2016年05月04日
飲みすぎ注意! アルコールの摂取で蕁麻疹(じんましん)発症の可能性?
アルコールを飲んでいたら、蕁麻疹が出てきたという経験はありませんか? これは一体どういうメカニズムが働いているのでしょうか。今回は、アルコールと蕁麻疹の関係について医師に聞いてみました。
そもそも「蕁麻疹」とは?
「蕁麻疹(じんましん)」とは、さまざまなアレルギー抗原に対する、皮膚の反応です。
一番分かりやすいのが、「食物アレルギー」でしょうか。
例えば果物や魚などにアレルギーがある人は、それらを摂取すると、身体の中でそのアレルギー抗原に対するさまざまな免疫反応が起こります。例えばアレルギーに関係する、好酸球や好塩基球といった白血球が活性化され、ヒスタミンという化学物質が大量に放出されることで顔が赤くなったり、熱が出たりとさまざまな症状を起こします。
皮膚の場合は、このヒスタミンによって皮膚にある白血球が活性化を受け、局所でヒスタミンを多量に放出します。その結果、炎症反応が起こり、細胞がさらにたくさん皮膚に寄ってくるようになり、水分が血管から放出され、かゆみ、赤みをともないます。これが蕁麻疹というわけです。
直接の刺激によるアレルギーも
食物だけではなく、皮膚に対する直接の刺激、つまり昆虫や植物、動物によるアレルギー、あるいは下着や服などの締め付けによるアレルギー、薬物アレルギーなどさまざまなものがあります。さらには原因が分からない蕁麻疹もたくさんあります。
アルコールが蕁麻疹を出やすくする理由
しかし食物アレルギーをもっている人が、必ず蕁麻疹を発症するとは限りません。蕁麻疹はその原因物質に加え、身体の状態が大きく影響するのです。つまり、蕁麻疹を出やすくする身体の状態というのがあるわけです。
その中の一つが、アルコールです。
アルコールを摂取すると、蕁麻疹が出やすくなります。その原因の一つは、アルコールを摂取することによる血流の活性化があります。蕁麻疹をはじめ、アレルギー反応の多くに白血球が関与しています。アルコール摂取や運動などによって血流が盛んになると、それに合わせて白血球も活性化します。そしてちょっとした刺激をきっかけにアレルギー反応が進行し、豊富な血流によってこれが全身に伝播すると考えられています。
アルコールとともに摂取された食物は吸収が早いため、ちょっとしたアレルギー物質であっても、通常の状態に比べ身体によく取り込まれ、アレルギー反応が進行しやすくなります。またアルコール自体、血流を盛んにするだけでなく、皮下に水の漏出を亢進しますので、蕁麻疹やそれにともなう水ぶくれの状態が起こりやすくなるというわけです。自分の身体と相談しながら、適度にアルコールを楽しみましょう。
タグ:健康
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