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「天然酵母」のパンって何が違うの?

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小麦粉で作ったパン生地を焼いたらふっくらとふくらむのは、酵母(イースト)という微生物の働きによるものです。酵母は穀物や果物、空気中など自然界のあらゆるところに存在し、糖質を食べてアルコールと炭酸ガスに変えて排出して発酵させる性質を持っています。

酵母によって発酵させたパンが誕生したのは紀元前3500年頃の古代エジプト。小麦粉をこねたパン生地を放っておいたところ自然に発酵してしまい、それを焼いたことで古代エジプト人はふっくらとしたパンの美味しさを知ることになったのです。

しかし、パンが焼いたときにふくらむ理由が、微生物によるものとわかったのは、それから数千年も経た17世紀になってから。オランダのレーウェンフックが顕微鏡を発明し、酵母を発見したことで、ようやくパンがふくらむ理由が微生物によるものということがわかったのです。当時のパン作りにはビール醸造時にできるビール酵母などを使用していましたが、酵母の研究が進むに連れてパン作りのために純粋培養した「イースト菌」が工業的に生産されるようになりました。


その一方で最近では自然食品ブームもあって、「天然酵母」で作られたパンにも注目が集まっています。天然酵母は、ライ麦や果物などについている自然の酵母を育てて培養したもの。

イースト菌はパンの発酵に適したタイプが選ばれているのでパン生地を2〜3時間で発酵させることができますが、天然酵母は自然状態のままでいろいろな微生物が含まれており、パン生地の発酵に40時間以上かかることもあります。また、天然酵母には乳酸菌なども含まれているために酸味が感じられ、独特の甘みや食感があるパンに仕上がることも人気の理由になっているのでしょう。





タグ:食べ物

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