自ら命を絶った近畿財務局の上席国有財産管理官・Bさんの存在だ。彼は何故、どの様に改ざんに関わったのか。財務省の調査報告書や関係者への取材を通じて、見えて来た新事実がある。

 前述した様に、安倍首相が「私や妻が関係して居れば、総理を辞める」と答弁したのは昨年2月17日。その3日後の20日に行われたのが財務省による「口裏合わせ」だ。
 そして24日、佐川宣寿理財局長(当時)「保管期間が一年未満なので面会記録は廃棄した」と答弁。一方で、理財局の中村総務課長に対し、残って居る記録が在ったら廃棄する様指示して居る。この中村氏が実際に改ざんの陣頭指揮を執った人物だ。夏の人事で大臣官房の筆頭参事官に就任して居る。

 近畿財務局による文書改ざんが始まるのは2日後の26日。日曜日にも関わらず、本省理財局が近畿財務局の担当者に出勤を求めて居る。首相答弁や局長答弁に余程慌てたのだろう。ドノ公文書の何処をどう書き換えるのか事細かく指示が出された。
 実は今迄報じられて居ないが、この日の夕方に呼び出された一人がBさんだった。近畿財務局には、3月7日にも「書き換え案」と云う形で改ざんの指示が届く。本省の中村課長等から指示を受けた財務局の管財部長が、Bさんに伝えたと云う流れだ。最初は小幅な書き換えだったが、翌8日に掛け、更に追加の書き換え指示が来る。

 上席と云うポジションは、本省からの指示と現場の摺り合わせが求められる役職だ。だが、Bさんは「これは可笑しい」と意見するタイプだった。一方で経験豊富で仕事振りには上司からも一目置かれて居た。そんなBさん故に、改ざんと云う不正に手を染める事が許せ無かったのだろう。
 財務省の調査報告書には「配下職員」と云う表現でBさん達が改ざんに抵抗した姿が記載されて居た。

 〈近畿財務局の統括国有財産管理官の配下職員は、ソモソモ改ざんを行う事への強い抵抗感が在った事もあり、本省理財局からのコノ度重なる指示に強く反発し、平成29年3月8日迄に管財部長に相談した〉

 だが、結果は「書き換えは必要」と変わら無かった。Bさんはコレ以降、次第に体調を崩し、夏の人事での担当替えを強く希望して居たが適わず、休職に追い込まれてしまう。そして今年3月7日、朝日新聞が改ざん疑惑を報じてから5日後、苦悩の末に自ら命を絶つ事に為る。

 何故国有地は格安で売却されたのか。その謎は解明されて居ないし、誰も責任を取って居ない。小学校を無理に認可しようとしたのは大阪府だ。国と大阪府は何故そこ迄してこの小学校を設立させたかったのか。森友事件は森友学園の事件では無い。国と大阪府の事件だ。
 国の最高責任者は安倍首相、大阪府の最高責任者は松井一郎府知事。2人は説明責任を果たしたと言えるだろうか。2人が説明し無いなら、記者が真相を取材するしか無い。私がNHKを辞めた最大の目的は、この残された謎を全て解明する事だ。


       相澤 冬樹 週刊文春 2018年12月20日号   以上








時計修理の千年堂でオーバーホール






日本の思想は ドンな問題と向き合って来たか? 『日本思想史』著者が語る 王権と神仏で捉え直す通史  




  日本の思想は ドンな問題と向き合って来たか?
 
 『日本思想史』著者が語る 王権と神仏で捉え直す通史


               〜リアルサウンド 3/21(土) 18:10配信〜

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                 『日本思想史』末木文美士 著


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                仏教学者の末木文美士氏

 〜日本では古代から現代迄、夫々の時代に課題や問題が有り、それに向き合い生き方を模索して来た。1月21日に刊行された『日本思想史』(岩波書店)は「王権」「神仏」と云う二極構造から、日本の思想の道筋を捉え直したものだ。
 今回、著者である仏教学者の末木文美士氏に執筆に至った経緯から、通史を振り返るに当たって参考に為る思想書を紹介して貰った〜


 夫々の時代の問題意識は共通して居た

 ・・・本書『日本思想史』執筆の理由を改めて教えてください。

 仏教学者の末木文美士氏  

 私自身、元々日本の思想に対する哲学的な関心、或いは宗教への関心から出発して居るのですが、そうすると海外から輸入した概念が必ずしも通用しない場合が多いんです。哲学や宗教と云う言葉にしても、英語を翻訳する際に生まれたもので、日本のソレとは違う本来的な意味やイメージが有ります。
 詰り日本には独自の思想の流れが有り、仏教でアレ儒教でアレ、ヨーロッパ的な概念で切り取る事は非常に難しい。ヨーロッパ的な学問から見ると、日本人のものの考え方は非合理的で、何でもカンでもゴッチャニ為って居ると見られ勝ちなのですが、その中に茂吉んとした流れが有り、その時代の問題意識が在った訳です。
 只、それを今有る図式の中で考え様とすると、ナカナカ難しい処が有るので、大きな一つの流れとしてマトメ様と試みたのが本書です。

 ・・・仏教や儒教等に有った個別の流れを、より大きな枠組みで捉え直すイメージでしょうか。

 そうですね。仏教を初め、日本には色々な思想が有りますが、それ等はバラバラで統一性が有るとは考えられて居ない。確かに、例えば江戸時代頃のものを読めば、仏教は仏教独自の概念を使って話を進めて居て、一方で儒教は儒教の筋道で話をして居る為、一見するとお互い共通するものが無い様に見える。しかし、夫々の時代の問題意識は共通して居たのではないかと思います。

 ・・・現代に置き換えると判り易いかも知れません。仏教もキリスト教も、夫々別個に存在しつつも、同時代的な問題意識は間違い無く共通して居ます。

 正にそうです。今の時代だって、仏教の人は仏教の言葉で考えるし、キリスト教の人はキリスト教の言葉で、哲学の人は哲学の筋道で考えます。
 皆バラバラですが、ソコには同時代的な問題意識の共通性が当然有る筈です。それコソ、震災の被害者の慰霊をどうするのか、或いは今だったら新型コロナの流行に対して、夫々の立場で何が言えるのか?と云う事です。
 同じ様に、夫々の時代に於いても、共通する時代的な問題意識のベースが有るのではないかと。ソコで今回、私が考えたのが王権と神仏と云う2つの極です。それを両極に置いてみると、色んな事が整理されて見えるのではないかと考えました。
 例えば中世辺りで考えると、常に天皇がどう云う状態に在るのかと云う問題があり、その後、将軍が出て来た時には天皇と如何関わるかと云う問題が有る訳です。

 ・・・所謂権力の問題ですね。

 はい。その一方で、世俗的な意味で非常に大きい権力を持ったお寺や神社が在ります。日本人の根本には、仏教や神道の世界観が強く有る訳です。簡単に言ったら「悪い事をしたら地獄に落ちる」とか「バチが当たる」とか、そう云う世界観が、人々の世俗的な活動をセーブする力として働いて居る。
 言わば、世俗に対して超世俗みたいな形で働いて来るのが神仏なんです。だから、人間の活動を制約して行く2つの大きな力として王権と神仏が両極に在り、その中に人々の文化活動や生活が有る・・・と云う構造に為って居るのではないかと。

 ・・・本書で提示されて居る大伝統の構図ですね。

 そうです。今迄の歴史観では、例えば平安時代であれば貴族の時代であり、それが鎌倉時代に為ると武士の時代に為ると云った様に、支配階層が変わる様な形で捉えられて居ました。或いは、中世は仏教の時代だけど江戸時代は儒教の時代で在ると云った様に。
 そうすると、時代によって全てがコロッと変わり一貫性が無い様に見えてしまうのですが、実際には一貫した流れが在ります。それを持続しながら人々はものを考えたり、色々な問題を扱って来たのではないかと考えると、色んな事の道筋が見え易く為ります。

 ・・・実際、王権と神仏のバランスの中で、日本の思想の流れを捉え直すと云う見立ては、非常に新鮮且つ判り易かったです。

 日本には色んな思想が夫々別個に在って、有る意味カオスの様に語られる事が海外では好くあります。例えば、日本のお弁当って海外のランチボックス等と比べると、正しく幕の内弁当的に色んなオカズが一杯入って居たりして、一見すると雑多に思える。
 でも、お弁当としてのバランスはチャンと取れて居ます。それと同じ様に、日本の思想も一見無秩序の様では有るけれど、その中での秩序や構造が在るので、ソレを読み解いて行こうとしました。只、注意し無くてはいけ無いのは、特に明治時代に為ってからは、伝統そのものの作り変えが為されて居ると云う事です。

 ・・・明治維新によって王権と神仏と云う両極が崩壊し天皇と云う存在に一元化されて行く。本書で言う処の中伝統の構造ですね。

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 はい。今、日本に住む我々が常識的に考えて居る様な物事の見方や語り口は、ホボ明治に為って作られたものです。だから、必ずしも昔からそのママの形で在る訳では無い。逆に言うと、そう云う変化の中で私達のものの考え方は作り変えられて来ました。
 それは決して明治以後が悪いと云う事では無い。権力を一元化して中央集権体制を作る事で、日本は近代化を成し遂げる事が出来たのですから。只、その経緯を冷静に見ると大伝統が中伝統へと作り変えられて居るので、それは自覚すべきかと。明治以降に作られた伝統が、恰も日本古来の伝統で有るかの様に考えるのは誤りなのです。

 「今」を捉える為には「今」だけを見てはいけ無い

 ・・・具体的に、明治以降に作られた伝統にはどの様な例が在りますか。

 例えば、神仏関係では、マルで古代から神道が在った様に思えますが、それは明治に為ってから作られた話であって、必ずしも古くから独立して在ったものでは無い。寧ろ神道と云うのは仏教の影響下で段々と形作られて来た物の考え方です。
 それコソ万世一系みたいな考え方も、古代から脈々と在って天皇が続いて来たのかと云うと決してそうでは無い。

 ・・・本書にも有る様に、天皇と云う呼称自体、途絶えて居た時代が長らく在った訳で。

 呼称処か、天皇と云う存在自体が左程問題にされ無かった時代も在った訳です。ソレが幕末の頃から国学や神道の流れの中で、段々天皇の万世一系的なものが思想として作られて行きました
 ソコをチャンと理解しないといけ無い。20世紀の終わり位迄、研究者の考え方は政治的に右か左かで立場が分かれてしまう様な処がズッとありました。詰り、右の人は万世一系みたいなものを前提とし、逆に左の人は天皇制自体を全面的に否定すると云う。両極端に為って居て、ドチラかの陣営に属さ無いと研究が出来ない様な状況でした。
 その状況が崩壊して自由に考えられる様に為ったのは、本当に此処20年位、正しく21世紀に入ってからの事です。そう云う状況の中で要約「では、どう云う構図を描けるのか?」と云う話が、色んな形で出始めて居ます。

 ・・・実際、若い世代に取って、天皇制に於ける右だの左だのと云った話は、最早余りピンと来ないかも知れません。そう云う中での、一つの試論としての新しさが本書には有る訳ですね。

 そう云う意味合いで捉えて頂ければ非常に有り難いです。コレから先、日本はどう為って行くのか、もっと言えば世界全体がどう為って行くのか・・・温暖化等の環境問題を初め、色んな問題が有る訳です。それはもう右や左と云うイデオロギーでは解決が着かない。その意味で、次の段階を考える手掛かりの一つに為ればと云う想いで書きました。

 ・・・明治以降の中伝統が崩壊した後、イヨイヨ今は小伝統の時代、詰り脱近代の思想崩壊状態に至って居るとの指摘も在りました。

 それコソ、我々が生きる今の問題です。多義的な視野も大事ですが、一つの大きな流れの中で今がどう云う時代なのかは捉えて置くべきだと思います。その際に戦後からものを考える人が結構多いですが、戦後を捉える為には、矢張り明治からの中伝統を考え無い訳にはいか無い。その中伝統は、或る時期に大きく作り変えたものなのだから、矢張りその前の事も知ら無くては為らない。「今」を捉える為には「今」だけを見て居れば好い訳では無いのです。

 更に日本の思想を読み解く為の書籍

 ・・・本書を読み終えた後、更に読むべき本等在りましたら、幾つか教えて頂けますか?

 一つは、自分の本の宣伝に為るので恐縮ですが、以前私が書いた『日本の思想をよむ』(角川書店)と云う本が今度文庫化される事に為りまして。コチラは、過去の色んなテキストの特徴を、引用等を交えて余り硬く為らない形で書いたエッセイです。一つ参考に為ると思います。
 そして原典に当たると言っても・・・特に文語で描かれた古典は、ナカナカ読むのが難しい処がありますが、中央公論社の「中公クラシックス」と云うシリーズ等は、全て現代語訳に為って居るので、非常に読み易いと思います。
 後矢張り、日本の思想と云うものを考える場合に大きいヒントと為るのは、丸山眞男さんの『日本の思想』(岩波新書)でしょう。この本は、日本人のものの考え方を、割と冷静に、その良い処も悪い処も含めて論じて居るので、未だに読む価値は十分に有ると思います。

 ・・・スタンダードな一冊であると。

 そうですね。後、最近のもので言ったら、本書の参考文献にも挙げましたが、苅部直さんの『日本思想への道案内』(NTT出版)や『日本思想史の名著30』(ちくま新書)等も、非常に参考に為ると思います。
 苅部さんは、寧ろ政治思想史から入って居る方で、宗教の方から出発した私とは言わば逆方向で、別の方向から日本の思想に光を当てて居る処があるので、私の本と読み比べて頂くと、その両面から日本の思想を捉えられる様な処が有るかも知れないです。
 後、海外の日本研究等を踏まえながら、新しい形で今の日本を見摘め直したものとしては、小林康夫さんと中島隆博さんが編まれた『日本を解き放つ』(東京大学出版会)と云う本があるので、ソチラを手に取って観るのも好いかも知れません。




    3-23-10.jpg 麦倉正樹氏

            文 構成 麦倉正樹    以上










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