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7割切り取っても再生可能!? 身近なスゴイ臓器「肝臓」をもっと知ろう

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気温が高くなると、どうしても酒量が増えてしまい、ついつい飲みすぎてしまう…なんてことも増えてきそうなこの時期。

負担をかけてしまう臓器の一つに「肝臓」が挙げられます。お酒を楽しく美味しく飲むにも、肝臓を健康に保つことが大切です。

別名「怒りの臓器」とも言われている肝臓の知られざる機能などについて、医師に解説していただきました。

肝臓の役割

場所
肝臓はお腹の右上にあり、半分肋骨に隠れています。息を吸って肺が膨らむと肋骨の下に顔を出します。

重さ
1〜1.5sある大きな臓器で、鳥や豚のレバーと見た目はそっくりです。

代表的な機能
・消化液である胆汁を作る
・血液中の糖分を保存し、必要な時は放出する
・脂肪をエネルギーに変える
・コレステロールを作る
・アミノ酸からタンパク質を合成する
・薬物やアルコール、アンモニアを分解・解毒する
・尿中や胆汁中に捨てることで体外に出す
・古くなった赤血球を壊し、ビリルビンにして捨てる

肝臓の豆知識

別名:怒りの臓器
東洋医学では五臓、つまり「肝臓・心臓・脾臓・肺臓・腎臓」が、それぞれ「怒り・喜び・憂い・悲しみ・恐れ」という感情を司っていると考えます。

怒りの感情は、特に肝臓と相互に密接に関わっているとも言われています。

西洋医学での説明、つまり科学的根拠はありませんが、経験的にそのように考えられています。

別名:沈黙の臓器
機能がかなり障害されないと症状が現れないため、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。

再生機能の凄さからギリシャ神話にも登場
再生能力が強く、肝臓の7割を切り取っても、残り3割から再生して機能を補うことができるとされています。

この再生能力は古代から知られていたのか、ギリシャ神話に出てくるプロメテウスという神は、ゼウス神の怒りを買い、山の頂上にはりつけにされ、生きたまま肝臓を鳥に食われるという刑罰を受けますが、夜の間に肝臓が再生するため、死ぬことができなかったという神話があります。

肝臓の血液浄化機能は東京ドーム程の面積が必要?
肝臓は体内で血液の浄化や物質の代謝に関わっている化学工場であり、その機能を代用しようとすると東京ドーム程の化学工場が必要とも言われています。

肝臓以外にもある体内の解毒や浄化に関わる臓器


肺は空気中の異物を血液中に入れないようにフィルターの役割をしています。

喫煙者の肺が真っ黒だという画像を目にされたことがあるかもしれませんが、これはタバコの中のタールなど色のある成分を肺が受け止めているためです。

腎臓

肝臓と並んで解毒に関わっている代表的な臓器が腎臓です。腎臓では血液中の不要物を尿に混ぜて体外に出しています。

脾臓

あまりなじみのない臓器ですが、お腹の左上にあり、いらなくなった赤血球を破壊して捨てる役割をしています。

しかし脾臓の機能は他の臓器で代用できる部分が多く、脾臓を取ってしまっても大きな問題は起きないとされています。

肝臓の働きが低下する要因

■ 肝炎ウイルス(A型、B型、C型が有名)
■ アルコール
■ 肥満
■ がん
■ 薬(薬剤性肝障害)
■ 自己免疫疾患
など

また、肝臓は腸のがんが転移しやすい場所の一つでもあります。

気になる肝臓に関するお悩み相談例

相談1:アルコール性肝障害は放っておいたらどうなる?
■ 相談者(30歳/男性)
かなりお酒が強いことから、飲み会でも日本酒5合以上は飲んでしまいます。

アルコール性肝障害ではまずアルコール性脂肪肝が発症するとのことですが、無症状の人が多いとのこと。

無症状のまま放っておいたら、どうなるんでしょう?

■ 医師からの回答
アルコール摂取量1日20g以上(日本酒1合相当)であればアルコールによる肝障害の可能性が出てきます。

正常の肝臓からアルコール性脂肪肝を経て、肝硬変へと進行していきます。 肝硬変になってしまうと元の肝臓に戻ることは、現在の医学では難しいです。

現在20代だからと言って、毎日日本酒5合を飲んでいれば、早い人で30代で肝硬変になります。

血液検査、超音波検査などである程度の進行具合は確認できるので、心配であれば肝臓専門医を受診されるか、アルコール摂取量を減らすことをおすすめします。


相談2:脂肪肝は食事の仕方でなおる?
■ 相談者(32歳/女性)
脂肪肝は食事の仕方でなおりますか?食欲が押さえることができず、痩せることが運動がすごく苦手です。どうしたらよろしいでしょうか?

■ 栄養士からの回答
脂肪肝の原因は、以下があげられます。
1.肥満・糖尿病
2.アルコールの飲みすぎ
3.運動不足

脂肪肝を改善する上で、一番大事なことはアルコールを飲みすぎないことです。

また、脂肪肝にはタウリンを含む食事・食品が良いとされています。

肝臓から分泌される胆汁酸には、コレステロールを排泄させる働きがありますが、タウリンを含む食品を摂取するによって胆汁酸の分泌が増え、血液中のコレステロール値も下がります。


相談3:肝臓機能に問題があり、食後や飲酒後にしんどくなる
■ 相談者(28歳/男性)
健康診断の際、肝臓機能に問題があります。

飯を食べるとすぐ眠くなったり、お酒を飲んでも他の人よりもすぐしんどくなってしまい、その日はもう動けなくなります。

これを解消させる方法を教えて頂きたいです。

■ 医師からの回答
AST、ALTというのは、肝臓の細胞が壊れることで増加する酵素の値です。
これが上昇している状態は、肝臓が何らかのダメージを受けていることが考えられます。

肝機能障害がある場合、全身の倦怠感が現れることが多くあります。

また、倦怠感を感じる原因は様々です。
肝臓やその他の消化器、血糖値、自律神経、精神的なものなども原因となり得ます。

一度精密検査を受けられても良いかと思います。

「肝腎(肝心)かなめ」と言われるように、肝臓は人間にとって重要な臓器です。

普段痛みを感じることは少なく、例えば胃腸などに比べて存在を感じることは少ないですが、健康診断などで肝臓の機能を検査する機会があれば、数値に注目してみましょう。





タグ:健康

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