2014年10月31日
睡眠で「記憶力」がアップするワケ
キャリアアップ、転職のために資格試験にチャレンジしている男女も少なくないはず。でも、なかなか思うように勉強が捗らなくて、合格できるか不安に感じている人もいるのではないでしょうか。
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もしあなたが「暗記物は苦手」とボヤいているなら、睡眠時間を見直してみるとより効率的に勉強ができるかもしれません。というのも、睡眠と記憶力には深い関わりがあるって知ってしましたか?
今回はそんな学習能力をアップする秘訣として、睡眠の取り方を見直すことが記憶力の向上に繋がるワケについてご紹介します。
人が睡眠を取るのはどうして?
人は人生のうち3割は「寝て過ごしている」と言われています。それだけの睡眠を人が取るのは、昼間働いた心身の疲れを休める必要があるからですよね。でも、私たちが寝ている間もいつもせっせと活動しているところがあります。それは脳。
あなたも人が睡眠を取るのは、「脳が今日起きた出来事の記憶を整理するから」と聞いたことはありませんか?実際、睡眠によって記憶力がアップするという興味深い結果が発表されています。
シカゴ大学のブラウン博士らが大学生207人を集めて、テレビゲームの成績を測定したそう。まず朝9時に60分間練習し、夜9時に再度ゲームをやってもらったところ、平均スコアは50%に低下したことがわかりました。
ところが、そのあと約7時間の睡眠を取って、翌朝9時に再びゲームをやってもらったところ、前日の朝にプレイしたスコアまで回復したといいます。つまり、睡眠をきちんと取ることによって成績が向上したということですね。
一夜漬けをしてはいけない理由
記憶を高めるレミニセンス効果とは
これを心理学では「レミニセンス現象」と呼んでいます。記憶というものは本来、時間とともに薄れていきます。しかし、覚えたてよりも一定時間経ってからの方がよく思い出せるというのが、このレミニセンス効果のすごい発見なのです。
ちなみに同博士が行った実験には、まだ続きがあります。というのも、ゲームの練習時間を朝9時ではなく、夜9時に60分間行ってもらうのです。そのあと7時間の睡眠を取って、翌朝7時にゲームをやってもらったところ、なんとスコアは約20%も上昇したのだそう。
この結果は普段の学習方法にも同じことが適用できそうですね。睡眠によるレミニセンス効果を最大限利用するために、暗記物は起床後の朝ではなく、睡眠直前の夜に行ってみて。睡眠時間を挟むことで一番効率よく覚えられるはずです。
一夜漬けをしてはいけない理由
あなたは夏休みの宿題を、毎日計画を立ててコツコツと勉強して終わらせましたか?それとも、集中して一気に片付けていましたか?言い換えれば、これらの学習方法は地道な努力タイプか、一夜漬けタイプに分けられますよね。
ニューヨーク大学のダヴィンチ博士らが行った研究でも、こんな実験結果が寄せられています。実験内容は22歳の男女16人を集めて、「魚=針」「星=時計」といった単語ペアを150個覚えてもらうというものです。
ひとつのグループは2日に分けて2回学習する「分散学習=地道な努力タイプ」、もうひとつのグループは1日にまとめて学習する「集中学習=一夜漬けタイプ」に分けて、それぞれの成績を観察してみました。
すると、成績はどちらも同じ結果だったそう。しかし、再度テストを行ったところ、集中学習を行ったグループの成績は前日の3分の1という結果に。一方、分散学習を行ったグループの成績は半分までに下がるに留まりました。
寝る前に○○の匂いを嗅ぐといい?
寝る前にバラの匂いを嗅ぐといい?
つまり、本当に頭のなかに入れるのなら集中して一気に覚えるよりも、毎日コツコツ勉強した方がきちんと覚えられているということ。一夜漬けはいけないと言われる理由も、まさにこれらの実験結果が証明していますよね。
もうひとつ睡眠の取り方によって記憶力がアップする方法があります。それは匂い。リューベック大学のボルン博士らが行った実験で、カードペアの位置を覚えるというテストを行ったそう。
このときバラの香りを嗅ぎながら暗記をし、眠っているときもバラの香りを嗅がせたところ、翌朝のテストの点数が嗅がなかったときよりも良かったという結果が出たのです。すなわち、睡眠中の匂いが記憶力をアップさせたことになりますね。
あなたも試験直前の夜は寝る前に香水をつけたり、日頃から部屋の匂いに気を配ってみては?もしかしたら普段よりも物覚えが良くなるかもしれませんよ。
毎日を健康に過ごすためにも
睡眠を正しく取るということは、私たちが日々健康に過ごすために欠かすことのできない生活習慣のひとつです。年々日本人の睡眠時間が少なくなっているなか、改めて睡眠の大切さについて見直したいですね。
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