2019年09月06日
脳科学で分かった! 人間が成果を出し続けるために必要なものは
新しいことを始めるときや、仕事や勉強で成果を出すには、いかにやる気を継続させるかがポイントになる。大きな目標をもって何かを始めたものの、途中で挫折してしまったという人も多いのではないだろうか。
今回は、脳科学からみたやる気を継続させる方法について紹介しよう。
□小型サルを使った実験で分かった脳と達成感の関係
慶応義塾大学と理化学研究所の合同研究で、霊長類のコモンマーモセット(以下、マーモセット)を用い、道具を使ってエサをとらせる訓練が行われた。
マーモセットは小型のサルの一種だが、サルやチンパンジーのようにそれぞれの指を器用に動かすことはできず、道具を使うのは難しいとされている。実験では、マーモセットが道具を使うと、おやつが与えられた。訓練が進むにつれ、エサをとる条件は難しくなり、失敗も増えていったが、マーモセットは約1年間の月日をかけて道具を使い続けたという。
研究では、困難なことをやり遂げたとき活性化する脳の部位の体積が増えていることが確認された。これはサルのマーモセットが、おやつが欲しいというだけでなく、達成感を得るために道具を使っていたことを意味するそうだ(※1)。
□脳が達成感を得るメカニズム
マーモセットを使った研究では、マーモセットが達成感を得ることができるように、エサの位置を5ミリずつずらすなど段階的に難易度が上げられたという。
たとえ小さな目標でも、脳は達成感に対して喜びを感じる。このとき脳の中では「ドーパミン」というホルモンが分泌され、強く印象に残るので、再び同じイメージを起こそうとするのがやる気の秘密だ(※2、※3)。マーモセットが毎回小さな目標を達成し、最終的に道具でエサがとれるようになったことが示すように、毎日の小さな積み重ねが大きな目標の達成へとつながる。
□やる気を継続する方法を生活へも応用しよう
マーモセットの研究を普段の生活に応用してみよう。
物事を始めるときには、大きな目標を掲げがちだが、現地点からの距離感が大きいために嫌になってしまうこともあるだろう。大きな目標を達成させるためには、エサとなる褒美も大切だが、長期目標と同時に、短期目標をもつことも有効だ。また、短期目標は達成しやすいものを選ぶことがポイントだ。達成感を脳に与え続けることで、脳のやる気を継続させやすくなるためだ。
何か始めるときに、いつも3日坊主になってしまう人は、大きな目標だけではなく、簡単にできる小さい目標をもつようにしてみることをおすすめする。
タグ:健康
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