2019年02月16日
皮膚が腫れるクインケ浮腫って何?放っておくと危険な腫れの治療方法
唇やまぶたの急な腫れが起こるクインケ浮腫という病気を知っていますか?
原因不明なケースも多く、皮膚や消化管、気道の腫れに伴う様々な症状を引き起こす恐れがあります。
稀に遺伝や後天的に免疫を司る補体系の異常を起こす種類のものもあります。
そんな耳慣れないクインケ浮腫について、症状や治療法、受診をするならどこの科にかかると良いかを解説していきます。
要チェック項目
□クインケ浮腫には遺伝性と後天性とが存在する
□突然のまぶたや唇、皮膚の強い腫れにはご用心
□重篤な症状では呼吸困難に陥ることも?
クインケ浮腫って何?
クインケ浮腫は別称を「血管神経性浮腫(けっかんしんけいせいふしゅ)」と言い、ドイツ人医師のクインケによって初めて報告された病気です。
皮膚や粘膜の一部または気道や消化官の一部など、局所に強い腫れを起こします。通常の蕁麻疹とは異なり発赤やかゆみ、痛みを伴わないことが多く、症状はすぐに無くなるものの反復して繰り返す特徴があります。
この腫れ(浮腫)は突然に現れて3日程度で自然と引いていくものが多く、クインケ浮腫であることに気付かなかったり、専門的な治療を行わなわずに放っておいてしまったりする人もいるようです。
クインケ浮腫の特徴
クインケ浮腫は、遺伝性のものと後天性のものに分かれます。
遺伝性
遺伝性血管浮腫といって「C1-INH」という免疫系に関わるたんぱく質の機能に異常があるために発生するものが遺伝性の中では一番多いです。
症状としては蕁麻疹を伴わないことが特徴ですが、消化管・気道に浮腫が発生することが多く、気道閉塞に注意をしなければなりません。
後天性
後天性のクインケ浮腫では蕁麻疹が起こることが多いです。後天性の中ではまず薬剤性によるものがあげらあれます。
起こりやすい薬剤としては、ペニシリン、アスピリン、ACE阻害薬があります。
その他の原因としては、アレルギー性、後天的な「C1-INH」の機能異常よるもの、また原因がわからない特発性のものも多いです。
クインケ浮腫の症状
クインケ浮腫の症状は唇やまぶたの大きな腫れが突発的に起こるものが多く、かゆみや発赤が見られないのが特徴で浮腫が起きる部位によってその他の症状が現れることがあります。
浮腫が消化管で起こると腹痛や嘔吐、悪心などの症状が見られます。
最も重篤化しやすいのが上気道におこる浮腫です。
上気道に浮腫が起きた場合、軽度であればのどの異物感が見られる程度のものもありますが、腫れが強いと気道が閉塞してしまい呼吸困難に陥るケースもあります。
処置が遅れてしまうと命の危険があるので、息苦しさや呼吸困難が見られる場合には早急に救急車を呼ぶようにしましょう。
クインケ浮腫は何科で診断?
クインケ浮腫と疑われる皮膚の腫れや症状が見られる場合には、皮膚科か内科を受診することになります。
診断には血液検査を用いてC1INH活性化、C3、C4、C1q、CH50という項目について見ていきます。症状や、これらの項目について低下傾向や低値が見られる場合にはクインケ浮腫であると診断されることがあります。
クインケ浮腫の治療法
クインケ浮腫の治療はアレルギーや薬など原因が判明している場合には、原因の除去を行うことになります。アレルギー治療薬である「抗ヒスタミン剤」の投与が一般的となり、症状の悪化を防ぎながら治療ができます。
遺伝性血管浮腫の場合にはC1-INHの低値が原因で症状が現れるので、C1-INH補充薬による補充治療を行います。また、蕁麻疹の治療やのどの腫れを抑えるトラネキサム酸の投与を行う場合もあります。
上気道に浮腫が現れ、気道閉塞が見られる場合には気管切開や気管内挿管、ステロイド薬の静脈投与などを行うケースもあり、救命救急が可能な医療機関へと速やかに搬送する必要があるとされています。
一時的な症状から急を要する症状まであり注意が必要!
クインケ浮腫の症状のほとんどが3日程度で腫れが引いてしまう軽度なものです。その為、軽視してしまったり発見できないことも珍しくありません。
しかし腫れが起こる部位によっては腹痛などの胃腸症状や、異物感を感じたりするケースもあり、呼吸困難を起こすと命に危険がおこることもある注意したい病気です。
少しでも疑いがあると感じる場合には、まずは皮膚科や内科で相談をして検査を受けるようにしましょう。
治療の必要がある場合には医師の指示に従って治療を進め、アレルギーなどの原因を取り除くよう努めるなど対処しながら生活が出来るようにしましょうね。
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