2014年06月19日
うまい肉には理由がある! いま注目の「ブランド肉」
美味しいとされる銘柄牛や銘柄豚、銘柄鶏、地鶏など、いわゆるブランド肉と呼ばれる肉は、普通の肉とどこが
違う?
<銘柄牛>――日本の酪農家の知恵と努力の結晶
厳しい基準をクリアした牛だけが謳える「A-5クラス」
世界的に高い評価を得ている日本の銘柄牛だが、日本での食用としての畜産の歴史は浅い。明治になり居留地に住む外国人たちが、もともと農作業の役牛として使われていた但馬牛の味を絶賛したという。現在この但馬牛とその血統が、銘柄牛の主流を占めている。
銘柄牛は「品種」「飼育方法」といったさまざまな基準をクリアしなくてはならないが、なかでも重要とされるのが「A-5」「A-4」といった等級である。
「肉質」「脂肪の質」「サシの状態」などあらゆる面をチェックし、そのすべてで最高得点を取ったものが「A-5」とされる。「A-5ランクの和牛」とランクされた肉は、厳しいチェックをクリアした最高級品質の牛肉なのである。
・注目の銘柄牛
前沢牛(岩手県)
B-4等級以上の黒毛和牛種。肉質が柔らかく、とろけるような、ほんのり甘い脂が特徴
米沢牛(山形県)
100年以上の歴史を持つ。きめ細かくサシの入った霜降りで、サッととけるような食感
飛騨牛岐阜県B-3等級以上の黒毛和種。適度な量のきめ細かなサシが入っている。肉は淡いピンク色
松阪牛(三重県)
未経産の雌の黒毛和種限定。柔らかな肉質と、きめ細かな霜降りが特徴で、脂は甘い
神戸ビーフ(兵庫県)
但馬産黒毛和種のなかでも、特に肉質のよいものを認定。細かなサシとまろやかな食感を持つ
銘柄豚の注目ブランドは?
<銘柄豚>――濃厚で旨みが強いのにさっぱり美味しい
上質な肉質を受け継いだ、味のよさが自慢
最近耳にする機会の多い「イベリコ豚」や「あぐー豚」といった銘柄豚と普通の豚の大きな違いは、厳しい「品種」や「飼育方法」などの基準をクリアしかつ、その銘打った豚肉の品質や能力をしっかり受け継いでいることが条件になる。
例えばイベリコ豚は、「イベリコ豚の血統50%以上」でなければ「イベリコ豚」を名乗ることができない。あぐー豚であれば「アグー種」の血を50%以上有する「アグー豚」を種豚として交配するという条件がある。
厳しい基準で生産管理された豚は、結果味がよく、自然と人気が高まっている。
・注目の銘柄豚
白金豚(岩手県)
脂肪が厚く、きめの細かい肉質が特徴。飲食店専用で、一般販売はされていない
平牧三元豚(山形県)
旨みが強くサッととける脂肪と、適度な歯ごたえを持つ柔らかさが特徴
TOKYO X(東京都)
きめ細かく良質のサシが入った肉質。柔らかな食感とあふれる肉汁が特徴
あぐー豚(沖縄県)
脂身が多いのにコレステロール値は低い。甘くさっぱりとした脂が特徴
イベリコ豚(スペイン)
ドングリをエサに放牧で育てる。オレイン産が豊富で、さっぱりとした甘みが特徴
銘柄鳥の注目ブランドは?
<地鶏・銘柄鶏>――ジューシーな味わいに人気沸騰中
血筋なら地鶏、飼育過程で選ぶなら銘柄鶏
両親か片親が在来種の純系、または在来種で、飼育期間80日以上、28日目以降は平飼い1平方メートルあたり10羽以下で飼育した鶏を地鶏。血筋は関係なく飼料、出荷日齢など厳しい基準をクリアし出荷される鶏を銘柄鶏と呼んでいる。
地鶏には愛知県の「名古屋コーチン」など、銘柄鶏には鳥取県の「大山どり」などがある。どちらも上質な肉質と旨みの強い味わいが人気で、飲食店だけでなく食卓にのぼる機会も多い。
・注目の地鶏と銘柄鶏
地鶏
比内地鶏(秋田県)
繁殖の難しい比内鶏を品種改良したもの。歯ごたえがよく、加熱しても硬くなりすぎず、味が濃い
名古屋コーチン(愛知県)
江戸時代末期に尾張地方の在来種を基に改良。コクのある旨みとしまった肉質が特徴
薩摩地鶏(鹿児島県)
天然記念物である薩摩鶏にアメリカ原産種を交配、改良。しっかりとした食感、深い味わいが特徴
銘柄鶏
奥州いわいどり(岩手県)
岩手県磐井地方限定生産。生臭さがなく、甘みとコクのある旨みの強い味わいが特徴
大山どり(鳥取県)
山陰の秀峰大山の麓で育てる。肉厚で弾力のあり、旨みが強く、ジューシーな味わい
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