2016年03月22日
浅い眠り「レム睡眠」の役割がついに判明?
筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の林悠助教授と、理化学研究所脳科学総合研究センターと共同研究チームは、浅い眠りとして知られる「レム睡眠」が、脳の発達や学習に関係している可能性があると発表した。
レム睡眠は睡眠の状態のひとつで、体は眠っているが脳は覚醒している眠りを指す。まぶたは閉じているが、眼球は動いているため、正式には「急速眼球運動(Rapid Eye Movement)睡眠」と呼ばれる。その逆に、眼球が動かず脳も眠った状態を「ノンレム睡眠」と呼ぶ。
睡眠時にはレム睡眠とノンレム睡眠が交互に発生しているが、脳が休息していないレム睡眠の役割は、これまでわかっていなかった。
研究チームは遺伝子操作をおこない、レム睡眠とノンレム睡眠を切り替える神経の働きを自由に操作できるマウスを作製。レム睡眠の有無によって、どのような変化が起きるのかを調査した。
その結果、レム睡眠をなくしたマウスでは、ノンレム睡眠中に発生する「デルタ波」という脳波が少なくなり、レム睡眠を長くしたマウスは増加していた。
デルタ波は脳のシナプスを強化し、記憶や脳機能を回復させる作用があるとされ、アルツハイマー病やうつ病の患者は、睡眠中のデルタ波が極端に低下していることで知られている。
発表は米国科学振興協会誌「Science」2015年11月20日号(Vol. 350 no. 6263)に掲載された。
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