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再生医療の未来 手足の再生は夢じゃない?

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一度失った手足が再生するなんてSF(サイエンスフィクション)の世界だけ。普通、誰だってそう思うだろう。しかし、一部の専門家は、いつの日かそれが現実になると考え、今も日々研究にいそしんでいる。

最近の研究では、ヒトも手足の再生に必要な遺伝子を持っていることが明らかになるなど、体に不自由を抱えた多くの人に希望の光が見えてきた。

□体をまるごと再生してしまうすごい生き物
「プラナリア」という生き物がいる。川や湿地などジメジメとした環境を好み、石や葉っぱの裏などに張り付いて生息している2、3センチほどの生物である。ナメクジを平たくしたイメージだ。

そしてこのプラナリア、実に驚くべき特性を持っている。例えば、プラナリアを2つに切断すると2匹のプラナリアになる。5つに切断すると5匹のプラナリアになる。頭だけを縦に三等分すると、頭を3つ持ったプラナリアになるのである。

こんな脅威の再生能力を持っている生物も存在するが、私たち人間にも再生能力が全くないわけではない。けがをした場合、傷口が元どおり治るのは、組織の再生であり、ひょっとすると、この再生能力を最大限に引き出すことができれば、将来的には手足の再生も夢ではないかもしれない。


□ヒトも手足の再生が可能!?
米メーン州の非営利研究組織「MDI Biomedical Laboratory」の研究グループは、再生能力が高い生物の組織再生中にはどのような遺伝子が働いているのかを調べた。

日本ではウーパールーパーの愛称で親しまれているアホロートル(メキシコサンショウウウオ)や、淡水魚のゼブラフィッシュ、ビチャーは、ヒレやアシの再生中に「blastema」という未分化の細胞を形成する。研究グループは、この「blastema」を多く含む細胞の塊に注目した。


□「miR-21」と組織再生のメカニズム解明がカギ?
すると、上述した3種の生物では、組織の再生中に「miR-21」というmicroRNAが共通してとても強く働いていることが分かったのだ。


microRNAは遺伝子の発現を調節する物質(核酸)であり、これが組織の再生に必要なさまざまな遺伝子の発現を繊細にコントロールしているという。そして、この「miR-21」は進化の過程で変わらず受け継がれ、ヒトを含む多くの動物に見られるのである。

私たち人間にも「miR-21」は存在する。それを考えると、「miR-21」と組織再生のメカニズムを解明することは、将来的に、手足の再生技術の開発にも大いに役立つ可能性があるのだ。

□思っただけで機械を動かす技術
手足再生の夢がかなうなら、それに越したことはないだろう。それとは少し異なるが、今もっとも実現の可能性が高い夢の技術がある。それがBMI(ブレイン・マシン・インタフェース)である。脳と機械を機能的に結合し、自分の手足のように機械を操る技術で、新しい義手や義足などへの応用が期待されている。

脳の運動指令を読み取り、機械を動かす指令へと変換するのだ。これは全くのSFではなく、すでにかなりの研究が進んでいる。○○したいと思っただけで機械を動かすことも、ある程度の精度で可能になっているのだ。


□将来的には手足の再生も夢じゃない?
失われた体の一部や機能不全となった組織を再生し、機能を回復する医療(再生医療)は、今後、最も注目される医療の一つとなるだろう。将来的に、手足をまるごと再生してしまうなんてことが実現される可能性も十分に考えられる。






タグ:健康

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