2015年12月18日
エナジードリンクの体内への本当の影響
眠気覚ましに。仕事や勉強で疲れたときに。サラリーマンや学生の強い味方となるのがエナジードリンクだ。コンビニなどで手軽に買える。「疲れが取れる」「元気になれる」ということだが、体内ではいったい何が起こっているのだろうか。
■大人気! エナジードリンクの市場規模は?
エナジードリンクで圧倒的人気を誇るのが、2005年に日本でも発売されたオーストラリア発の「レッドブル」だ。続いて、アメリカの「モンスターエナジー」。この2ブランドで国内市場の8割を占めているといわれている。エナジードリンクの国内市場規模は、ここ数年で10倍以上、拡大していて、今や400億円規模の市場にまで成長した。
エナジードリンクの主な成分はカフェイン、アミノ酸、砂糖、ブドウ糖などだが、これらが“パフォーマンスを向上させる”エネルギーの源となっている。例えば、レッドブルで1缶250mlあたり、カフェインは80mg、砂糖は27.5gだ。カフェインはコーヒーよりも少なく、糖分は一般的なソフトドリンクと同量だ。
■1缶250mlを飲んだらどうなるか?
エナジードリンクを1本飲んだら、なぜ元気になれるのか。体内では何が起きているのだろうか。
まず、飲んで10分後、カフェインが血中に取り込まれて、カフェインの作用で心拍数と血圧が上がり始める。次の15分間から45分間で、カフェインの血中濃度はピークに達する。これが、飲んだ人が集中力を感じる理由である。30分から50分でカフェインはすべて吸収され、血糖値が上がってくる。
そして、1時間で砂糖の分解が始まり、カフェインの効果も薄れてくるため、疲労感が浮かび上がるようになる。エナジードリンクの効果はおよそ1時間といったところのようだ。
5〜6時間後。カフェインの血中濃度は半分になる。そして、12時間ですべてのカフェインがなくなるという。経口避妊薬を飲んでいる女性は、この過程に倍の時間がかかることがある。さらに妊娠や肝臓を悪くしていたり、ほかの薬を服用しているときも、カフェインが体からなくなるスピードは遅くなる。
■いつも飲んでいる人は禁断症状も
健康な成人であれば、1時間で効果を実感し、12時間後にはエナジードリンクのすべてが体内から排出されるのだが、気を付けてほしい点がある。定期的にエナジードリンクを飲み続けている人は、飲んだ後、12〜24時間以内に頭痛や神経過敏、便秘などの禁断症状が出る可能性を残す。9日間ほど続く場合もあるという。
また、子どものエナジードリンク摂取は要注意だ。カフェインが体内から排出されるスピードが大人よりも遅いので、成分が長く残ってしまうのだ。問題行動を引き起こすという指摘もある。エナジードリンクは甘さもあるのでコーヒーと比較しても飲みやすく、子どもの場合は特に過剰摂取になる危険性を伴う。
米国疾病対策センター(CDC)の研究報告では、子供の73%が日常的にカフェインを消費しているのだという。その多くは、エナジードリンクやコーヒーからきているそうだ。冷蔵庫にエナジードリンクを常備している家庭は、子どもの手が届かないところに場所を移したほうがよさそうだ。
タグ:健康
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