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かゆいとなぜ掻いてしまうのか?

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その裏には複雑なメカニズムがありました。

「かゆみ」というのはどうにもこうにも困ったものですが、実は皮膚に対するダメージを防ぐ大切な役割を担っています。ただ「かゆい」という感覚がどのように引き起こされるのかは、科学者たちの長年の研究にも関わらず、これまで解明されていませんでした。特に皮膚への接触で、かゆみを引き起こす接触と引き起こさない接触がある理由は謎に包まれていました。

しかし、マウスを使った最近の研究で、かゆみが発生しているとき体内で何が起こっているのかが明らかになりつつあります。Scienceに発表されたこの研究成果は、慢性掻痒(強い痒みが多発する疾患)に悩む何千人という患者の治療の突破口になるかもしれません。


有毛皮膚への刺激


そもそも、かゆいという感覚は何がきっかけで起きるのでしょう? 通常は有毛皮膚に軽い接触があった際に起こります。この感覚により、私たちはかゆみの元となっている部位へ手を動かし、掻くことでかゆみを取り去ろうとします。深く意識して行っている行動ではありませんが、この行動にはちゃんと意味があり、外部環境の物質や昆虫・寄生虫などから皮膚を守る役割を果たしています。

例えば「蚊が腕にとまって、むずむずして、かく」というシナリオを思い浮かべてもらえれば分かりやすいかもしれません。手をその場所にもっていくことで、皮膚に接触してかゆみを引き起こしている原因(=蚊)を妨害して、皮膚へのダメージを防いでいるわけです。体って、つくづくうまくできていますよね。

ただ、ここで不思議なのは、有毛皮膚へのすべての接触がかゆみを引き起こすわけではないという点です。例えば洋服などは常に皮膚に接触していますが、体がかゆくなることはありません。つまり体は、なんらかのアクションが必要な接触を「かゆみ」として認識し、その他多くの重要でない接触については「かゆみ」として認識していないわけですが、その選別はどのように行われているのでしょう?

今回の研究の重要性はこの点に関して手がかりを得たことにあります。研究によると、脊髄にある「抑制性脊髄介在ニューロン」の分集団である特別な細胞群が、皮膚と脳の間のゲートウェイとして機能していることが分かりました。これらの抑制性細胞が、かゆいという感覚が脳に送られるのを許可したり、阻害したりしているのだそうです。


慢性的なかゆみ、化学的なかゆみ、伝染性のかゆみ


研究には、この特別な細胞に選択的欠陥を持つよう交配されたマウスが使用されたのですが、マウスたちは有毛皮膚への接触に対して異常な掻破行動を見せました。かわいそうに、毛髪が触れただけでも必死になって振り払おうとするくらいだったそうです。つまり通常はかゆみとして認識されない接触に関しても、強いかゆみを感じていたということです。

この研究結果が人間にも当てはまるとしたら、慢性掻痒は、脊髄の特別な細胞に特定の欠陥があることにより引き起こされている可能性があることが示唆されます。これが事実であれば、患者に対する標的治療が可能になるかもしれません。

また研究では、有毛皮膚に対するかすかな接触よって引き起こされたかゆみに対しては異常な掻破行動が見られたものの、炎症反応で引き起こされたかゆみ(例:蚊に噛まれた)に対する反応には変化はありませんでした。

これによって分かることは、どちらのかゆみも主観的には同じであるにも関わらず、体は完全に別の経路で、どのような種類のかゆみが発生しているのかという情報を脳に送っているということです。これは意識的なインプットがなくとも、神経系が複雑な行動を引き起こすことができることの適例であり、このような働きをする細胞を研究者たちは「脊髄脳」と呼んでいます。

また、今回研究では、接触により引き起こされる痛みに関するマウスの反応は完全に正常でした。面白いことに過去の研究では、虫に噛まれた場合などの化学的な刺激によるかゆみと痛みの間には複雑な関係があることが分かっています。痛みを伴う接触や熱いという感覚は、化学的な刺激によるかゆみを抑制する働きがあるのだそうです(だからといって痛い思いや熱い思いをしたくないですけど)。かゆい場所を掻くと気持ちいいのはこのためで、引っ掻くことで生じる痛みで、かゆみが和らいでいるわけです。ただ残念なことにこの効果は一時的にすぎません。

もう一つ興味深いのは、かゆみを引き起こすのは皮膚に対する刺激だけでなく、心理学的要素も関連しているという証拠があることです。他の人が身体を掻いているのを見ると自分もかゆみを感じるといった伝染性のかゆみに関する報告は多く見られますし、最近の研究では、講義中に掻破行動に関連した視覚または聴覚的な刺激を与えたところ、聴衆の掻破行動が大幅に増加したという結果が出ています。

かゆみという現象と、掻破欲求・行動を誘発または防止するメカニズムについては、まだまだ今後の議論や研究が必要ですが、読者のみなさんがむずむずし始める前に、この記事はこのあたりで終わりにしておきますね。





タグ:健康

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