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要注意…5日間の睡眠不足で「怒られた記憶だけ残る」うつ予備軍に

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睡眠不足の状態が続くと、昼間に眠かったり、仕事の作業能力が落ちたりする。日頃の生活から実感している方も多いはずだ。

もう1つ、睡眠不足が続くと起こりうる困ったことがある。不安感や混乱、抑うつなど、心が不安定になる状態だ。心が不安定という状態は、自分ではなかなか分からないものなのかもしれない。睡眠不足が続くことは誰にでも起こりうることだ。ぜひ知っていただきたい。

□平日5日間、睡眠不足が続くとどうなるのか
不眠症とうつ病の関係や、一晩徹夜後の気分についてなど、睡眠不足と心の状態に関する研究は数多く行われている。

しかし、現実的には働いている人の多くは平日毎日、睡眠不足という人が多いのではないか。

国立精神・神経医療研究センターの研究チームは、14人の男性に協力してもらい、睡眠不足が連続している場合と、睡眠が十分取れている場合とで、不安や抑うつの強さなどがどう違うのか実験を行った。


□睡眠不足だと怒られたことだけ覚えている
実験では14人に、5日間連続して8時間睡眠を取る期間、5日間連続して4時間睡眠に制限する期間を過ごしてもらった。それぞれの5日目に、笑っている顔、恐怖におののいている顔、普通の顔の3種類の表情の写真を見せ、その時の脳の活動状態をMRI(磁気共鳴画像装置)画像で確認した。


その結果、睡眠不足の場合は恐怖におののいている表情を見たときに、左扁桃(へんとう)体という情動と記憶に関する脳の部分の活動量が増えていることが分かった。一方、睡眠不足であっても笑っている写真に対しては扁桃体の活動量が増えるという反応は見られなかった。

この意味は、睡眠不足だとネガティブな情動刺激に対してだけ反応しやすくなるということだ。例えば、仕事で褒めてもらった部分もあったのに、怒られたことだけを気にしてしまうというようなことだ。

□5日間の睡眠不足でも抑うつのリスク大
驚くのは実験では睡眠不足だった期間はたったの5日間ということだ。1カ月間も2カ月間も続いていたわけではない。たったの5日間という短期間の睡眠不足でも、情動的な不安定な状態や抑うつのリスクが増えることが分かった。

研究チームは、若い世代に増えている抑うつ傾向や“キレやすさ”には、連日連夜の睡眠不足が関係しているのかもしれないと考えている。

睡眠不足で深夜まで毎日働く。「がんばっているね」と少し前までは日本人のビジネスマンの美徳だったのかもしれない。しかし、睡眠不足に陥っている人には、たったの5日間で、うつ病予備軍に入ってしまう可能性があるという認識をぜひ持っていただきたい。




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