2019年10月09日
昔の人は一日の眠りを2分割していた!睡眠事情から見る昔の生活とは?
ここ数年子どもから大人まで十分な睡眠がとれていないことが問題視されているが、よくよく考えると昔の人々の睡眠はどうだったのだろうか。彼らは現代人よりもしっかりと眠れていたのだろうか。
本記事では、近代より前の西ヨーロッパ人と江戸時代の日本人の睡眠事情から昔の睡眠を見ていこう。彼らの眠りにおける環境や取り組みを今の生活と比較しながら見ていくと面白いかもしれない。
□欧米人の睡眠は分割式が主流
最初は西ヨーロッパ人の睡眠についてだ。欧米人の眠りに詳しいバージニア工科大学のロジャー・イカーチ教授は、西ヨーロッパ人は眠りを2分割し生活していた。彼らの文化ではそれが当たり前だった。ナイジェリアのディブ族も「第1の眠り」「第2の眠り」と呼んで分割睡眠をとっていたと述べている。
彼らは2回に分けて睡眠をとることで、日常生活をより有意義なものにしていたのだろう。しかしその睡眠が快適だったかというと、そうではないようだ。特に経済的に貧しい家庭では十分な睡眠がとれていなかった可能性がある。
その背景には住環境が発達していないことが挙げられる。しっかりとした住環境が整備されていないことにより、寒さやにおい、害虫などの被害から身を守るのが難しかった。
これ以外にも文化的な背景として挙げられるのが、宗教関係者によって行われていた夜中の祈祷活動、国家の命を受けた警備団が防犯対策のために一晩中行っていたとされる大声による警備活動だ。街中で行われる、こうした祈りや巡回が人々の眠りを妨げていた。
□江戸時代の一般庶民は太陽と共に生活していた
では、昔の日本人の睡眠はどうだったのだろうか。江戸時代の人々の暮らしから考えていく。
当たり前だが江戸時代は今のように文明が発達していないため、夜が来れば外は真っ暗だったことが推測される。ろうそくなどの明かりをとるための道具は存在したが、高級品だったため一般庶民が持つには贅沢な物とされていた。
これらの理由から江戸時代の人は「朝日と共に起床して、日が沈めば就寝する」という生活形態が一般的だったと考えられている。夏至の頃は、日が昇るまで約9時間、冬至になると14時間ほど夜が続いたといわれている。
□四季のリズムを反映した睡眠を取り入れてみよう
昔の人たちの生活を見ていくと、夜になると寝る以外の選択肢がほとんどなかったようだ。
しかし現代人が昔の人のように睡眠を2分割すること、暗くなったら眠るという生活を取り入れるのはおそらく難しいだろう。
では自然に合わせて睡眠に変化をもたせてみてはどうだろうか。夏は朝日に合わせて少し早めに起床してみたり、冬は寝る時間を早めてみたりと四季のリズムに合わせた生活を送ることで、体にも無理のない睡眠がとれるかもしれない。
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