2016年12月17日
仏研究機関、ジカウイルスがギラン・バレー症候群を引き起こすかと発表
仏パスツール研究所や仏領ポリネシアのルイ・マラルデ研究所、ポリネシア中央病院などによる共同研究チームは、「ジカウイルス」が「ギラン・バレー症候群」を引き起こす可能性があるとする研究結果を発表した。
ギラン・バレー症候群は、日本で特定疾患に認定されている、筋肉を動かす運動神経に障害が生じ、手足に力が入らなくなり、思うように動かせなくなる難病。いくつかの感染症や薬剤によって発症することが報告されている。
仏領ポリネシアでは2013〜2014年にジカ熱が大流行したが、その後、ポリネシア全土で総人口約25万人中42人がギラン・バレー症候群を発症。通常は10万人あたり1〜2人程度とされているギラン・バレー症候群の発症率としては非常に高く、ジカ熱との関連が疑われていた。
研究チームは42人の患者の血液を分析したところ、39人からジカウイルスの抗体を検出。さらに、37人はギラン・バレー症候群と診断される約1週間前に、ジカ熱と診断されていた。
同時期に流行していたデングウイルスの抗体は検出されておらず、ジカウイルスが原因でギラン・バレー症候群を発症した可能性が高い。ただし、42人の患者が発症したのは急性のギラン・バレー症候群で、発症後の回復も早く、全員すでに退院しており、後遺症もなく自立して生活しているという。
研究チームは、「今後ジカ熱が流行した地域でギラン・バレー症候群が発生した場合、ジカウイルスへの感染の有無も検査すべき」とコメントしている。発表は2016年2月29日、英医学誌「THE LANCET」オンライン版に掲載された。
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