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胆石症が心筋梗塞の発症リスクを高める 糖尿病や肥満よりも悪影響

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「胆石症」は、心血管疾患の発症リスクを高める――米ハーバード大学公衆衛生大学院やブリガム・アンド・ウィメンズ病院、中国の上海交通大学医学大学院、独ポツダム=レーブリュッケ栄養研究所など複数の研究機関による共同研究チームの発表だ。

「胆石」は、胆のうで胆汁がコレステロールやビリルビンなどと固まって、石状になったもので、肥満の中高齢者に多く見られるとされる。

大半は無症状だが、右わき腹の猛烈な痛みや嘔吐、発熱といった症状が現れる「胆石症」を発症することもある。

研究チームは、米国在住の看護師や医療従事者を対象とした3つの追跡調査研究「Nurses' Health Study(1980〜2008)」「Nurses' Health Study II(1991〜2001)」「Health Professionals Follow-up Study(1986〜2008)」から、26万9142人のデータを抽出。

胆石や胆石症の有無と、心血管疾患、特に狭心症や心筋梗塞などの「冠状動脈性心臓病」発症リスクの関係を分析した。

その結果、胆石症の既往歴がある人は、ない人に比べ、狭心症や心筋梗塞の発症リスクが平均23%増加していることがわかった。胆石は女性に多いとされているが、リスクの性別差はなかったという。

さらに、これまでに胆石症以外の疾患の既往歴が一切ない人と、肥満や糖尿病、高血圧などの人を比較すると、前者のほうが狭心症、心筋梗塞の発症リスクが高くなっていることも明らかになった。

なぜ胆石症が冠状動脈性心臓病の発症リスクを高めているのか、今回の研究からはわからないが、研究者らは「胆石が胆汁酸の分泌量に影響を与え、小腸や胆管の腸内細菌叢に作用し、結果として心血管疾患発症リスクにつながっているのではないか」と推測している。




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