2016年03月14日
「ストレスの多い職場にいると寿命が縮む」は本当だった:研究結果
「タバコを1本吸うたびに寿命が少なくとも7分縮む」と聞かされたら、ぞっとしますよね。あるいは逆に、毎日の生活のよりどころにしている習慣が正しいと言われれば、ほっとするかもしれません。
ハーバード大学とスタンフォード大学のビジネススクールの教授からなる研究チームがこのたび発表した新たな研究成果により、寿命を縮めかねないもう1つの要因についても、喫煙と同様の計算が可能になりました。もう1つの要因とはすなわち、「職場のストレス」です。
研究チームは実際に、ストレスの多い職種に就いた人の寿命がどれほど縮まるかを、計算で解き明かしています。具体的に言うと、この研究は、死亡率と余命を人種や教育、性別に基づいた18のグループに分けて論じたもので、その概要は『ワシントン・ポスト』紙の記事で紹介されました。
研究チームはこれにとどまらず、職場のストレスを増大させる複数の要素を用いて、得られたデータをさらに分析しました。これらの要素には、無保険、失業や失職、シフト勤務、長時間労働、不安定な雇用、職場への社会的支援の不足、仕事に対する高い要求、裁量権の欠如などが含まれています。その結果、以下のようなことが判明しました。
18のグループすべてを通じて、余命がもっとも縮んでいたのは、失業や失職の恐れがある職種で働いている人と、健康保険が適用されない仕事に就いている人でした。 職場におけるこの2大「キラー」ストレスに続いて余命を縮める要因になっているのが、裁量権の欠如でした。
これらに続く要因については、性別による違いが認められました。女性の場合は第4位の要因がシフト勤務だったのに対し、男性の第4位は不安定な雇用でした。 この研究を実施したのは、ハーバード・ビジネススクールのJoel Goh氏、スタンフォード・ビジネススクールのJeffrey Pfeffer氏、Stefanos Zenios氏です。学術誌『HealthAffairs』に掲載された論文の概要で、3人はこう結論付けています。
さまざまな背景を持つグループがいるが、平均余命の違いのうち10〜38%については、そのグループの構成員が経験する職場環境の違いによって説明できる。
言い換えれば、ストレスの多い仕事に就いている人は、どう考えても、命を削って働いているわけです。これを聞いて、ついタバコに手を伸ばしたくなった人がいるのでは? 職場のデスクでこの記事を読んでいるのであればなおさらかもしれませんね。
タグ:健康
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