2016年05月14日
「歩く肺炎」? マイコプラズマ肺炎に注意
風邪のような症状でありながら、重症化する可能性もある危険な「マイコプラズマ肺炎」。患者の咳(せき)のしぶきを吸い込んだり、患者と接触したりすることで感染し、一部の人は肺炎になることもある。
日本では一時期大流行し、1990年代以降は鳴りを潜めていたが、近年になって徐々に拡大。しかし、その原因は分かっていないという。自分が感染源にならないよう、予防法を整理してしっかり理解しておこう。
■マイコプラズマ肺炎は風邪に似た症状と長引く咳が特徴
マイコプラズマ肺炎のウイルスが体に入ってから2〜3週間後、まず見られる症状が発熱、頭痛、全身の倦怠(けんたい)感などで、風邪に非常によく似ている。
発熱は1日中続くのではなく、1日のうち、ある時間だけ熱が上がりやすいという傾向がある。
マイコプラズマ肺炎の一番の特徴は、長引く頑固な咳。通常、風邪のような症状が出てから3〜5日後から咳をし始め、3〜4週間ほども続くという。感染した人の多くは軽い症状で済むことが多いが、肺炎にまで発展し重症化する場合もある。
■マイコプラズマ肺炎の初期は医師でも判断が難しい
風邪に似ているため自覚症状も少なく、初期の段階では医師ですら断定することは難しいというマイコプラズマ肺炎。確定するための診断方法はあるのだが、2度の採血が必要だったり1週間ほど時間がかかったり、また、痰(たん)をDNA検査する方法もあるが、現実点では民間施設において、実用的ではないということだ。
さらに、風邪に対する抗生物質は一切効かず、マイコプラズマ肺炎に対して今まで処方されていたマクロライド系の抗生物質にも耐性のあるものが現れ、効かなくなってきているという。
風邪の症状で受診し、処方された抗生物質で変化が見られないようであれば、マイコプラズマ肺炎の疑いもある。咳だけだからと甘く見ず、咳が長く続いているときは、病院に行くべきだろう。
■マイコプラズマ肺炎の予防には徹底した手洗いとうがいがカギ!
冬にやや増える傾向があるというこの感染症を、どうしたら防げるだろうか? マイコプラズマ肺炎の感染経路は風邪やインフルエンザと同じで、感染者の咳のしぶきを吸い込んでしまったり、感染者に触れることだ。普段から頻繁に手洗いをし、家族や親しい友人によく咳をする人がいれば、マスクの着用をおすすめする。
かつては、子どもや若者がかかりやすいとされてきた病気だが、近年では高齢者の感染も増えてきたという。体力のない子どもや高齢者の場合、特に気を付けるべきだろう。現在すでに、頑固な咳などの症状に心当たりがあれば、ただの風邪と決め付けず、すぐに病院に行っていただきたい。
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