2014年12月15日
根菜は水からじっくりゆでるのがいい
根菜は水からじっくりゆでるのがいいと言われています。それは根菜に含まれている「でんぷん」のため。でんぷんというとすぐお米を思い出しますが、実は根菜にもでんぷんが多く含まれているのです。ではでんぷんが多く含まれていると、なぜじっくりゆでるのが良くなるのでしょうか?
■お米や根菜を使って料理するときに、お湯に入れない理由
お米の主成分といえば、もっちり粘り気のあるでんぷん。このでんぷんは根菜にも多く含まれています。お米や小麦、とうもろこしなど地上にできる植物のでんぷんのことを「地上でんぷん」、根菜等の地下植物にできるでんぷんのことを「地下でんぷん」といいます。
地上でんぷん・地下でんぷんいずれも、温度が高くなるにつれてでんぷんが溶けて、のりのようになるという特徴があります。そのため急な温度差に弱く、急激に熱を入れると、でんぷんが溶けてのりになった部分と熱が通らない固い部分に分かれてしまい、温度差によって亀裂が入ったりうま味が外に逃げ出したりしてしまうのです。
特に根菜類は煮込むときの形が大きく、お米やとうもろこし等の粒の小さなものと違って、火の通り具合にむらができやすくなってしまいます。そのため、満遍なく均一に熱が通るようにするには「水」から。そして「ゆっくり火を通す」ことがおいしく根菜を調理するのに必要不可欠なのです。
■水からゆでた方がいい根菜は、冷ますときもゆっくり
また水からゆでた方がいい、でんぷんが豊富な植物は冷ますときもゆっくり冷ますのが大事です。でんぷんは熱が入るとのり状になり粘りが出てきますが、冷めるとこの粘りが少なくなってくるものがあるからです。そのため急激に温度をあげると形が崩れやすくなるように、急激に冷ますことでも煮物の形が崩れやすくなったり食感が悪くなったりすることがあるのです。
そのため根菜類の煮物を作ったときは、作った後にすぐ冷蔵庫にしまわないのがベスト。煮物を作った後に「粗熱を取る」という作業があるのは、冷蔵庫の省エネという理由だけではなく、料理をおいしく保つために必要なひと手間。
ゆっくり火を通したものは、ゆっくり熱を取るようにしましょう。
根菜が上手に扱えるようになると、それだけで料理の腕もひとつレベルアップしたように感じられます。ぜひ根菜で料理を作るときには、「ゆっくり水から加熱・ゆっくり冷ます」にて調理するようにしてみてくださいね。
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