2016年10月19日
成分量が9分の1に!? 「ひじき」の鉄分はどこに行った?
毎日の食事で気になるのが「栄養」。いままで栄養豊富と言われていたのに、昨年12月から大幅に減った食品があるのはご存じでしょうか?
2015年12月に改訂された「日本食品標準成分表」では、食品や調理器具も現代にあわせてリニューアル。あらたなルールで測定したところ、「ひじき」の鉄分は9分の1ほどしか含まれていないことがわかりました。また、天ぷらやから揚げのような調理済の食品も掲載されることになったので、外食が多いひとは一度チェックしてみると良いでしょう。
■「もらいもの」だった、ひじきの鉄分
食品に含まれる栄養は、文部科学省がまとめた「日本食品標準成分表」に記され、たとえばカルシウムが豊富と言われている牛乳の場合、100グラムあたり110mgであることがわかります。ところが、昨年12月の改訂によって、栄養が大幅ダウンしてしまった食品もあります。鉄分で知られる「ひじき」です。改訂前のデータでは、ほしひじき100グラムに含まれる鉄分は55.0mgとされていましたが、現代の生活に合わせて測定し直したところ6.2mgと、およそ9分の1しか含まれていないことがわかったのです。
ひじきの鉄分は、どこに行ってしまったのでしょうか? じつは減ったのではなく、調理器具からもらっていただけの話で、いまの生活に合わせてステンレス釜を使ったため、本来あるべき値になったのです。100グラム当たりの鉄分量を、調理器具ごとに比較すると、
・改訂前 … 55.0mg
・改訂後・ステンレス釜 … 6.2mg
・改訂後・鉄釜 … 58.2mg
と、鉄釜を使えばいまでも健在ですが、同時に、ひじき自体が鉄分豊富と呼べないこともわかったのです。
むかしは鍋や包丁も鉄製が当たり前でしたが、現在は軽くて熱伝導率の高いアルミ、さびにくいステンレスが主流となっているので、6.2mgを正と考えるべきでしょう。逆に考えれば、鉄分を摂りたいひとはひじきを食べなくても、鉄製のやかん「鉄瓶(てつびん)」を使えばよさそうですね。
■「から揚げ」 はカロリー3割増し
いままで調査されていなかった食品も記載されるようになりました。天ぷらやから揚げなどの「加工食品」です。
ランチメニューの定番である鳥もも・から揚げのカロリーと脂質を、ほかの調理方法と比べてみると、
・皮つき・生 … 204kcal / 14.2g
・皮つき・焼き … 241kcal / 13.9g
・皮つき・から揚げ … 313kcal / 18.1g
・皮なし・から揚げ … 255kcal / 11.4g
となり、から揚げにすると脂質が約3割もアップするので、ヘルシー志向なら「焼き」、ダイエットが気になるけど食べたいひとは「皮なし」が良さそうです。エビも生なら91kcal/0.6gしかないのに、天ぷらにすると199kcal/10.3gと大増量するので、ひじきの鉄分同様に、自体の栄養ではなく「油」からもらっていることがわかります。
余談ですが、カルシウム=牛乳のイメージに反し、
・木綿豆腐 … 120mg
・油揚げ … 300mg
・しらす干し(半乾燥) … 520mg
・煮干し(かたくちいわし) … 2,200mg
と、豊富な食品が数多くあります。おとなになるにつれ、牛乳を飲むとおなかがユルくなるひとが多いので、豆腐やしらす干しなどでカバーするのも一手でしょう。
■まとめ
・昨年12月の改訂により、ひじきの鉄分が9分の1に減った
・調理にステンレス釜を使ったのが原因。鉄釜なら従来通り「鉄分豊富」になる
・から揚げや天ぷらなど、加工食品の栄養も記載されるようになった
・日本食品標準成分表を活用すれば、外食が多いひともバランスよく栄養が摂れる
タグ:食品
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