2018年11月21日
点鼻薬の使いすぎで鼻炎になるって知ってた?
辛い鼻づまり。それを治すために市販の点鼻薬を愛用している人もいるでしょう。しかし、注意が必要です。点鼻薬の使い過ぎが鼻炎を引き起こすと専門家は警鐘を鳴らしています。
30代男性からの相談:「市販の点鼻薬はどれくらいの期間使っているとよくないの?」
『 私は慢性的な鼻炎で、鼻づまり、鼻水の症状がよく表れます。その症状の緩和のため市販の点鼻薬を購入し使用しています。しかし、先日調剤薬局の薬剤師さんから「市販の点鼻薬は長期間使用しないでくださいね」と言われました。
その場で聞き返せばよかったのですが、「長期間」とはどれくらいの期間を指すのでしょうか? また長期間点鼻薬を使用したことによる副作用にはどのようなものがありますでしょうか。すでに数カ月連続して使用しているので心配になって相談します。 』
点鼻薬が鼻炎の原因になる?
長期間の点鼻薬の使用は見直すべきかもしれません。点鼻薬はなぜ鼻炎の引金になってしまうのでしょうか。
『 市販の点鼻薬には、ナファゾリンなどの血管を収縮する作用のある成分(血管収縮剤)が含まれているものが多くあります。鼻の粘膜には、たくさんの毛細血管がありますが、この毛細血管が拡がることにより、粘膜が腫れ、空気の通り道が狭くなったり、ふさがれることで鼻づまりを起こします。(薬剤師) 』
『 血管収縮剤は、血管を収縮することによって、鼻の粘膜の腫れを抑え、鼻づまりを解消します。この作用には、即効性があり、使用後すぐに効果が感じられるため、使用頻度が増える傾向にありますが、使用しているうちに効果が弱くなり、持続時間も短くなるため、使用頻度や使用量が増えるといった悪循環になります。(薬剤師) 』
『 血管収縮剤入りの点鼻薬を長期間頻回に使用していると、だんだん効果がみられなくなるだけでなく、余計に粘膜が腫れてしまい鼻づまりがひどくなる「点鼻薬性鼻炎(または薬剤性鼻炎)」と呼ばれる状態になることがあります。(薬剤師) 』
『 また、血管を収縮させることで鼻炎を改善する成分が入った点鼻薬では、長期間使用することで、鼻の血管や粘膜が変性し、鼻の内部の粘膜が厚くなることで、鼻づまりを起こしてしまうことがあります。そして、その鼻づまりを解消するために、また点鼻薬を使用してしまう…というループがつづく副作用を薬剤性鼻炎(点鼻薬性鼻炎)といい、医療機関での治療が必要です。(薬剤師) 』
『 期間としては、1か月以上にわたる使用は、長期間といえます。また、頻度としては、1日に5〜6回も使用すると使いすぎと言えます。心当たりがあるようでしたら、一度、耳鼻科での診察を受けてください。(薬剤師) 』
『 1ヶ月以上、1日に5〜6回使用している状態は、使いすぎといわれています。数ヶ月連続して使用されているとのことですので、念のため、耳鼻咽喉科を受診されることをおすすめします。(薬剤師) 』
『 点鼻薬のお薬にも種類があり、どの成分が入っているかによって長期間の使用による副作用の影響が異なります。よくある副作用としては、使用時に鼻の刺激感や赤みがでたりします。(薬剤師) 』
点鼻薬を頻繁に使っている場合は、知らず知らずのうちに鼻炎をさらに悪化させてしまっているかもしれません。血管を収縮させる効果のある点鼻薬を使っている場合は注意してください。
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