2016年06月30日
食べるだけではなく縛る材料にも――かんぴょうの歴史と栄養
ひものように細長い形状のかんぴょうは、のり巻きなどにして食べるだけでなく、食材を縛る材料としてもよく使われる日本の伝統食品のひとつです。その歴史は古くて室町時代の文献にも登場し、江戸時代の料理書にはかんぴょうのさまざな調理法が書かれているなど、昔から日本人の身近にある食品でした。
かんぴょうの原料はユウガオの実。ユウガオは世界中にありますが、その実を食用にしているのは日本と中国だけだそうです。かんぴょうは大きく育ったユウガオの実を皮をむくように細長く薄く削ったものを天日に干して作ります。現在、かんぴょうの主な生産地は栃木県で、栽培面積、生産量ともに日本一で国内シェアの95パーセントを占めています。栃木県にかんぴょうがもたらされたのは、江戸時代中期頃で、ユウガオの実を削って加工して天日に干すという基本的な作り方は当時から変わっていません。
乾物のかんぴょうは、カルシウム、カリウム、リン、鉄分といったミネラルが豊富に含まれるほか、ゴボウの3〜4倍もの食物繊維を含む健康食品でもあります。かんぴょうの主な用途はのり巻き以外だと、昆布巻きやロールキャベツ、巾着などを結ぶひもとしての使用がほとんどですが、かんぴょうはクセがなくてどんな料理にも合うので、煮物や和え物、汁物の具やサラダにしても美味しく食べられます。
かんぴょうのメッカである栃木県では毎年1月の第四土曜日に「栃木のかんぴょう祭り」を開催しています。
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