2016年10月18日
統合失調症の特徴が判明しつつある…!?
統合失調症は、かつて精神分裂病と呼ばれていました。
大まかにいって人口の100人に一人程度は発病すると考えられています。計算上、学校の2〜3クラスほどに1人はかかる病気です。
最近では統合失調症を抱える人の特徴がわかったり、特定のタンパク質との関係している発表があるなど、今もなお解明中です。
今回はこの統合失調症についてお伝えします。
統合失調症をおさらい!
統合失調症は、精神科疾患の一つの症状です。幻覚や妄想、あるいは自閉傾向や認知の障害などが挙げられます。
具体的には、以下のようなことを感じます。
・誰かに見張られている
・周囲の人に嫌がらせをされる、全く知らない人にまで自分の個人的な情報が知られている、といった被害妄想
・本来はそこに存在しない人の声が聞こえる
また、身体の一部に違和感を感じることから「誰かから見えない電波などで攻撃されている」と妄想することもあります。
統合失調症の原因やきっかけは…?
統合失調症は、抱えている本人にとって非常につらい症状もあります。しかし、原因や発症の仕組みは今のところはっきりしていません。
そもそも一つの病気ではなく症候群として扱うべきではないか、という意見もあるほどです。
遺伝情報が同じ一卵性の双子でも一人は発症し、もう一人は発症しないケースも半分程度あります。このことから遺伝のみで発症するものではないと知られています。
さらに、お母さんが統合失調症を持っている場合でも、子どもが統合失調症を発症する可能性は1割に過ぎないこともわかっています。
統合失調症の多くは30代までに発症します。
発症するときには何らかの心理的な負担がかかっている場合も多いようですが、必ずしもその限りではありません。また、統合失調症と診断されている方々の中でも、病気の軽い・重いはもちろん、症状や経過も千差万別で一概に「これが原因」と言えない点が多いです。
解明されはじめた統合失調症
最近では、統合失調症を解明する発表がニュースでも取り上げられています。
発症の原因ははっきりしてはいないものの「脳内のホルモンバランスがこれらの多彩な症状の原因ではないか」という説が有力視されています。それに基づいて脳内ホルモンを調節する薬が次々に開発され、目覚ましい効果を上げています。
また、大阪大学のチームが「統合失調症患者では左脳深部における淡蒼球(たんそうきゅう)、と呼ばれる部分の体積が右脳側より大きい」という研究結果を発表して、注目を集めています。
淡蒼球は運動機能のほか、統合失調症の方が障害されやすいとされる『意欲』にもかかわっている領域です。以前から統合失調症の患者さんでは淡蒼球が大きくなっているということは言われていたことから、この部分の病気への関与に一層期待が持てますね。この発表は今後、非常に謎の多い統合失調症の原因解明やより画期的な治療法の開発の一助となるのではないでしょうか。
これからも、新しいお薬や治療法の開発によりその割合はますます増えていくでしょう。
色々な病気が医学の力によって過去のものとなりつつある今、統合失調症に悩む方々やご家族にも明るいニュースが届いてほしいものです。
タグ:健康
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