2017年12月16日
ザクロから若返りにつながる成分が得られると判明
ザクロジュース、たくさん飲んじゃう?
老化を防ぎ、寿命を延ばし、あわよくば若返ることができる薬。まさに古来から不老長寿を求めて、人類は探求を重ねてきました。なんとそのカギが、果物のザクロに隠されている可能性が高いことが、このほど科学ジャーナルの「Nature Medicine」に発表されましたよ!
スイス連邦工科大学(Swiss Federal Institute of Technology)ローザンヌ校およびバイオテクノロジー企業のAmazentisが共同で進めた研究によると、ザクロを食べると腸内で作られるウロリチンA(UA)には、老化を防ぐ効果があると判明。実験用の線虫にUAを注入すると、寿命が45%も延びたことが明らかにされています。また、老齢の実験用マウスにUAを注入したところ、走り続ける時間が42%長くなったとされていますね。
進化の過程で非常に遠い異なる種において、すなわち線虫とマウスの両方で、同じ物質に対して同様の効果が確認された。これは生命体の基本的な構造に影響していることを示しているのだろう。
同研究に携わった、スイス連邦工科大学のJohan Auwerx教授は、このように語っています。どうやら細胞にエネルギーを供給するミトコンドリアの働きを、UAが回復させることに役立っており、これがアンチエイジング効果につながると考えられているようですね。実際に細胞内のミトコンドリアの損傷は、筋力の低下やパーキンソン病、老化に伴う健康上の問題の原因とされており、この原因をUAによって除去できるのであればとても有益なものとなります。
それならば、これからは毎日ガブガブとザクロジュースを飲みまくるしかない? そう考えたいのも山々ですが、残念ながら、ザクロの果汁そのものにはUAがふくまれていません。ザクロの果汁にふくまれる天然成分のエラギタンニンが、胃のなかで分解された後、腸に達すると腸内細菌の働きでUAが作り出されます。ただし、人によってはいくらザクロの果汁を摂取しても、腸内細菌がUAを作り出せない体質の場合もあり、ここが難しいところですね…。
今回の研究成果にもとづき、すでにAmazentisは、UAを直接抽出し、腸内細菌の働きを得ずに提供する手法の開発に着手。欧州内の病院で、臨床試験もスタートしているみたいです。劇的に人間の寿命を延ばすことまではできなくても、老化で筋肉が衰えることを防ぎ、長く健康な状態で生きられる健康寿命の向上にはつながるとの期待がかかっていますよ。そのうちめざましい新薬が誕生してくるのかもしれませんね。
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