アフィリエイト広告を利用しています
ファン
検索
<< 2024年12月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
つぶやき by トバ (01/01)
つぶやき by よし (01/01)
つぶやき by トバ (12/31)
つぶやき by よし (12/31)
抱きしめても by トバ (12/31)
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
toba2016さんの画像
toba2016
安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
プロフィール

広告

posted by fanblog

2021年02月27日

Big Starの悲劇


安全地帯VII 夢の都』七曲目、「Big Starの悲劇」です。

Be Be Be Be Be!なんて、とうてい安全地帯の曲とは思えませんよね。歌詞カードをあらためて見ても、横文字だらけでこれホントに松井さん書いたのって思うくらいです。ただ、当時はここまでに「Lonely Far」や「Seaside Go Go」といった、従来の安全地帯では考えられなかったような曲をすでに経てきていますから、おおこれまた攻めてんな―と思ったくらいで済んだ感じです。初めて聴いた安全地帯の曲がこれだという人はまずいないとは思いますが、万が一そういう人がいたら、その人にとっての安全地帯はわたしたちがよく知る安全地帯とは全然別のバンドみたいになることでしょう。そして、そのどちらもホンモノの安全地帯なのです。

こちらの安全地帯は、SWEETの「ロックンロールに恋狂い」とかハノイロックスの「オリエンタルビート」でも聴いているようなゴキゲンさです。いやマジで。

遠くからギター二本の掛け合いが聴こえてきます。そして、Bananaがウッドブロックでも叩きまくっているようなリズムが鳴り響き、一気にドラム、ベースでドガっと曲に入ります。「ン・パーンド・ドッテタット!ン・パーンド・ドッテタット!」みたいな声にならない声をバックに、ガリガリと重厚なリフを奏でます。なんでしょうね?この声にならない声みたいの?雑誌のインタビューで、玉置さんが「プラトニック>DANCE」では回転数をいじって女の子みたいな声を出したんだよと話していたのを覚えていますから、おそらく同じ装置を用いて玉置さんが歌ったのだとは思います。となると、これは玉置さん得意の意味なし語でしょうね。

バンドは同じリフを繰り返しつつ、ビッグスター!ビッグスター!と玉置さんが歌います。ビッグスターとはもちろん玉置さんのことなんでしょうけど、そうであるなら玉置さんは歌っていてつらかったかもしれません。なにせ、うかつに車も降りられない生活を何年もしていたのですから……リアルに身に迫る歌詞です。

でも、「ワインレッドの心」〜「悲しみにさよなら」〜「微笑みに乾杯」までの日々は、『安全地帯BEST』でいったん幕を閉じました。もちろんソロ活動はなさっていましたけども、何が何だかわからないくらいの熱狂の日々はすでに過ぎています。しずかに自分を振り返るというわけにはいかなかったかもしれませんけども、安全地帯がこのようなロックンロールを演奏することができるようになるくらいには、落ち着いてきたことでしょう。つまり、「ビッグスター」の自分をすこし客観的にみることができる状態だったと推察されます。

もちろん、あてずっぽうで言ってるんじゃないですよ、松井さんは、玉置さんの様子を見て、玉置さんによくにあう、玉置さん自身の心情を代弁できるような歌詞をお書きになることを心がけてらっしゃったんですから、(『幸せになるために生まれてきたんだから』より)、松井さんがこういう歌詞を書くということは、玉置さんがそれを歌う心境だった、少なくとも松井さんはそう思ったということなのです。

つまり、「イミテーションにもう中毒」「いいも悪いもとっくに麻痺」は、かつての玉置さんのことなのだろうと思われるわけです。ほかの「ビッグスター」を皮肉っているという可能性もなくはないですが、まあ、玉置さん松井さんはそういうことをする人たちじゃないでしょう(笑)。

曲は「黒いリムジン〜」と怒涛の展開をみせまして、世界が大騒ぎです。リムジンなんて東京じゃ運転できないですよ、少なくともわたくしはムリです。車体が長すぎます。そして東京の道は狭すぎて曲がりすぎです。北海道みたいにどこまでもまっすぐな広い道が続いていて「ジャスコまであと100km」とかの看板があるようなところならまあ……ってくらいです。もちろんこれは比喩で、ご本人は目立たない車でこっそりと会場の裏手に着き、人目に触れないうちにささっと会場入りするのでしょう。あくまで、イメージ上のロックスターはジャーン!とホール正面に乗り付けて、ドムッと重いドアを閉め、黄色い声援の群衆をかきわけるガードマンに囲まれながらさっそうと会場入りするのです。いまどきそんなことしそうなのYOSHIKIさんくらいしかいませんけど(笑)、それはわざとやっているのであって、ロックスターは夢を見せるのが仕事だと思っているから、リムジンとかガードマンとか、狭い道をリムジンで走ってくれる運転手とか、そういうところにお金を使えるのです。

ロックンロールは機関銃よりも威力がある!これもすごい歌詞ですね。まあ、機関銃打っても、心がすっかりロックの虜になってノックダウン!ではありませんよね。ふつうに身体の機能が停止するだけです。命は奪えても心は奪えない!よってロックンロールの勝ち!これが二番の「平和なら金で動く」というアナーキーな歌詞とも通底しているわけです。だって金払えば平和じゃん(笑)。命ごとき、平和ごとき、金でどうにでもなる、ほんとうにスゲエのはロックで心を奪うことなのさ……

いやホントに凄いような気がしてきました!(笑)ひとはどんなに豊かになっても争いを起こす生き物です。もっと豊かになりたいのか、支配欲を満たすためなのかなんなのかわかりませんが、飽くことなき争いを続けます。冷戦が終結する気配を見せていた当時の世界でさえ、東欧の次はアラブだとわかっていた死の商人たちが暗躍を始めていました。ある地域が平和になるのが金の力でそうなるのなら、ある地域の平和が失われて戦争になるのも金の力でそうなるのです。まさに平和が金で「動く」のです(平和に「なる」とは限らない)。そのいっぽうで、ロックは人の心を動かすという点では金と同じですが、ロックにハマりながら戦争はできません。「ロックンロールに恋狂い」を歌いながら機銃掃射したり爆弾投下したりなんてできません。とてもそんな気分じゃないでしょう。まさに平和の音楽なのです。まあ、ほんらい音楽はみんな平和なんですけど、軍艦マーチみたいに戦意を高揚させる音楽ってものもあるわけですから、音楽ぜんぶとは言えません。どなたさまもねばりと頑張りを、えー、ねばりと頑張りをもちまして〜どうぞお楽しみください〜なら金をスるだけで済みますが、本来の軍艦マーチだと海の底に沈みかねません。

そんな平和の使者のようなロックスター、ビッグスターは、いつも矢面に立たされます。それが仕事なんだから仕方ないですが、恋愛ひとつ自由にできません。スキャンダルに苦しみ、どんなに苦しくても逃げる場所がないのです。むかしはTWITTERが炎上しましたなんて心配はありませんでしたが、ワイドショーや週刊誌、スポーツ新聞がアチチのチで大炎上したものです。いまは落日のオールドメディアですが、むかしは芸能界界隈ではとんでもない力を持っていました。それで自ら命を絶ったと思われる芸能人もいたくらいです。かのビートたけしも編集部に殴り込んで逮捕されるという事件を起こしたくらいなのです。玉置さんも、石原さんとのことを散々に書かれて、ずいぶん悩まれたことでしょう。何やってんだ残酷だな、と思いますけど、彼らが書くってことは、それらを読みたい人が一定数以上いるってことなのです。残酷なのはわたしたちなのでした。

その陰で、自分は決して矢面に立たず、金だけ儲ける人は今も昔も存在します。「手も汚さないでたっぷり遊ぶ」のです。わたしもそうなりたいです(笑)、いや、なったらなったで気が咎めてすぐ参っちゃうでしょうね。わたくし悪いことをするには小心者すぎるのです。

さて、歌詞のことばかり書いてしまいましたね。演奏ですが、「パララ〜」「キャラキャラキャラ!」「キュオーン!」という、ギターは装飾音を中心にこの曲を彩ります。というか、そればっかりです。驚くべきことに、こういうノリノリの曲だとギャリギャリとコードで弾きまくりたいのがギタリストの性なのですが、それを見事に裏切ってくるのです。いや、これはわざとです。「Seaside Go Go」もそうだったのですが、ふつうならこうするだろっていう演奏の裏をわざとつこうとしないと、こういうアレンジにはなりません。矢萩さん武沢さんがふたりで示し合わせて、こういうギターコンビネーションにしようと、時間をかけて組み立てたのでしょう。

ギターが徹底して枝葉なので、ベースがこの曲の幹を担っています。それを意識してか、六土さんのトーンはミドルを強め、ハイを低めに、中低音域に音の中心を持ってきているような、パキパキしていない音作りです。これにより、ギターもベースもみごとに音域が分かれ、すべての音がスッキリ聴こえるように計算されています。これは見事です!

そうなると埋もれがちなのがドラムなんですが(笑)、田中さん、ここではシンセドラムらしき「シュコーン!」という音を使うことによってドラムの埋没を回避し、それでいてバスドラ・スネア・シンバルの音はアコースティックな見事な響きを届けてくれます。これは、ミキシングマスタリングの手法にもよるといやよりますが、おおもとの本人の音が鋭くないと不自然に強調されることになり、全体のビート感を壊してしまいます。

そして玉置さん!思う存分叫んでくれます。「黒いリムジン〜BeBeBeBeBeBe!」のような歌い方、バンドでもソロでもこれが初めてじゃないでしょうか?ライブでたまに叫ぶときにみせてくれるテンションで一気に歌いきります。「きれいだよFriend」と同じ人か疑わしくなるくらいスタイルが違います。わたくし、「キ・ツ・イ」や「I'm Dandy」の玉置さんキャリア上での意味をあまり見いだせていなかったのですが、もしかしてこういうところに生きてきているんじゃないか?と思えるようになってきました。これ以上のロックボーカリストはいないぜってくらい、ロックがハマっています。

そんなわけで、安全地帯の歴史上、非常にエポックメイキングなこのアルバムなんですが、その中でもとりわけ鋭角なエポックを示す曲、「Big Starの悲劇」でした!

安全地帯7〜夢の都 [ 安全地帯 ]

価格:1,533円
(2021/4/17 16:48時点)
感想(0件)


Listen on Apple Music
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
ラン・オブ・ラックさんこんにちは。え!そうなんですか、初めて知りました。Big Starがアーティスト名だとはつゆ思わず!世の中、わからないものですね。“September girls”も聴いてみましたが、ギターの音がキュインキュインと、ノスタルジー溢れる感じですね。それなのにリズム隊はズッシズッシとヘビーなのがまた……" The Ballad of El Goodo"も聴いてみましたが、なんだかこう、少年のころを思い出して切なくなってきました(笑)。こういう音がまだわずか十何年か前のもので、そういう音をおさめたレコードがまだ身の周りにふつうにあった時代です。ナイスな情報ありがとうございました。いやー、妄想ばかりなので、こういう情報にハッとするのがまた楽しいです。
Posted by トバ at 2021年04月27日 21:26
ビッグスターは70年代初期にアメリカで活躍したフォーク・ロック?バンド。有名な曲は“September girls”だったかな?玉置さんのフェイバリット・アーティストの一つだそうです。
Posted by ラン・オブ・ラック at 2021年04月27日 18:05
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10565791
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。