2018年11月26日
夜10時がリミット! 夜遅い食事をするなら空腹でいたほうがマシ?
夜遅い時間に食事を取る人が増えてきている。仕事の残業などで夕食が遅くなりがちなこと、コンビニ・ファミレスなどの24時間営業が増えてきて、夜遅くても食事ができる環境になったことなどが影響しているのだろう。
朝ごはんを食べない人を対象にした調査ではあるが、国の調査では40代男性の3人に1人(36.6%)は夕食の時間が21時以降、男性全体の約1割(10.8%)は23時以降に夕食を取るという結果が出ている。
しかし、遅い時間の食事は、食べない方が脳の働きをよくするようだ。アメリカのペンシルバニア大学の研究グループによる米国睡眠学会への報告によると、夜遅くの食事を我慢すると、睡眠不足による認知能力の低下を食い止められることが分かったのだ。
□「夜食は仕事や勉強に悪影響」はもう有名?
最近のさまざまな研究により、夜遅くの夜食が脳のパフォーマンスに悪い影響を与えることが分かっている。
ペンシルバニア大学の研究グループは、深夜に食事を食べないと、睡眠不足の状態の脳の認知能力にどのくらい影響があるのかを調べた。
□睡眠不足のときの認知能力、脳の働きへの食事の影響
研究には21歳〜50歳の44人が泊まり込みで参加した。毎晩午前2時に記憶力、認知能力、眠気、ストレスレベル、および気分を測定するために、各種のテストを行った。
睡眠時間は毎晩4時間で、3泊の間は日中の食べ物と飲み物を自由に取ることができた。
4日目の夜は午前4時に眠るまで、20人の参加者は食べ物と飲み物を自由に取ることができた。一方残りの24人の参加者は、午後10時以降は水のみ飲める状態で過ごした。
□夜の10時以降に食べるか食べないかで大きく変わる
その結果、4日目の午後10時以降に食事を取らなかったグループは、食事を取ったグループと比較して、反応速度が速く、注意力も高い状態だった。
さらに、4日目の10時以降に食事を取ったグループは、最初の3日間の夜とテストを比較して、有意に反応速度が遅く、注意力も散漫であった。
□10時以降はお腹が空いていても食べない方が能力UP?
本当は健康のためにも仕事などの効率アップのためにも、夕食を早めに取り、夜更かしせずに眠るのが一番いい。
しかし、仕事の事情などでは遅い時間に食事を取り、また仕事をする人もいるかもしれない。また、深夜に手軽に食べられるものをつまみながら、仕事をしている人もいるかもしれない。
しかし、夜10時以降にはお腹が空いていても何も食べない方がいい。
夜中に夕食を食べてからまた仕事を片付けようと思ったり、夜中に食べながら仕事をしたりすると、注意力が落ち効率も下がり、ミスを招くことにもなりかねない。
仕事が遅くまでかかりそうなときは、早い時間に食事を済ませるのが一番だ。もし食べる時間がなかったときは、ちょっときついかもしれないが食べずに過ごした方が効率よく仕事を終わらせることができる。
□睡眠不足のときの深夜の食欲にも注意
さらに、研究グループの筆頭著者デビット・F・デンジーズによると、睡眠不足の状態では、人は深夜の時間帯に約500カロリーも余分に食べてしまうという。
睡眠不足のときの食欲については、他の研究もある。睡眠不足のときには脂肪の多い不健康な食事が食べたくなることや、睡眠不足のときは食べるカロリーが増えること、空腹感や食欲を強く感じるようになることなどが分かっている。
夜中の食事には、能力が低下するだけではなく、体重が増加する肥満の危険もあるということだ。睡眠不足の状態も、夜中の食事も、健康や仕事に悪い影響がある。規則正しく食べ、睡眠を取ることが、健康にも仕事にもベストなのだ。
タグ:健康
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