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「朝のこわばり」リウマチの関節の痛みに体内時計が影響

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夜になると眠くなり、朝が来れば目覚める。毎日、睡眠と覚醒が当たり前のように繰り返されるのは体内時計が存在しているからだ。しかし、体内時計が影響を与えるのは睡眠や覚醒だけではない。意外にも関節の炎症にも影響を与えているという。

□リウマチ患者の「朝のこわばり」とは
関節が炎症を引き起こす病気で代表的なものが関節リウマチだ。患者は全国に約70万人いるとされるが、原因は不明。特に女性に多い病気だ。関節が腫れて痛くなり、進行すると関節が破壊されて変形してしまう。

この病気に特徴的なのが、朝、起きたときに手足の指、膝などの関節が炎症を引き起こして腫れぼったくなり動かしにくいことだ。「朝のこわばり」と呼ばれる。

朝、着替えようとしてシャツのボタンがうまくはめられなかったり、お箸がうまく使えなかったり、テレビのリモコンが押しにくいと感じたりする。しかし、しばらく手指を動かしていると普通に動かせるようになるという。不思議なことに、昼間や夜間はこわばりが落ち着くのだ。

□リウマチの「朝のこわばり」は体内時計でコントロールされている
朝になると手足がこわばるという症状はなぜ起こるのだろうか。リウマチ患者の朝のこわばりは、以前から体内時計との関連が指摘されてきた。

そこで、イギリスのマンチェスター大学の研究チームは、マウスを使って体内時計と関節の炎症の関連を調べた。夜を想定した暗闇に、手足の関節に炎症を起こさせたマウスを置いたところ、なんと炎症が治まった。一方、マウスに光にあて続けて体内時計を狂わせたところ、夜間は抑えられていた炎症が引き起こされた。

さらに、研究チームは、夜間、クリプトクロムというタンパク質が作られて、炎症を抑える働きがあることも明らかにした。だから、夜間は炎症が抑えられているが、朝になると再び炎症が引き起こされるのだ。これが朝のこわばりの仕組みだ。

□リウマチの投薬治療に新たな可能性
現状ではリウマチの治療は主に投薬が効果があるとされている。クリプトクロムというタンパク質が炎症を抑えることが分かったことで、新たな薬剤の開発が期待できる。

また、体内時計が炎症をコントロールしているとすれば、いつ、薬剤を投与すべきかという点についても、新たな治療法が見つかる可能性もある。炎症が抑えられている夜間に投与した方がよい、むしろ起きてすぐ投与の方がよいなど、今後、さらなる研究が進められるだろう。

リウマチは完治が難しいとされ、「寛解」といってほとんど症状がない状態を治療目標にすることが多い病気なだけに、少しでも症状が改善する新たな治療法の開発を多くの患者が待っている。





タグ:健康

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