なつかしの映画

かって日本に脱獄王と呼ばれた男がいた。白鳥由栄、青森出身の男で仲間と強盗殺人を犯したことから服役。

１９３６年青森刑務所を脱獄したのを皮切りに、秋田、網走、札幌と収監されるごとに脱走し当局をきりきりまいさせた。

その脱獄の手口は恐るべきもので、口や肛門に針金を隠して密に錠を開けたり、手足を蜘蛛のように突っ張って

壁を登り、天窓を頭で突き破って脱走するといった奇想天外な方法であった。

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手錠、足錠をかけ、後ろでにしても難なく錠を開けてしまうので。刑務所側もあきれついに鋼鉄製の頑丈な手錠とチェーン

でぐるぐる巻きにして白鳥を拘束する。

しかし、白鳥のほうが一枚上手だった。１年にわたって味噌汁を手錠に吹きかけて錆びさせ手錠を壊しまたも脱走するのである。

吉村昭の「破獄」はこの白鳥をモデルにした小説で１９８５年、NHKで緒方拳主演でドラマ化された。

白鳥は佐久間と名前を変えられ、白鳥と終生かかわることになる看守役に津川雅彦が好演している。

戦前の犯罪者は、赤い半纏を着せられていて、緒方の丸刈り頭と鋭い眼光は本物の犯罪者そのものである。

白鳥はしかし最後のつとめの府中では脱獄はせず満期出所して、出獄後建設作業員をしているとき心筋梗塞で

亡くなった。
年を取ってからの佐久間（白鳥）の緒方も真に迫っていて凄い演技力である。

白鳥はとんでもない怪力の持ち主で素手で手錠を引きちぎったと言う。

破獄