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脳も健康に?「脳のための」ランニングのススメ

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近所の川沿いのランニングスポットを朝、車で通りかかると、たくさんの人がランニングを楽しむ姿をよく目にする。ランニング人口はこの10年間で1.5倍になった。今では、一時期の大ブームほどではないもの、それでも1000万人近い人がランニングを楽しんでいる。ランニングを始めるきっかけや続ける理由は人それぞれだが、ランニングをする理由が1つ増えそうな新たな研究結果が明らかになった。

□ランニングをする理由とは?
人はなぜ走るのか。ランニング雑誌の出版社が2016年にインターネットで男女約1万3000人を対象に行ったアンケート調査によると、ランニングを始めたきっかけで最も多かったのは運動不足解消だ。次いで、健康のため、ダイエット、ストレス解消――と続く。レースに出場したい、楽しそうだからという理由を挙げている人もいる。

走る理由の中に当然ながら「脳」に関するものは1つも出てこない。脳とランニング。あまり結びつかないイメージの2つだが、実は大いに関係あることが分かったのだ。


□ランニングは脳にどのような影響を与えるのか
カナダのオタワ病院とオタワ大学の共同研究チームは、Snf2hというタンパク質が欠損しているため小脳が一般的なマウスよりも小さい特殊なマウスを使って、ランニングが脳にどのような影響を与えるのかについて実験を行った。正常なマウスは寿命が1年以上あるが、このマウスの寿命はたったの25〜40日程度しかない。また、体のバランスを取ることも難しいという欠点がある。


□ランニングが脳の神経を強化する
実験では、ケージの中にホイールを入れて、マウスがホイールを使って走れるようにした。この特殊なマウスをケージに入れて走らせたところ、寿命が1年以上に延びたのだ。また、走らせなかったマウスに比べてバランス感覚も良くなったことが分かった。

走らせたマウスと走らせなかったマウスの小脳の神経を調べたところ、走らせたマウスでは「ミエリン」という物質が増えていることが分かった。ミエリンは神経線維を覆っている物質で、これがない場合、素早く十分な情報を伝達することはできない。研究チームは、走ったことでミエリンが増え、小脳の神経が強化されたと考えている。

□ランニングは続けてこそ意味がある
これらはまだマウスの実験の段階であり、ヒトでも同じような結果が見られるのかはまだ分からないが、走ることが脳の“健康”に影響を与えることは明らかになった。今回の実験では走るのをやめると、寿命もバランス感覚も元の状態に戻ってしまった。

あるスポーツメーカーの調査では、ランニングを始めたものの半年以内に挫折した人は7割に上り、継続できている人はたったの3割だという。ランニング人口は1.5倍に増えたというものの、やめる人も始める人も同じぐらいいる状態が繰り返されているのかもしれない。

脳の健康もランニングを継続しないと効果は得られないとのことだ。ちなみに、音楽を聴いて走ることが継続の秘訣(ひけつ)という調査結果が出ている。脳のためにも体のためにも、モチベーションを維持する対策をした上でランニングを続けていただきたいと思う。





タグ:健康

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