2019年09月25日
アルビノと眼球振盪の関連性について
アルビノと眼球振盪は併発することがあります。そのメカニズムはどのようなものなのでしょうか。アルビノと眼球振盪の解説を交えながら、専門家が答えます。
30代男性からの相談:「先天性眼球振盪の治療法と遺伝子の発現の仕方について」
『 私は先天性の眼球振盪です。一点を凝視したりすると違和感が出てきたりします。特に、証明写真などを取る際には首が気持ち悪くなってしまうので、なるべく写真を撮りたくないと感じてしまいます。今のところ手術などは受けていないのですが、治療する方法などはあるのでしょうか?
また、眼球振盪について調べていたところ、アルビノの人は眼球振盪を伴うことがあると知りました。なぜアルビノだと眼球振盪が出るのでしょうか? 私は色が白いといわれますが、髪の毛などは黒いです。肌が白いのは眼球振盪の遺伝子情報によるものなのでしょうか。 』
アルビノが眼球振盪を併発する仕組みとは
アルビノと眼球振盪のメカニズムを知ることで、なぜ2つの症状が同時に現れてしまうのかを知ることができます。
『 先天性大脳白質形成不全症は、ミエリン(ニューロンの軸索のまわりにある髄鞘=ミエリン鞘を構成するリン脂質)の構成成分やミエリン化(髄鞘が形成されること。生後20年ほどで脳の全域で起こるとされている)に必要な遺伝子異常により起こります。虫垂神経ミエリン化の広範かつ著名な低下か停止を特徴とする疾患です。(医師) 』
『 白質変性症(アルビノ)は神経病理学的に大脳白質が特異的に障害されるもの。ミエリンが最初からうまくできない疾患のことが、選定性大脳白質形成不全症です。原因は遺伝子が同定されています。(医師) 』
『 アルビノとは、身体の色素(メラニン)が生まれつき不足しているという症状です。原因はメラニンを作る遺伝子が正常に働いていないためです。メラニンは色素細胞の中にあり、色素細胞は皮膚、体毛、髪の毛、眼に多く存在します。(看護師) 』
『 眼の中の虹彩、網膜、脈絡膜の色素が不足していると、光をうまく感じ取ることができないため、視力が弱かったり、眼が左右に揺れる眼球振盪が出たりします。(看護師) 』
『 先天性眼球振盪の治療法と遺伝子の発現の仕方について、一般的に眼振といわれ無意識に眼球が振動している状態で、早く動くものを見ると起こる生理的な症状です。(医師) 』
『 両眼は普通バランスをとって上下左右に動きますが、眼球振盪は自分の意思に関係なく眼球に揺れが見られます。原因は、目の異常と耳の前庭器官の異常で起こります。脳腫瘍や血管障害・多発性硬化症の神経障害から起こることもあります。(医師) 』
『 眼球振盪があると、視界を安定させようと顔が傾いたり斜め見をしたりするため、首などに違和感が出ます。治療法は確立されていませんが、メガネなどによる矯正で視力を出すことで症状を軽減する方法が一般的です。(看護師) 』
『 相談者さんがアルビノかどうかは分かりませんが、眼球振盪は斜視を伴うこともあるため、定期的な検査を受けられることをおすすめします。(看護師) 』
目に色素が不足していることで、眼球振盪が誘発されてしまうということが分かりました。2つの全く異なる症状が結びつくという現象は身体の中にたくさんあります。何か気になっている症状が別の事柄によって引き起こされているというケースもあるのです。そうした場合には、しっかりとした検査を受けることが大切です。
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