2018年11月02日
中高年の朝の運動に赤信号!命まで落としかねない重大なリスクとは?
「健康」が注目される今、特に中高年世代においてはランニングやウォーキング、水泳、体操などの運動に励む人が増えているのではないだろうか。
しかしこれまでに運動経験のない人が、急に朝運動を始めるのは少し考えた方がいいかもしれない。この記事では医師が提言する、急に始める朝運動のリスクを中心に紹介していく。
□高齢になるほど、運動に対する意識が増加
文部科学省が行った体力・スポーツに関する世論調査(平成25年1月調査分)によると、「この1年間に週3日以上運動を行った割合」は世代が上がるごとに増加していることが明らかとなった。
特に60〜69歳では42.4%、70歳以上では53.6%が週3日以上の運動を行っていると回答している。それに対して20代、30代は20〜29歳が14.0%、30〜39歳に至っては12.4%であった。
特に70代以上においては、週1回以上の運動を行っていると回答したのが約80%以上であることからも運動に対する強い意欲を伺うことができる。
□医師が警告!急な朝トレーニングは危険
しかし、普段運動をしていない中高年が急に思い立ち、運動を始めていいものだろうか。また、高齢になるほど朝は早起きになるものだが、朝早くからのトレーニングは本当に良いのだろうか。
実は、朝早い時間の中高年の運動には、以下のような危険性があることを覚えておいたほうが良いだろう。
朝起きたばかりの時間は、日中よりも起床時は脱水状態で血が凝固しやすい。また、高年齢化すると血管が硬化している可能性が高いことから、心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患のリスクが上昇するのだ。
池谷医院院長で医学博士の池谷さんはこういった動きに対して次のように警告している。「最近は出勤前等に運動をしたいという人が増えてきていますが、起床したばかりの体は運動に適していないのです。そんな状態で起床1時間以内に運動を行うことは健康を損なうリスクを上げることになりかねません。日頃運動不足ならばなおのことです」
普段運動を行わない人の場合にはなおさら、適切な時間帯と知識を持って臨まないと健康を害しかねない。
□中高年のトレーニングまずはスポーツができる状態に整えよう!
「普段運動を行わない中高年はトレーニングができないのだろうか?」と思った人もいるかもしれないが、決してそういうわけではないのだ。
まずは自分の体が「運動ができる状態」であるかどうか確認することをすすめる。自分では分かりづらいことなので、ジムなどでスポーツの専門家に筋肉のつき方や体のバランスを確認してもらうと良いだろう。
こうした活動を通して、体重の変化や筋肉のつき具合といった体形的な変化を知り、現実を認識するだけでも、運動に対する取り組み方が変わってくる。
□中高年のトレーニング 「準備体操」と「無理をしない」を鉄則に
トレーニングを始める時に気をつけてほしいことは2つだ。両方とも中高年だけに限らないが、1つは「しっかりと準備体操を行うこと」だ。それによって、体に「これから運動するぞ!」という信号を送ることができる。予期せぬ怪我の防止にもつながるのだ。
もう1つは、「いきなり全力で体を動かさないこと」だ。急に行う激しい運動は体に過剰な負荷を与える場合がある。健康のために運動をはじめたのに、体を壊してしまうことになりかねない。
そのため最初はウォーキングなどいつもの動きプラスαぐらいからスタートしてみてはいかがだろうか。自分の状況にあわせて、少しずつレベルを上げていってほしい。