2016年08月24日
チェコ料理(八月廿一日)
何を書こうか考えていて、書けそうだけれども、どうも踏み切れないテーマがある。考えがうまくまとまっていないからなのか、落ちが付きそうにないからなのか、自分でもよくわからないけれども、無理やり書き始めてしまうと、迷走してしまってとんでもないところに着地して、書き直しなくなることさえある。
だからと、言い訳から始めたのは、書き始めて短時間で書き上げられそうなネタがないので、特に考える必要もないことを書くことにしたからに他ならない。すでにこの部分からして迷走しているなあ。それはともかく、チェコの、チェコで、オロモウツで飲むべきビールについては、書いてきたが食べ物についてはあまり書いていないことを思い出したので、ちょこっとまとめておく。
スマジェニー・シールと、ブランボラーク、オンドラーシュについてはすでに書いたようなので改めては書かないが、ブランボラークについては、ジャガイモのパンケーキという料理が『美味しんぼ』の最初のほうに登場していたのを思い出した。古びたドイツ料理店が舞台の話だった記憶はあるのだが、チェコで初めてブランボラークを見たときには、まったく結びつかなかった。だから、ジャガイモのパンケーキも、ポテトパンケーキもブランボラークの和名としては認めない。ブランボラークはブランボラークなのだ。知人の誰かだったが、ブランボラークは新しいジャガイモで作るよりも、ちょっと古くなってしおれたようなもので作ったほうが美味しいんだなんて言っていたけど、本当かどうかは知らない。
グラーシュも、『マスター・キートン』の最後のほうでキートンの恩師がウィーンのレストランでよく食べていた料理として「グヤーシュのクネーデル添え」とかいう名前で登場している。当時はこの料理がハンガリー起源のものだと知らなかったので、グラーシュとクネドリーキの間違いじゃないのかなどと思ったものだ。
グラーシュの中でも、チェコ語で「セゲディンスキー」という形容詞のつくやつは、ちょっと変わっている。多分ハンガリーの都市セゲド風グラーシュという意味だろうが、本当にセゲドで作られているのかどうかは知らない。ザワークラウトとパプリカがふんだんに使われていて、酸味が利いているから、好き嫌いが分かれる味かな。キャベツを酸っぱいクリームで煮込んだようなものもあったかもしれない。クネドリーキと一緒に食べるのは普通のグラーシュと同じ。個人的には好きな料理だったのだけど、一度酸っぱすぎて食べられないのが出てきて以来、あんまり食べなくなった。
ザワークラウトを使う料理として、もう一つゼルナー・ポレーフカ、略してゼルニャチカを挙げておこう。ときどきゼレナーと間違えてしまうのだけど、緑のスープではなく、キャベツのスープである。セゲディンスキー・グラーシュと同じでパプリカを大量に使ったオレンジ色のものから、白いものまでレストランによって、家庭によってバリエーションがあるようだけど、酸っぱすぎなければ大抵は美味しい。
うちでは、冬になるとパプリカ入りのものを大鍋で作って、何日かかけて食べることが多い。レストランで食べるときには、白いのが出てくることが多いかな。ブ・ラーイにもあったような気はするけど、あそこではたまねぎのスープ、ツィブラチカを注文することが多かった。
酸っぱいスープといえば、知り合いがどこかのレストランで食べていたキノコの入ったスープが酸っぱくて大変そうだった。見かねたチェコ人たちが、それはチェコの伝統料理だけどチェコ人にとっても普通ではないスープだから、無理して全部食べる必要はないと言うぐらいだった。名前は何だったかなちょっと覚えていない。これが酸っぱかったのもザワークラウトのせいだったのだろうか。自分で食べていないからよくわからん。
初めてサマースクールに来たときに、勧められて食べたのが、ニンニクのスープ、チェスネチカだった。ニンニクが強烈に効いているのと、クルトンを入れるのは、どこでも同じようだけど、このスープも地方差が大きいらしい。ハナー地方のニンニクスープは、生卵がそこに沈められているのが特徴で、食べようと思ってかき混ぜたら卵の黄身が浮かんできてびっくりした。
ニンニクは、一時期中国産の廉価で味も香りもあまりないものが幅をきかせてチェコ産のものが手に入りにくくなっていたのだが、最近はどうなのだろうか。以前ニンニクの生産をやめた農家なんてのもニュースになっていた。その後はチェコ産のニンニクを求める声が高まっていたから、チェコのニンニク生産が増えていることを祈ろう。ニンニクはブランボラークにも使うし、チェコ料理には欠かせないのだ。魚を焼く時に塗るのはどうかとは思うけど。
こうして思いつくチェコで食べた料理を挙げていくと、チェコでしか食べられないものはほとんどないと言ってよさそうだ。ハプスブルク家の支配のもとにあったこの地域では、料理もいろいろな形で伝播して、地域差はあるものの全体としては同じような料理が作られるようになったと言えるのかな。ウィーンでは、モラビアの農村から出稼ぎに出た若い女性が女中や子守として仕事をしていたので、チェコ語の言葉がウィーンのドイツ語に取り込まれたという話もあるから、料理もそうなのだろう。どっちからどっちに流れたのかはともかくとして。
8月23日14時30分。
スビーチコバーとか、クリスマスの鯉のフライとかは、自分で食べないのでここに書くのはやめておく。8月23日追記。
こんなのが出てきた。パラチンキかあ。
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