『安全地帯II』七曲目、「真夏のマリア」です。
石原真理子さんの暴露本を立ち読みしただけなんですが、この曲の「マリア」とは石原真理子さんのことだと、玉置さんがおっしゃっていたそうです。
うーーーーん、どういう理屈で松井さんの書いた「マリア」が石原真理子さんのことになるのかは、とんとわかりませんが、石原真理子さんの書かれたことが本当だとしたら(あくまでこの件に関してのみ言及するとして)、玉置さんが石原真理子さんのことだと思ってこの歌を歌っていた、ということなのでしょう。
それはさぞ、真に迫った歌いっぷりでしょう。
このエピソード自体はもちろんロマンのある話なんですが、わたくしは、玉置さんがそんなふうにだれかへの思いを込めて歌っているんだ、ということに新鮮な驚きを感じました。
玉置さん!あなた、やたらめったら歌がうまいけど、心もこもってたんですか!
いや、わたくし「心をこめて歌う」ということに、ほとんど価値を見いださない人間ですもので、てっきり玉置さんは、恵まれた身体とテクニックのみであの凄みを出しているんだとばっかり思っていました。
もちろん、心「も」こもっているというだけで、本当に身体能力とテクニックのみであのモノ凄い歌が歌えているのかもしれませんけど、そこは誰にもわからないですね。
ともあれ、ちょっとキケンな恋の物語を思わせる歌詞、玉置さんのモノ凄い歌、明るく軽快なアレンジは、のちの「熱視線」「こしゃくなTEL」「ノーコメント」「恋はDANCEではじめよう」「きっかけのWink」「じれったい」といった曲たちの原型(しかもほぼ完成型)となったといえるでしょう。安全地帯の、この系統の曲が好きな人も多いのではないでしょうか。わたくしも大好きです。この手のキケン・ポップ路線は、ハードロック路線の代わりに登場したといってもいいかもしれません。
さて、この曲、ツインギターは、Aメロでほとんど単音刻み、Bメロとサビは歌のアオリをおもに担当しています。「ビッグ・ジョーク」と基本的には同じアレンジ方針ですが、「ビッグ・ジョーク」ではサビでも矢萩さんが刻みを担当していたのに対して、こちらはサビで二人とも刻みをしていません。これは歌の力をより前面に押し出そうという仕掛けなのではないかと感じられます。
ギター、そしてベースもシンプルさを心掛けたかのようなこのアレンジで、一番大変なのは、もしかして田中さんなのかもしれません。わたくしがドラム一番苦手だからかもしれませんが、この曲で一番コピーしたくないのはドラムです。なにしろ足が大変なのです。八分だらけで、完全に曲に合わせて叩かなければなりません。曲に合わせるって、そりゃアタリマエだろと思うんですが、ドラムは同じリズムの繰り返しで案外ゴマかせるものなので、途中ちょっとボヤッとしてても、ベースの音を聞いて「ああそうか」と思い出して再開するということが可能(あくまでもワタクシのようなダメドラマーの経験談)なのです。ところがこの曲のドラムは、完全に他の楽器と絡み合ったフレージングになっている箇所が多く、一小節でもテキトーなことをしたら演奏中に他のメンバーから視線の総攻撃を食らいそうです(笑)。サビの前半八小節くらいでしょうか、同じリズムが続くのは。とはいえ足が大変なフレーズなので、ワタクシ程度ではまったく気が抜けませんが。
余談ですが、『We're ALIVE』に、この曲のリハーサル風景らしき映像が入っていますね。玉置さんが「ちょっと速かったね、もう一回」というやつです。そのときの音が、いかにも貸スタジオの中で響く音だったのがうれしかったです。安全地帯でもこういう音でリハーサルするんだ……(当たり前)。
価格:1,545円 |
>ラストの玉置さんのスキャットと、平原まこと氏のサックス、田中さんのライドシンバルの掛け合い
うーむそれは観たかった!ほんとに観たかった!平原さん、田中さん……
安全地帯って凄いなあと思います。スタジオミュージシャンに食われることが絶対ないですもん。当たり前じゃんというほど当たり前じゃないんですよね。わたくしドラマーのいない某ミリオンセラー連発バンドの演奏映像では、そうる徹さんしか目に入りませんでした(笑)。
この曲も、たぶを安全地帯田中さん、六土さんの出すグルーブは玉置さんが一番唱いやすい、その気配?みたいなものを予感し合わせてリズムを作っていったんだろう、と私は妄想します(笑)
1991に行われたツアーでは全公演レイジーデイジーと共に全盛期の歌と演奏を披露してくれました。特にラストの玉置さんのスキャットと、平原まこと氏のサックス、田中さんのライドシンバルの掛け合いが本当に見事にカッコよかった!!!